鬼怒川・那須 旅行記の続きです。

 

 

2022年3月

 

旅の2日目は 那須 を楽しみました。

那須どうぶつ王国 で可愛い動物たちに癒された後は

お腹を満たすために移動です。車

 

 

 

途中 たまたま 殺生石 の前を通りかかったので

ちょっと寄り道することにしました。

 

近頃 殺生石 は話題になってますからね。

 

 

 

殺生石 とは 九尾の狐伝説 が残る溶岩石です。

 

時は平安末期

インドや中国で悪行を重ねた 九つの尾をもつ狐

日本にやって来ました。

そして 九尾の狐 は「玉藻前」(たまものまえ)という美女に化け

鳥羽上皇を殺害しようとしました。

それを陰陽師に見破られ 那須野が原へ逃げ込みましたが退治され

死後 巨大な石と化しました。

しかし 九尾の狐 の怨念が 毒気 となり

石に近づく人や家畜、鳥獣をも殺し続け

村人により 殺生石 と名付けられたのだそうです。

 

 

 

毒気 というのは 硫化水素 亜硫酸ガス 、砒素 のことだと思われます。

この周辺からは それらの有毒ガスが噴出されているらしく

↑の写真を見てもわかるように

草木が育たないのは そのせいでしょう。

 

 

 

亜硫酸ガス砒素 がどんな臭いなのか(臭いがするのか)知りませんが

硫化水素臭 は結構強烈に漂っています。

 

昔は今よりも 有毒ガスの噴出量がだいぶ多かったそうなので

殺生石 の周辺で人や動物が亡くなったのは

きっと この有毒ガスによるものだったんでしょうね。

 

ちなみに

今でも 風がない日などは ガスが溜まりやすく

場合によっては立ち入りが禁止される日もあるようです。

 

 

では

殺生石 目指して 少し斜面を上がって行きましょう。

 

 

 

途中にある 亡蛇石 (めくらへびいし)。

この石にも伝説が残っています。

 

昔、とある湯守の男が厳しい冬を越すために薪を採りにやって来ました。

帰り道にここで休んでいると2mを超える大きな蛇に出会いました。

目が白く濁った盲の蛇で、可哀想に思った男は

蛇のためにススキと小枝で冬を越すための小屋を作ってあげたそうです。

次の年になっても蛇のことが気掛かりだった男は

湯殿開きの日に再び小屋を訪れてみました。

しかし、そこに蛇の姿はなく 代わりにキラキラ輝く湯の花があったそうです。

男の優しさが神様に通じ、湯の花の作り方を教えてくれたのです。

その後 湯の花の作り方は村中に広まり

村人は蛇に感謝し、蛇に似ていたこの石を盲蛇石と名付け大切にしたのだとか。

 

 

 

 

 

盲蛇石 のそばには 湯の花採取場跡 が残っています。

 

 

 

この地域ではお米ではなく湯の花を年貢として納めていたそうです。

 

 

 

気になって仕方がないのが すごい数のお地蔵様。

初めて来た時は ちょっとびっくりしました。

 

 

 

ここは 心霊スポットだ なんて話も聞くので

平気で写真を撮ってる私を 旦那さんは笑ってました。てへぺろ

 

このお地蔵様たちは大きな手で合掌しているのが特徴。

衆生の平安を祈っているのだそうです。

 

 

 

 

足元は歩きやすい木道。

ベビーカーやワンちゃんのバギーも楽々進めますが

有毒ガスは空気より重いため 地面に近くなるほど濃度が濃くなります。

念のため 小さなお子さんやワンちゃんなどは

抱っこして行った方がいいかもしれません。

 

 

 

そして 殺生石 の前に到着。

 

噂には聞いていましたが

本当に 真っ二つに割れている!!!ポーン

 

 

 

そう。

最近 話題になっているのは このこと。

きっと、皆様もお耳にしていたんじゃないでしょうか?

テレビ番組でも取り上げたりしていますよね。

 

 

 

↑は2018年に訪れた時に撮った画像です。

割れる前は こんな形だったんです。

 

割れているのが見つかったのは3月5日だったようですね。

 

伝説 によると 九尾の狐殺生石 になったということで

九尾の狐 の封印が解かれて 何か不吉なことが起こってしまうのでは???

なんて心配の声もあがっているとか。

 

でも

最近観たテレビ番組では 石の専門家の方がこんな仮説を立てていました。

 

殺生石 は約1万6千年前にできた溶岩石です。

殺生石 は 割れる以前からひび割れのようなものが見られました。

割れた面を見ると茶色くなっています。

これは 雨や雪により

ひび割れから石の内部に水が入り込んでできたサビと考えられます。

また 水は気温が下がることにより凍ります。

凍ると体積が増えます。

体積が増えたことにより内側から外側に力が働き

パカっ と割れたのではないか。

 

 

ふむ。凝視

そう言われると、そんな気がする。

 

真相はわかりませんが

話題になったことで 観光業は盛り上がりをみせつつあるようで

地元の方は活気を取り戻すために

グッズ作成やイベント開催なども計画していきたいと考えておられるようです。

 

何はともあれ

不吉なことではなく 地域活性化のきっかけになれば万々歳ですね!