全日本プロレス中継 2020 #7 6/25/2020
青柳優馬対芦野祥太郎
レスリング力と1人チームアングルともいえる攻撃を武器に青柳を圧倒した後、ヒール調の構築で、侵略者としてのスタンスも示す芦野。それらはレッスルワンでも散々見せつけてきた戦法だが、ほぼ同じキャリアの青柳が、臆する事なくガンガン攻めていく事で、芦野が次第に押されていくのは新鮮。青柳も芦野を立てながらも、メインイベンターとしても台頭しつつあるだけの実力を誇示し、単に芦野が侵略して王者諏訪魔に辿り着くだけの試合にせず、これから紡がれるかもしれないライバル関係を感じさせる熱量を持っていた内容。王座戦の前にこの試合を入れた事が、大きな意味を持つかもしれない。その思わせる熱戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全日本プロレス 後楽園ホール大会 7/25/2020
三冠ヘビー級選手権試合
諏訪魔(c)対石川修司

肉弾戦は大きな軸ではあるが、加齢やダメージの蓄積により、勢い溢れる激突をずっと続ける事は難しい。なので投げ技の応酬や小技を交えて構築していくベテランの上手さが堪能出来る。大爆発を起こした内容ではないものの、勢いは途切れさせずに、的確に効果的な良い攻防を見せ続ける。そして要所で期待通りのゴツゴツした攻撃や鋭角な投げを放つ。オールタイムベストではないものの、現状で出来るベストの内容を示した好勝負。
評価:****

全日本プロレス 後楽園ホール大会 10/5/2020
2020 Champion Carnival 公式戦 優勝決定戦
ゼウス対宮原健斗

新軍団パープルヘイズの首領となり、新兵器フェイスロックが猛威を奮っているゼウス。元々技師ではあったが、パワー一辺倒のスタイルに少しマイナーチェンジを加え、マンネリ化を防ぐ動きを見せると、好敵手宮原も得意の場外戦を駆使し試合を展開。攻守の切り替えが多く、緩急も使えている割には、これといったスポットがなく、締まりがなかった中で、ゼウスが大阪プロレスを代表する技の一つ、コウモリ吊り落としをエプロンで放った所から試合はいつもの全日本らしい肉弾戦へ。普通にやればとんでもない試合になる数え歌だが、変化を付けようとして、付けきれずに終わり、何とかまとめる為にハードな方面を選ぶという展開が続く。結局フェイスロックを煽った割には使いこなせてなかったというのが要因。当然優勝決定戦に相応しいニアフォールの連発と死力を尽くした攻防の数々は流石ではあるものの、フェイスロックの伏線を上手く使えていれば、狙い通りだった。前半とそれが上手く回っていれば、確実に名勝負だった。文句無しに好勝負。
評価:****1/4