松本にひとり旅した記録を
綴っています。
今回の旅で訪れた松本市は
旅の玄関口である松本駅から徒歩回れる観光スポットが沢山あって
車なしで旅行するのにとっても良かったです。
松本神社 を参拝後、
再び 松本城公園 を散歩しながら次なる目的地に移動。
松本市立博物館
訪れたのは 松本市立博物館 。
2023年10年に 松本城公園内 から
現在の場所(松本城公園から徒歩4~5分)に移転してきたばかりだそうで、
とても綺麗な建物でした。
高い天井から吊るされているのは 松本てまり ですね。
色んな模様があって可愛いな。
さて、松本市立博物館 の常設展示は
8つのテーマによって構成されています。
1、お城のあるまち
2、にぎわう商都
3、開かれた盆地
4、ともにある山
5、伝えてきた心
6、生きる力
7、変わりゆく社会
8、継いでつなげて
全部レポートすると相当長くなりそうなので、ここではその一部を。
テーマ1:お城のあるまち
松本と言えば、やはり 松本城 。
昔も今も、松本城を中心としたまち という意識が醸成されています。
松本市立博物館 には
松本城主 ゆかりの品など、貴重なものが数多く展示されていました。
《戸田家伝世熊皮の甲冑 / 江戸時代》
こちらの 駕籠 は説明文を見逃してしまいました。
描かれているのは『五三桐』の家紋でしょうか。
『五三桐』は江戸時代には一般庶民に広く普及し、
現代も家柄に関係なく広く使われている家紋のようですが、
かつては皇室専用の紋章で、
皇室から直接『五七桐』を下賜された家から、
家臣などに家紋を与えらる場合に『五三桐』となるのだそう。
豊臣秀吉が使っていたのが有名みたいですね。
↑の 駕籠 は誰が使ったものかわかりませんが、
細部まで絵や装飾が施された豪華な造りなので、
それ相応の身分の方が使っていたんでしょうね。
(だからここに展示されているでしょうけどね )
《棒火矢絵馬》
松本藩の大嶋流砲術の門人たちが
棒火矢の発射実験が成功したのを記念して奉納した絵馬だそう。
《棒火矢之巻 / 江戸時代後期》
棒火矢というのは今で言うロケット弾のようなものだそう。
大きさや火薬の量などが記された秘伝書も残っています。
《鷹匠秘伝書 / 江戸時代》
松本藩に代々仕えた鷹匠の家に伝わる
鷹を飼育・調教するための門外不出の秘伝書です。
私じゃ見てもわからないけど、
とても詳細に説明が書かれているみたいですね。
《鷹の足に付ける道具と鷹を呼び戻す鈴 / 江戸時代》
武士の嗜み鷹狩は、こういう道具を使ってたみたいです。
《寛永通宝松本銭鋳造許状 / 寛永13年》
お金づくりを認める手紙ですね。
城下町の大商人だった今井氏が藩から鋳造を請け負い、
鋳物師が実際に作業にあたりました。
《寛永通宝松本銭(枝銭)/ 江戸時代前期》
こういった流通するはずのない未完成品の存在が
松本でお金の鋳造が行われていた証明になっています。
《寛永通宝松本銭(バリ銭)/ 江戸時代前期》
鋳造の際は失敗もいっぱいしちゃったみたいですね。
しかし、
寛永通宝の鋳造が許されたのはごく限られた土地だけ。
きっと松本の人々にとって誇りだったのではないでしょうか。
ところで、
寛永通宝ってすっごく昔のお金のことのように思いますが、
なんとびっくり!
昭和28年までは法律上使うことができた貨幣なんですって。
テーマ2:にぎわう商都
「信濃第一の都市」「繁栄の地」と評された松本城下町の賑わいは
町人によって生み出されました。
《善光寺道名所図会 / 嘉永2年》
『名所図会』は今で言う観光ガイドブック。
江戸時代後期に盛んに刊行されたそうです。
↑ページでは松本の城下町の『あめ市』の場面が
大きく掲載されています。
新年に行われる市神様に商売繁盛を願う『あめ市』は
今も継承されているそうです。
テーマ5:伝えてきた心
伝統や文化を重んじる松本では
季節の折々で様々な伝統行事が行われるそうです。
2月8日は『お八日』と呼ばれ、松本の各地で行事が行われるそう。
ある地域では
玄関先でネギなどを燃やして悪臭を起こし
道祖神におはぎを塗りつけるそうです。
そして、↑のような藁の馬を作り
周りで大きな数珠を回しながら念仏を唱え、
最後は『貧乏神追い出せ』と唱えながら河原で燃やすんだとか。
また、別の地域では
巨大なわらじを作ってその周りで数珠を回して念仏を唱え、
集落の境にある巨木に吊るすそう。
これは、この巨大なわらじを履く巨人がいる事を示して、
疫病神が集落に侵入するのを防ぐという意味があるとのこと。
松本の七夕は、
子供の健やかな成長を願ったり、心身の穢れを払ったりする目的で
軒先に紙で作った『七夕人形』を飾って
ほうとうや饅頭を供えて食べる習慣があるのだとか。
海外旅行に行ったり、
行ったことのない国の様子をテレビで見たりして、
世界には色んな知らない文化があるんだなぁとよく思いますが、
日本国内にも知らない文化がいっぱいあるもんだな~。
テーマ6:生きる力
松本の豊かな自然は、恵みをもたらすものだけでなく、
時に噴火、洪水、土砂崩れなどを引き起こし人々に猛威を振るいました。
先人は、同じ悲劇を繰り返さないように、
その記録を残し防災の仕組みづくりをすすめました。
《ピストル型消火器 / 大正時代》
持ち運びができる消火器だそうです。
でも、2.2kgほど重さがあるので、片手での操作は難しいみたい。
《蒸気ポンプ / 大正時代》
蒸気で動く消防用のポンプで、現場までは馬が引いていくのだとか。
結局長くなってしまいました。
常設展示もかなり見ごたえがありましたが、
企画展の方も楽しんで来ましたので、
次回は企画展について書きたいと思います。