心理学の世界では、褒め方は大きく2種類に分けられると言われている。一つは「結果」や「能力」を褒めるやり方(「頭いいね」「天才だね」)。もう一つは「過程」や「努力」を褒めるやり方(「最後まで諦めなかったね」)だ。

結果ばかり褒められて育つと、子どもは無意識に「褒められる結果を出せる時だけやる」ようになりやすいと言われている。逆に過程を褒められると、うまくいかない時でも「やってみよう」という気持ちが続きやすい。いわゆる成長マインドセットと呼ばれる考え方だ。

「すごいね」は結果だけを指す言葉になりがちで、しかも毎回同じだと、子どもからすると「ちゃんと見てもらえていない」という感覚につながることもあるらしい。褒め言葉の中身より、「ちゃんと見てたよ」が伝わるかどうかが本質なんだと理解してから、僕の褒め方はだいぶ変わった。

■今日から使える、子どもの褒め方3つのコツ

①実況中継褒め(結果より過程を言葉にする)

「すごいね」の代わりに、子どもがやったことをそのまま実況するように言葉にする。長女がぐるぐる丸を描いた時なら「まる、いっぱい描いたね」「この色使ったんだね」。長男がロボットを作った時なら「ここ、うまく組み合わせたんだね」。評価を下すのではなく、見ていた事実を伝えるだけで、子どもの反応がまったく違う。

②「ありがとう」「助かった」で存在ごと認める

きょうだいの世話や片付けを手伝ってくれた時は、「えらいね」より「ありがとう、助かった」の方が響く。「えらい」は上から評価する言葉だけど、「助かった」は対等な感謝の言葉になる。長男に「弟妹の面倒見てくれてありがとう」と言うようになってから、進んで手伝ってくれる回数が明らかに増えた。

③「どうやったの?」と聞いてから褒める

工作や絵を見せてもらった時、褒める前に「これどうやって作ったの?」と一つ質問を挟む。子どもは自分の工夫を説明しながら、自分で自分の頑張りに気づき直せる。僕が「すごいね」と言うより先に、子ども自身が誇らしそうな顔をする瞬間が増えた。

■年齢別・褒め方の言い換え例

3歳の長女には、まだ長い説明より短い言葉が響く。「まる描けたね」「一人で靴はけたね」など、やったことをそのまま短く返すのがちょうどいい。

6歳の長男には、もう少し具体的な言葉が刺さる。「最初はうまくいかなかったのに、やり方変えたんだね」のように、工夫や粘りを見ていたことが伝わる言い方にすると、得意げな顔をする。同じ「褒める」でも、年齢によって効くポイントが違うと実感している。

■褒めすぎ・逆効果にならないための注意点

「褒めすぎは良くない」という話も見かけるが、僕が読んだ範囲で共通していたのは、問題なのは回数ではなく中身だということ。以下の3つは逆効果になりやすいので気をつけている。

・結果や能力だけを褒める(「頭いいね」「天才」)
・他の子と比較して褒める(「〇〇ちゃんより上手」)
・褒める基準が条件つきになる(「〇〇できたら偉い」)

具体的な行動や過程を見て伝える褒め方なら、回数を気にする必要はないというのが今の僕の理解だ。

■よくある質問

Q. 子どもを褒めすぎるのは良くない?
A. 回数自体が問題というより、結果や能力だけを繰り返し褒めることが良くないとされている。過程や具体的な行動を褒めるぶんには、たくさん褒めて問題ない。

Q. 褒めるところが見つからない時はどうすればいい?
A. 「できたこと」を探そうとすると見つからない日もある。そんな時は、やろうとした姿勢や、いつも通りにできていること(挨拶できた、片付けようとしたなど)に目を向けると、褒める材料は意外と多い。

Q. モンテッソーリの褒め方・叱り方の考え方は?
A. モンテッソーリ教育でも、結果を評価するより「子どもがやったこと・工夫したこと」に注目する考え方が近い。今回紹介した「実況中継褒め」は、このアプローチと共通する部分が多い。

■まとめ

「すごいね」を封印する必要はない。ただ、それだけで終わらせず、子どもがやったことを具体的に言葉にして返すだけで、子どもの表情は変わる。今日紹介した3つのコツは、どれも特別な準備がいらないものばかりなので、ぜひ今日の「見て!」の瞬間に試してみてほしい。

 

 

 

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