■ 「片付けて」と言うほど片付けない、うちの子どもたち
我が家には6歳(年長)の長男と3歳(年少)の長女がいます。夕方、リビングにブロックとぬいぐるみと絵本が散らばった光景を見て「片付けて」と声をかける。でも子どもたちは聞こえていないかのように遊び続け、結局僕が「もう!」と言いながら一人で片付ける。そんな毎日を繰り返していました。
「片付けて」と言えば言うほど、子どもは動かない。これって単純に「うちの子がだらしないから」なのか、それとも別の理由があるのか。脳科学の本を読み進める中で、僕はやっと腑に落ちる答えにたどり着きました。
■ なぜ子どもは片付けられないのか?脳科学的な理由
結論から言うと、「片付けて」という指示は、子どもの脳にとって難しすぎる命令なのです。
片付けという行為は、実は「今何がどこに散らばっているか把握する」「どこに何をしまうか判断する」「複数の物を順番に運ぶ」という、いくつもの工程が同時に必要な複雑な作業です。これを頭の中で組み立てて実行する力を「実行機能」と呼びますが、この実行機能を司る脳の前頭前野は、6歳や3歳の時点ではまだ発達の途中。大人が思う以上に、子どもは「片付けて」の一言から具体的な行動をイメージすることができません。
つまり子どもは「片付けたくない」のではなく、「片付けての中身が具体的に分からない」だけ、というケースが多いのです。僕はここに気づいてから、声かけの仕方をガラッと変えました。
■ 僕が変えた、お片付けの声かけ3つ
1. 「片付けて」ではなく「どっちからやる?」で選ばせる
「片付けて」という曖昧な命令の代わりに、「ブロックとぬいぐるみ、どっちから片付ける?」と2択で聞くようにしました。子どもは「選ぶ」だけでよくなるので、行動のハードルが一気に下がります。どちらを選んでも片付けが始まる、というのがポイントです。
2. 「これは何色の箱に入れる?」で行き先を具体的にする
おもちゃ箱にざっくり全部しまう方式から、色や種類でトレーを分ける方式に変えました。「これは何色の箱に入れる?」と聞くことで、子どもは判断する場所が減り、迷わず体が動くようになりました。
3. 「あと1個で終わりだよ」でゴールを見える化する
「まだたくさんある」と思うと、子どもはやる気を失います。残りの数を数えて「あと3個、あと1個」と実況することで、終わりが見えるようになり、最後まで飽きずに続けられるようになりました。
■ 6歳(年長)と3歳(年少)で変えている声かけの違い
同じ「片付け」でも、長男と長女では声かけを少し変えています。
3歳の長女には、選択肢は2つまでに絞り、「どこに入れるか」を写真や絵のラベルで視覚的に示すようにしています。文字はまだ読めなくても、絵を見れば「ここに入れる」と分かるからです。
6歳の長男には、「あと5分で夕飯だから、それまでに終わらせられる?」と時間を意識させる声かけを増やしました。年長になると見通しを立てる力が育ってくるので、「自分で終わりの時間を決めて動く」経験を積ませることを意識しています。
■ よくある質問
Q. 何歳から自分で片付けができるようになりますか?
個人差はありますが、2~3歳ごろから「どこに入れるか」を教えれば簡単な片付けはできるようになってきます。ただし一人で最後までやり遂げられるようになるのは、実行機能が育ってくる5~6歳以降が目安です。年齢に応じてできる範囲を決めてあげることが大切です。
Q. 片付けてもすぐ散らかってしまいます。どうすればいいですか?
散らかること自体は、子どもが今遊びに集中している証拠でもあります。「1つ出したら1つしまう」をいきなり求めるのではなく、まずは「区切りのタイミングで一緒に片付ける」習慣から始めると無理がありません。
Q. 片付けをごほうび制にしてもいいですか?
シールやポイント制など、最初のきっかけ作りとして使うのは問題ありません。ただし「ごほうびがないとやらない」状態が長く続かないよう、慣れてきたら「片付いた後の気持ちよさ」自体を一緒に言葉にして、内側からのやる気に少しずつ移していくのがおすすめです。
■ おわりに
「片付けて」を「どっちからやる?」に変えるだけで、我が家の片付け時間は驚くほど穏やかになりました。子どもが片付けないのは、性格の問題ではなく、指示の出し方の問題だったんだと今は思います。今日紹介した3つの声かけ、ぜひ試してみてください。