USDコイン(USDC):基本情報と仕組み

USDコイン(USDC)は、1米ドル(USD)と同等の価値を維持するよう設計された暗号資産で、いわゆるステーブルコインに分類される。
ビットコイン(BTC)など、市場原理によって価格が変動する暗号資産と異なり、USDCは実際の資産によって価値が裏付けられている。

USDCは「法定通貨担保型」と呼ばれる方式を採用している。これは、流通するUSDCと同額以上の米ドル建て資産を準備金(リザーブ)として保有することで、1USDC=1米ドルの価値維持を図るもの。
これらの資産はCircle社の事業資金とは分別して管理され、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)やブラックロック(BlackRock)などの金融機関が保管を担っている。
この分別管理体制により、発行元であるCircle社の経営状況に関わらず、USDC保有者の資産が保護される仕組みとなっている。

Circle社の概要

Circle社は2013年、ジェレミー・アレール氏とショーン・ネビル氏により設立された米国のフィンテック企業。当初はP2P決済事業を手がけていたが、2018年に米暗号資産取引所Coinbaseと共同でCentreコンソーシアムを設立し、USDCの発行を開始した。
USDCは市場拡大を背景に成長を続け、2024年時点でテザー(USDT)に次ぐステーブルコイン第2位の時価総額となっている。

USDCは、ブロックチェーン技術による透明性や取引の即時性、低コスト性と、伝統的金融が持つ信頼性を組み合わせた仕組みとされる。
これにより、ユーザーは米ドル建ての価値を世界中で24時間365日、迅速かつ低コストで移転できるとして、国際決済や資産保全の用途で利用が広がっている。

ビットコインなど他の暗号資産との違い

USDCとビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)など主要な暗号資産との最大の違いは、価値の裏付けと価格安定性にある。
USDCが法定通貨資産を担保とするのに対し、ビットコインは発行上限や市場需給に基づく希少性、投資家心理により価値が決まる。このため、ビットコインは価格変動(ボラティリティ)が大きい。

なお、ステーブルコインはその担保資産の種類により、法定通貨担保型、暗号資産担保型、無担保型(アルゴリズム型)などに分類される。
過去には、無担保型ステーブルコインのTerraUSDが崩壊した事例もあり、USDCとは異なるリスク構造を持つことに注意が必要だ。

 

USDコイン(USDC)の特徴(1):規制に準拠した、透明性の高いステーブルコイン USDCは、透明性や規制適合性が高く、特に機関投資家や規制重視の企業から高い評価を得ている。これはライバルであるUSDTと常に比較される。

USDCを発行するCircle社は、独立した第三者会計事務所による証明報告書を毎月公開している。この証明報告では、発行額に要約する準備資産が存在していることを確認できる。

さらにCircle社は、準備資産の内訳や、現金を保管する金融機関名までも公開しており、この透明性が特徴となっている。

これに対しUSDTは、準備金構成や透明性に関し、久しく問題視されてきた。この差が、機関投資家や大企業がUSDTよりもUSDCを選ぶ要因となっている。

USDコイン(USDC)の特徴(2):複数ライセンスの取得による高い安全性 Circle社は、各国で金融ライセンスを取得し、規制適合を実現している。

主な取得ライセンス: 米国: NYDFSから「BitLicense」取得、FinCENへの登録 欧州: MiCA準拠、フランスでEMIライセンス取得 シンガポール: MASからMajor Payment Institutionライセンス取得 日本: 改正資金決済法に基づく法的位置を獲得

これらの準拠や透明性は、過去のステーブルコイン失敗事例から学んだ教訓に基づいている。

USDコイン(USDC)の歴史と価格推移 2018年発行以降、価格は1米ドル近辺で穩定。 2023年、SVB破綻でデペッグを経験。 Circle社はリスクマネジメントで対応し、米国金融局も全額保護。 数日でペッグ回復。

最新のUSDCニュース • 2025年: Circle社がNYSE上場、透明性や財務基盤が向上 • VISAとの接続決済パイロット開始 • 日本で正式取扱い開始,SBI VCトレードが第一号「電子決済手段等取引業者」に

これらによりUSDCは、国際決済手段やDeFi領域など、実績と信頼性を確立している。