■毎晩の「歯磨きタイム」が戦争になっていた
夜、長女の歯磨きの時間になると、僕はいつも身構えていた。
「はい、歯磨きするよー」と声をかけた瞬間、長女はソファの下に潜り込む。
無理やり口を開けさせようとして、羽交い締めのような体勢になったこともある。
そのたびに、長女は泣き叫び、僕もぐったり疲れ果てていた。
正直、「毎晩これをやるのか」と気が重かった時期がある。
■なぜ3歳児は歯磨きをあれほど嫌がるのか
調べてみると、3歳前後の歯磨き拒否には、ちゃんと理由があるらしい。
小児歯科の情報を読み込んでみると、口の中はもともと敏感な部位で、歯ブラシの刺激自体を不快に感じやすいという。
さらに3歳はいわゆる「イヤイヤ期」の真っ只中で、「自分で決めたい」という気持ちが強くなる時期でもある。
つまり歯磨き嫌いは、わがままではなく、感覚的な不快感と自我の芽生えが重なった、成長の証でもあるということだ。
「嫌がるのは、うちの子がわがままだからじゃない」と知れただけで、僕の気持ちはかなり軽くなった。
■僕が変えた声かけ3つ
①「歯磨きする?しない?」ではなく「どっちから磨く?」
「歯磨きしよう」と提案すると、長女はまず「イヤ」と返す。
これは提案そのものへの拒否反応だと気づいた。
そこで、するかしないかを聞くのをやめ、「上の歯からにする?下の歯からにする?」と聞くようにした。
どちらを選んでも歯磨きは始まる。でも本人には「自分で選んだ」という感覚が残る。
これだけで、ソファに逃げ込む回数がかなり減った。
②「早く」ではなく「あと10秒」
急かす言葉は、余計に構えさせてしまうと知った。
今は歯ブラシを当てながら「あと10、9、8……」と一緒に数える形にしている。
終わりが見えることで、長女も口を開けたまま待っていられるようになった。
「いつ終わるかわからない」という不安を取り除くだけで、抵抗はぐっと減る。
③「ちゃんと磨けたね」ではなく「今日は奥歯まで頑張ったね」
磨き終わったあとの声かけも変えた。
漠然と褒めるのではなく、その日できたことを具体的に伝えるようにした。
「今日は奥歯まで嫌がらずにできたね」「昨日より口を大きく開けられたね」というように、小さな進歩を言葉にする。
具体的に褒められた記憶は、次の日の「またやってみようかな」につながる気がしている。
■仕上げ磨きを嫌がる場合の工夫
3歳頃は自分で磨きたがるが、仕上げ磨きも同じくらい大事な時期だ。
うちでは、長女に自分で磨かせたあと、「仕上げは膝の上でね」と決まった体勢を用意している。
毎回同じ流れにすることで、「次はこれをする」と見通しが立ち、抵抗が減った実感がある。
絵本や好きな音楽を仕上げ磨きの時間だけ流す、という工夫をしている家庭もあるようだ。
■よくある質問
Q. 歯磨き嫌がりはいつまで続きますか?
A. 個人差はあるが、3歳から4歳にかけて「自分でできること」が増えるにつれ落ち着いていくケースが多いようだ。
うちの長女も、4歳に近づいた今は以前より抵抗が減ってきている。
Q. 無理やり押さえつけてでも磨かせるべきですか?
A. 毎日の歯磨きは大切だが、力づくで続けると歯磨き自体への苦手意識を強めてしまう可能性がある。
短時間でもいいので、本人が少しでも参加できるやり方を探る方が、長い目で見ると続けやすいと感じている。
■まとめ
歯磨き嫌がりは、わがままではなく成長のサインだと知っただけで、僕自身の心の余裕はかなり変わった。
「どっちから磨く?」「あと10秒」「具体的に褒める」の3つは、どれも今日からすぐ試せる声かけだ。
毎晩の歯磨きタイムが、親子にとって少しでも穏やかな時間になりますように。
