前回に引き続き 江戸東京たてもの園 のお話です。

 

今回は西ゾーンに潜入です。

 

 

こちらは大田区田園調布にあった 大川邸

 

 

こちらは書斎。

大正14年に建てられた住宅とのことですが、当時では珍しい全室洋室という造りです。

 

 

リビングです。

大正時代の住宅とは思えないですね。

 

 

こちらはキッチンですが、左のグレーのやつ、、、

フライパンが置いてあるのでコンロだと思うのですが、、、まさかIH???

しかも、グリルやオーブン付き???

 

 

バスルームも西洋式。

この住宅にお住まいだった大川さんは随分オシャレな方だったみたいですね。

 

 

品川区大崎に建てられた 前川國男邸

前川國男氏は日本の近代建築の発展に大きく貢献した建築士で

こちらは前川氏自らが設計したそうです。

建てられたのは昭和17年。

戦時体制下、建築資材の入手が困難な時期に施工されており

金属が使えなかったので 引き戸のレール部分なども木材で作られていたりします。

外観はシンメトリーをとても大切にしています。

 

 

ボランティアガイドさんに色々説明していただいたのですが

こちらの住宅は「どうして???」という設計がいろいろあるんですよ。

例えば、赤丸で囲んだ部分。

あれはリビングの雨戸を収納する戸袋。

普通 戸袋というと、窓と平行な方向にあるものだと思いますが

この住宅では窓と垂直に戸袋があるのです。

他にも 説明を聞くのに夢中になって写真を撮り忘れちゃったのですが

玄関ドアの開き方も「どうして???」というものでした。

日本の住宅の玄関ドアは普通は外側に開きますよね?

でも、前川邸は内側に開きます。

それだと玄関が狭くなって使い辛いのでは?と思ってしまいます。

内側に開いたら脱いだ靴が邪魔になりますよね?

これは想像ですが、防犯上 西洋の住宅のドアは内側に開くことが多いと聞くので

前川邸も防犯目的だったのかなぁ?

更に、玄関には下駄箱がありません。

その代わり、リビングを通った奥にある寝室に大量収納できる棚がありました。

靴は寝室の棚に収納していたそうです。

なぜ???

あとは、画像に写っていない反対側はガラス窓の内側に雨戸があるという。。。

なぜ???

前川邸は謎が多くて面白かったです。

 

 

中の写真はこれしかないのですが 素敵な造りでしたよ。

リビングはメゾネットタイプになっていました。

前川氏の事務所が空襲で焼けてしまった時には、

メゾネットの上階を事務所代わりに使っていたそうです。

のちに、家を建て直すか何かの時、自分の作品であるこの家を残しておきたくて

軽井沢に移築したそうで、

江戸東京たてもの園には軽井沢から移築してきたんだそうです。

建てた当時は軽井沢に移築しようなんて考えていなかったのかもしれませんが

軽井沢にあって全く違和感がない、、、むしろ軽井沢が似合う家ですよね。

 

 

文京区にあった 小出邸

日本におけるモダニズム運動を主導した建築家 堀口捨己氏が

ヨーロッパ旅行から帰国した直後に設計した住宅だそうです。

当時のオランダで流行していたデザインと日本の伝統的なデザインが折衷した造りです。

 

 

板橋区にあった 常盤台写真場

 

 

古いバスも停まってます。

 

 

この角度からだと そこまで豪邸には見えませんが、実際は豪邸な 三井八郎右衛門邸

三井八郎右衛門 というのは江戸時代の呉服、両替商で

後の財閥 三井家の歴代当主の通称だそうで

この豪邸は 三井家11代当主  三井高公が第二次世界大戦後に建築したものです。

 

 

玄関前には鹿の銅像。

 

 

 

個人の家としては広すぎるキッチン。

きっと何人ものお手伝いさんが ここで作業していたんでしょうね。

 

 

階段は2ヶ所にありました。

それぞれ、別の部屋に繋がっています。

こちらの階段の上は、、、

 

 

2階には長持が沢山並んでいました。

 

 

3階にはとても貴重なものであろう襖(?)が展示してありました。

もう1ヶ所の階段の上には仏間や和室がいくつかあったと思います。

 

 

まぁ あるでしょうね。 茶室です。

 

 

応接室でしょうか?

とにかく 大きな家でした。

 

 

茅葺き屋根の住宅も3軒建っています。

中では囲炉裏に火が焚いてあって、いい香りがします。

ボランティアガイドさんが「温まっていきませんか?」とお誘いしてくれました。

 

修復工事中で見られなかった建物もいくつかあるので

またそのうち改めて訪問してみようと思っています。

その時までに 千と千尋の神隠し も観ておこうかな。

その方がもっと楽しめるかもしれないですね。