「それ僕の!」「ちがう、わたしの!」
昨日も、リビングで積み木の取り合いから始まった喧嘩を止めに入りました。長男(6歳・年長)と長女(3歳・年少)、3歳差のきょうだいです。上の子はもう会話でやり合えるし、下の子は言葉より先に手が出る。喧嘩のパターンも毎日微妙に違って、正直「今日はどう仲裁するのが正解なんだろう」と迷う日がほとんどです。
同じように悩んでいる方も多いと思うので、脳科学の視点も踏まえながら、我が家で試して効果があった仲裁の基準と声かけを、できるだけ具体的に書いておきます。
■なぜ幼児期はこんなに兄弟喧嘩が起きるのか
結論から言うと、幼児期の兄弟喧嘩が多いのは「自制心を司る前頭前野が、まだほとんど育っていないから」です。前頭前野は感情や衝動をコントロールする脳の部分ですが、完成するのは10代後半から20代。3歳から6歳の時点では、「嫌だ」「欲しい」という感情がブレーキなしでそのまま行動に出ます。
長女(3歳)が奪う、泣く、叩くという順番をほぼ飛ばさずに実行するのは、わがままだからではなく、脳の発達段階として自然なことなんですよね。一方、長男(6歳)は「待って」「後でね」がある程度できるようになってきていますが、それでも疲れている日や、下の子に何度も邪魔された後は、あっという間にキレます。これも前頭前野がまだ発展途上だから起きることです。
■仲裁する?見守る?わが家で決めている3つの基準
きょうだい喧嘩のたびに全部仲裁していると、親も子どもも疲弊します。うちでは、次の3つに当てはまるときだけ介入する、と決めています。
・手が出て、ケガにつながりそうなとき
・どちらかが一方的に泣き続けて、自力で収拾がつかないとき
・同じ理由でのケンカが3回以上繰り返されているとき
逆に、口ゲンカ程度で決着がつきそうなときは、あえて口を出さずに様子を見ます。子ども同士で「ごめん」「いいよ」まで持っていけた経験は、次の喧嘩を自分たちで収める練習になるからです。
■年齢差3歳、声かけはこう使い分けている
同じ喧嘩でも、6歳と3歳では響く言葉がまったく違います。
【年少(3歳)の長女には】
まず言葉より先に、感情に名前をつけてあげます。「使いたかったんだね」「悲しかったね」と気持ちを代弁するだけで、泣き声のトーンが落ち着くことが多いです。「どうして取ったの」と理由を聞いても、3歳児にはまだうまく説明できません。
【年長(6歳)の長男には】
理由を聞く余地があります。「何があったか教えて」と聞いてから、「じゃあ、どうしたらよかったと思う?」と本人に考えさせるようにしています。頭ごなしに「お兄ちゃんなんだから」と我慢を強いるのはやめました。年上というだけで一方的に譲らせると、下の子への当たりが強くなる逆効果を何度も経験したからです。
■「仲裁」から「通訳」に切り替えたら変わったこと
一番効果があったのは、「ジャッジする仲裁者」をやめて、「お互いの言い分を訳して伝える通訳」に徹するようにしたことです。「お兄ちゃんが悪い」「あなたが先に取ったでしょ」と親が判定を下すと、負けたほうの子が親に不満をぶつけるようになり、喧嘩の火種が増えるだけでした。
「こう思ってるんだって」「こうしたかったんだって」と、お互いの気持ちを橋渡しするだけに徹してからは、子ども同士で着地点を見つける場面が明らかに増えました。すべての喧嘩が丸く収まるわけではありませんが、親が白黒つける人から降りたことで、僕自身のイライラも減ったのは大きな変化です。
■よくある質問
Q. 兄弟喧嘩は何歳まで続きますか?
個人差が大きいですが、前頭前野の発達に伴って自制心が育つ小学校中学年から高学年ごろにかけて、頻度も激しさも落ち着いていくことが多いと言われています。ただし、喧嘩自体がゼロになるわけではなく、内容が叩き合いから言い合いへと質的に変わっていくイメージです。
Q. 上の子ばかり叱ってしまいます。どうしたらいいですか?
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから」という理由だけで我慢を強いると、下の子への当たりが強くなったり、親への不信感につながったりすることがあります。まずは上の子の言い分も最後まで聞き、悪いのはどちらかではなく「何が起きたか」を一緒に整理する意識を持つと、上の子の態度が軟化しやすくなります。
Q. 手が出てしまったときはどう対応すればいいですか?
まずは体を離して安全を確保するのが最優先です。その場で長々と説教するより、落ち着いてから「叩いたらどう思う?」と短く問いかける方が、幼児期の子どもには伝わりやすいと感じています。
