4月中旬
緊急事態宣言が発出される少し前に 新宿御苑 にお邪魔しました。
私が訪問した時の 新宿御苑 の入園は 事前予約制 。
平日の朝一番早い時間帯で予約をしたら
ほとんど人とすれ違うことなく
安心安全、のんびり散策することができました。
※ 現在 新宿御苑 は臨時休園中です。
池の向こうにある建物は 旧御涼亭 。
通称 台湾閣 。
昭和天皇のご成婚を記念して
当時の台湾在住邦人の有志の方々から献上された建物です。
建築家・森山松之助氏が設計したもので、昭和2年に竣工されたそうです。
中国ビンナン建築様式 の特徴を取り入れた
日本にある数少ない本格的中国風建築だそう。
ビンナン(閩南)というのは 中国福建省の南部を指す呼称で
ビンナン と台湾海峡を挟んで対岸にある台湾では
ビンナン建築様式 がよく用いられたようです。
コロナが流行りだす前は 毎日沢山の来園者があった 新宿御苑 。
いつも 池のこちら側から 旧御涼亭 の中にも沢山の人がいるのを見て
外観だけ見て、中を見学するのを諦めていた私です。
コロナに関係なく、人が多い所が苦手なもので。![]()
今回は 誰もいなかったので 中も見学してみました。
池から見えた建物の裏側に入口があります。
こちらは玄関部分。
写真右手から入ってきました。
丸窓にデザインされているのは 於物魚躍 (あゝ満ちて 魚躍れりと) という文字。
天子を讃美する言葉だそうです。
他に こんなデザインの丸窓もあります。
丸窓だけじゃなく 八角形の窓も。
中には このような空間が。
こちらは 旧御休息所 とのこと。
設計者の森山氏は 「水の上に建つ御休息所」 「夏の御散策の際に涼をとる建物」 と
旧御涼亭 の設計意図を語っているそうです。
今は何も置かれていない空間ですが、当時は中国家具が置かれていたそうです。
中からは 日本庭園を見渡すことができます。
額縁に入れられた絵画のようですな。![]()
緑が鮮やかな今の季節は特別美しい気がします。
(他の季節に見たことないんですけどね。
)
額縁もまた素敵。![]()
御休息所は周りをぐるっと「窓台」に囲まれています。(廊下みたいな部分ね)
どんな役割がある構造なのか知りませんが
単純にデザインが素敵だな、と。
細部にまで彫刻が施されています。
緑が綺麗なあの木は たぶん紅葉じゃないかな?
紅葉が色付く時期にも来てみたくなりますねぇ。
ちなみに、旧御涼亭 の平面図はこんな感じです。
旧御休息所が卍型をしていますが これも ビンナン建築様式 の特徴みたいです。
この扉の向こうは 非公開ゾーンの 旧控室かな。
屋根瓦の色や、軒が反りあがっているのも ビンナン建築様式 の特徴。
こういう瓦が使われているみたいです。
ビンナン建築様式 って初めて知ったのですが
とても美しい建築様式なんですね。
台湾の離島、金門島という所は
集落全体が風情ある ビンナン建築様式 の街なのだとか。
だいぶ行ってみたくなりました。
何はともあれ、ゆっくりじっくり見学できて本当に良かったです。





















