朝、保育園の入り口で長女(3歳・年少)が僕の足にしがみついて「イヤ!保育園イヤ!」と泣き出したことがあります。それまで機嫌よく着替えて家を出たのに、園の門が見えた瞬間にスイッチが入ったように固まってしまう。抱っこして引き離そうとすると余計に泣き声が大きくなり、後ろでは同じクラスのママたちが通り過ぎていく。正直、あの数分間は自分が何か間違ったことをしているんじゃないかと焦りました。
でも保育士さんに相談したり、脳科学的な子どもの発達を調べたりする中で、登園しぶりには「その子なりの理由」がちゃんとあることが分かってきました。今回は、うちの娘が実際に「保育園イヤ」を乗り越えるまでに僕が試した声かけと、逆にやってしまって失敗したNG行動をまとめます。
■3歳児が「保育園に行きたくない」と言うのはなぜ?
3歳前後の子どもは、脳の中でも「見通しを立てる」役割を持つ前頭葉がまだ発達の途中にあります。だから「保育園に行けば夕方お迎えに来る」という当たり前の見通しが、大人が思うほどうまく持てません。目の前で親と離れる瞬間だけが強く感じられて、不安が一気に膨らんでしまうんです。
これは愛着形成が順調に進んでいる証拠でもあります。「この人と離れたくない」と思えるのは、家庭でしっかり安心できる関係が築けているからこそ。登園しぶりが始まったからといって、育て方が悪かったわけではありません。
もちろん、体調不良や園での対人関係の変化(お友達とのトラブル、担任の先生が変わった等)が理由になっていることもあるので、単なる「甘え」と決めつけず、まずは背景を探る姿勢も大切です。
■僕が試してよかった声かけ3つ
1. 「イヤなんだね」と気持ちを先に受け止める
最初の頃、僕は「大丈夫だよ、すぐお迎え来るから」と安心させようと先回りしていました。でもこれ、あまり効きませんでした。娘にとってはまだ「イヤ」という気持ち自体を誰かに認めてもらえていない状態だったんです。
今は「保育園イヤなんだね、パパと一緒にいたいんだね」と、まず気持ちをそのまま言葉にして受け止めるようにしています。否定も解決もせず、ただ代弁するだけ。不思議と、これだけで娘の泣き方が少し落ち着くことが多いです。
2. 今日の流れを先に伝えて「見通し」を一緒に作る
前頭葉がまだ育っている途中の子どもには、口頭で見通しを何度も伝えてあげることが助けになります。家を出る前に「今日は給食を食べたら、お昼寝して、起きたらお迎えに行くよ」と一つずつ言葉にして伝えるようにしました。
保育園の前でも同じことをもう一度繰り返します。「あとこれくらい経ったらお迎えに来るからね」と、できれば具体的な目印(おやつの時間、お散歩の時間など)を挙げてあげると、娘も「今日はどこまで頑張ればいいか」が分かるようで、泣く時間が短くなった実感があります。
3. 「行ってきます」の儀式を決めて毎日同じにする
バイバイの仕方を毎回変えていた時期は、娘の不安が強いままでした。そこで「タッチしてから、指切りして、"また夕方ね"と言う」という一連の流れを固定しました。
同じ動作を毎日繰り返すことで、「これが終わったらパパは行く、でも必ず戻ってくる」という予測が立てられるようになったのか、儀式を始めてから明らかに泣く回数が減りました。子ども自身が見通しを持てる小さな仕組みを、親の方から用意してあげる感覚です。
■僕がやってしまって逆効果だったNG行動
「早く早く」と急かす → 焦りが伝わって余計に不安が強くなる
「行かないとおやつなしだよ」と脅す → その場では動いても、登園自体への抵抗感が強まる
子どもに気づかれないようにこっそり離れる → 一時的に泣かずに済むが、後で「急にいなくなる」という不信感につながりやすいと保育士さんに言われた
急いでいる朝ほどこの3つをやりがちなので、自戒として書いておきます。
■よくある質問
Q. 「保育園行きたくない、休ませる」のはあり?
A. 頻繁でなければ、思い切って1日休ませるのも一つの手だと思います。ただ休むこと自体が「行きたくないと言えば休める」というパターンになりすぎないよう、休んだ日は特別に楽しいことをしすぎない、などの線引きは意識しています。
Q. 登園しぶりはいつまで続く?
A. うちの場合は、3週間ほど強い時期が続いた後、儀式が定着してからは徐々に落ち着きました。個人差が大きいので、数日で変化がなくても焦る必要はないというのが実感です。
Q. 体調不良と甘えの見分け方は?
A. 熱や食欲、いつもと違う元気のなさなど体調のサインがないか先に確認し、それがなければ環境面(先生・友達関係)の変化を保育士さんに聞くようにしています。
「見通しを伝える」声かけの補助として、こんな子供用タイマーもあります。
■まとめ
登園しぶりは、子どもの脳の発達段階と愛着関係がちゃんと育っている証拠でもあります。気持ちを受け止める、見通しを伝える、儀式で予測可能にする。この3つを続けているうちに、うちの娘も少しずつ自分から保育園に向かえるようになってきました。同じように朝の登園で悩んでいるパパ・ママの参考になればうれしいです。