マット・リドル対シェイン・ストリックランドシリーズ
AAW Defining Moment 2017 17/8/30
マット・リドル対シェイン・ストリックランド
シェイン・ストリックランドと言えば、ハイフライングを武器にし、
ハードコアやデスマッチもこなすレスラーというイメージだが、
最近は必殺技をキーロックにする等試合に幅を持たして、
ハイフライヤーというイメージから脱却しようとしている。
今回は本格派を目指すストリックランドが、
元UFCファイターであるリドルに胸を借りて、関節勝負を挑むというのがこの試合の前半。
プロレス的な関節技の見せ方をするストリックランドに対し、
プロレス的な入り方とMMA的な入り方を随所に織りまぜるリドルという対比が面白い。
関節技勝負はリドルが付き合ったという形だが、その後はストリックランドが猛攻を仕掛ける。
場外ダイブといったハイフライングをほぼ排して、
リング内で蹴りを付けるという徹底した展開の中、
ストリックランドが今取り組んでいる内容と以前からの得意技で後一歩の所まで追い詰めるものの、
「ここまで来れたな。でもここまでだな。」
と言わんばかりに畳み掛けて斬って捨てるリドルの超人的強さ。
従来の彼らの持ち味を残しつつ、
特に新境地を試したいストリックランドとそれを受け止めた上で跳ね除けるリドルという
戦いの中でストーリーも生まれていた興味深い内容。
LUのキルショットしか知らない人には是非お勧めの内容。好勝負。
評価:****
DEFY Wrestling DEFY8 Kings Among Men 17/9/29
DEFY Wrestling 8xGP王座戦
シェイン・ストリックランド(c)対マット・リドル
AAWでも同カードで好勝負を残していただけに期待感は高かったが、
それを大きく上回る爆発力を持った激戦へと昇華。
低空タックルでダウンを奪ってから一気に場外戦へと持って行き先制したリドルに、
スワーブ・ストンプから腕攻めへと持って行き一気に戦況を五分に戻したストリックランドと、
強引過ぎる位にブーストをかけていく展開。それでも密度は高く説得力十分。
その加速した勢いのまま終盤も、類稀なるスターパワーと超人的強さを示すリドルに、
ラフと腕攻めを織り交ぜながらカリスマティックに返して行く
団体のエースストリックランドの構図が、ピッタリ嵌り手がつけられない高みへと上っていく。
インディーのスター同士が全力でぶつかり合った死闘は、
インディーらしいスピードバトルにラフ&関節技を織り交ぜた逸品。
見事な名勝負。
評価:****1/2
MLW The World Championship Final 18/4/12
MLW世界ヘビー級王者決定戦
マット・リドル対シェイン・ストリックランド
王者決定戦という事でじっくりとした攻防も多く配置しながらも、
要所でのブーストはやはり魅力的。
リドルの超人的力とMMAスタイルを中心に据えながら、
そのサブミッションでストリックランドが反撃出来てしまうのだから恐ろしい。
腕攻めのバリエーションがかなり増えていて、魅せ方も上がっている。
必殺のキーロックに至るまでの説得力の出し方をここまで早くマスターしてしまうとは脱帽。
当然リドルの表情芸もしっかり下支えしている。
加速力や独創性では昨年の一戦には及ばないけれど、
その分大衆向けにモデルチェンジを加えながら、魅力として残す所は残す。
どの団体でも勝負出来る数え歌として確立した内容となった。
好勝負。
評価:****