金沢老舗記念館 のお話の続きです。
今回は建物の2階部分にある展示場を見学。
こちらのショーケースの中にあるのは 美しい 花神輿 。
でも、ただの花神輿じゃありませんよ?
この花神輿、なんとお菓子でできているんです!
1917年から続く 金沢の老舗和菓子店 柴舟小出 の職人さんの作品らしいです。
これ以上近づけないのが残念なところですが
ちょっと遠めに見たら本物の花と見間違うハイクオリティ。
職人技 凄いです。
こちらに並ぶのは大正~昭和初期頃の金沢の一般中流家庭の
婚礼時の結納 を再現したものだそうです。
特徴的なのは水引。
上の画像だと小さくてよくわかりませんが・・・
日本の伝統的なラッピングである水引の3つの基本「包む」「結ぶ」「筆字」を
芸術の域にまで昇華させた金沢の希少伝統工芸 加賀水引 が使われています。
写真はありませんが 前回の記事にも書いた 花嫁のれん が
ここにもありましたよ。
雛祭りのお供え物といえば
ひし餅や ひなあられ、金平糖などが一般的かと思われますが
江戸時代中頃~明治時代初期の金沢では
独特のお雛菓子をお供えしていたようです。
それがこちら。
金華糖の鯛を正面に18種類の雛菓子を組み合わせたもので
写真のように1対に盛って床の間にお供えしたそうです。
加賀藩第13代藩主 前田斉泰への献上品 「にらみ鯛」 の金華糖がその始まりと言われているそう。
お次はこちら。
提灯にある 大友楼 は天保元年(1830年)創業の老舗料亭。
創業者は加賀藩の藩主に食事を作る御膳所 に永く勤めていたそうです。
大友楼はその後 沢山の料理人を輩出。
その中には独立して料亭を構える料理人も多く
加賀藩主の料理番の末裔やその弟子たちが作る料理を今も金沢で味わうことができるのです。
ちなみに 2013年に 武士の献立 という映画が公開されたのはご存知でしょうか?
上戸彩ちゃんが主演の時代劇で
加賀藩の料理人の家に嫁いだ娘がその家族との絆を強めていくお話らしいのですが
映画に出てくる料理は大友楼の当主が監修したそうです。
武家によるおもてなし料理である 本膳料理 の展示もありました。
前田家有識の本膳料理一式です。
冠婚葬祭など儀式的な意味合いが強く
器の並べ方、食べる順序、服装、作法など事細かな決まりがあるそうです。
上の写真は本膳。
二の膳。
三の膳。
予の膳。
五の膳。
六の膳。
七の膳。
引菜膳。
本膳料理についてちょっと調べてみたら 本膳と二の膳がある「一汁三菜」が基本で、
本膳~三の膳まである「二汁五菜」や
本膳~五の膳まである「三汁七菜」の形式があるようです。
前田家は本膳から七の膳まであり、更に引菜膳(おそらく その場で食べないお持ち帰り用)もあるので
相当豪華だったことがうかがえます。
他にも金沢で100年以上続く老舗に伝わる道具や資料も色々展示してあります。
金沢で焼物と言えば 九谷焼を思い出しますが こちらにあったのは 大樋焼 というもの。
これも金沢で350年もの歴史と伝統を守っている焼物だそう。
ロクロを一切使わず、手で捻り 飴釉を特徴としています。
金沢市内には 大樋美術館 もあり、そちらも金沢老舗記念館同様
ミシュラングリーンガイド1つ星の認定を受けているようです。
個人美術館としては異例の事らしいですよ。
こちらは 現当主 十一代大樋長左衛門の作品。
キレイですねぇ。(←感想がバカっぽくてすいません・・・)
こちらは文化勲章受章者・文化功労者・日本芸術院会員の大樋陶冶斎(十代大樋長左衛門)作。
渋い。(←相変わらずすいません・・・)
他にも色んな展示物がありました。
観覧料100円なのに 意外にも見応えあり大満足。
ミシュラン1つ星も納得。