WWE Clash of Champions 2020 - Gold Rush 9/27/2020
IC王座戦-ラダー・マッチ
ジェフ・ハーディ(c)対AJスタイルズ対サミ・ゼイン
序盤は攻防も崩れていて、期待値を低くする要素が多かったものの、ジェフを筆頭にラダーへのパンプを続けながら、アジャストしていく事に。潤滑油として動き続けたサミの活躍が大きい。ウザいヒールとしてのアピール力と攻守に当たり献身的な動きを見せ、同じヒールのAJの貢献度を上回る活躍を見せた。それだけでは単なる良い試合だが、やはりジェフの狂い咲きがダメ押しとなる。
死を感じさせるスーサイドぶり。43歳となっても、ラダーは友達とばかりに、普通の人が落ちない落ち方を見せたり、十八番の特大ラダーからの一撃を見せたりと第一人者の凄みを見せる。ハードコア度を一気に上げた所でもう一つの仕掛け手錠を投入。オートン戦で見せたピアスホール芸を手錠に置き換え、動きを封じるセンス。まだこんな手があったかと感嘆の一言。ジェフだけでなく、AJにも仕掛け、最後は隠していた鍵で、自らにも嵌っていた手錠を外し、地獄絵図となりながらもしてやったりの王座奪取。最高の演者、狂ったスポットの数々そしてゲーム性を活かした見事なクライマックスと冒頭の不安を完全に払拭し、最終的に傑作に仕上げたのは脱帽。流石超一流と言うべき一戦でした。
文句無しに好勝負。
評価:****1/4
WWE王座戦-アンビュランス・マッチ
ドリュー・ギャロウェイ(c)対ランディ・オートン
サマスラの試合が良かった事もあり、期待感が高かったものの、レジェンド達を絡ませる事を優先した事で、パワーバランスはグチャグチャになり、遺恨戦、死闘感が薄れてしまったのは残念。救急車を使った攻防は良く、表情作りはシリアスで見事だっただけに勿体ない。まあまあ良い試合。
評価:***1/2
WWEユニバーサル王座戦
ローマン・レインズ(c)(w/ポール・ヘイマン)対ジェイ・ウーソ
防弾技を脱ぎ、上半身裸となったレインズ。ワンピースでいう所の覇王色の覇気を纏っているというべきか、雰囲気だけで圧倒してしまうのは流石大スター。ヒールターンした事により、一段階ステージが上がった印象。格好良さが桁違い。別にそこまで悪どい事はしていないので、いつでもフェイスターンも可能な立ち位置にいるのも上手い。対するジェイは自然とアンダードッグポジションに追い込まれるものの、反撃する時の躍動感なキレの良さが光る。圧倒的に叩きのめされた後の反撃に必要な攻撃を全て持っているので、今のレインズの相手としては打ってつけ。血を争うという彼らにしか出来ない特別性に、あわや王座交代まで持っていき、最後は疑惑のローブローからのドミネイト、弟ジミーの登場と従兄弟対決でやりたい事を全て投入し、それを乱雑にならない形で綺麗に纏めて見せたのは素晴らしい。想像を遥かに超える激戦。この一戦だけでもレインズのヒールターンが成功だったと言わせる説得力を持たす事が出来る逸品。好勝負。
評価:****
全体評価:8.5+