「2問難しいのがあったんだよ。なんとか答えにはたどり着けたんだけどさ…」
と興奮した様子で、会場から出てきた息子。
おぉ、これぞ、私の求めていた感想!
というのも、このところの息子は、
テストの後はたいてい、
「全部できたー、100点かもー」
とおどけて出てきて、惨憺たる結果になることがほとんどだったためです。
だいたい、やっつけで試験を受けた後に出てくるセリフなのです。
でも、2問難問があったとは、
自分を客観的に見られている証拠。
問題用紙を見ると、
いつもはほぼ白紙なのに、
今回はびーっしりと闘った跡がありました。
挿絵じゃまー!
「何通りの問題はね、難しかったから全部書き出したんだ!」
是が非でも答えに辿り着きたい気持ちが滲み出ていました。
しかーし!
現実はそんなに甘くはありません。
解答速報を受けて、答え合わせ。
「この問題5はね、ボク、方程式で鮮やかに解いたんだ!」
間違ってますねぇ。
「え、でもさ、ここをbとして式を立てると、
3cmってすぐ出るじゃん。
で、青のaは5cmだからー」
ん?ちょっと待て、青が5cmってどう出したの?
「最初に10cmって書いてあったよ」
よく見て!
「10cm…より小さい!?えー!!!!!」
なんたる鮮やかな読み飛ばし!
「ずるい、長さが小さいってなに?
まだ短いって書いてたら気づいてたのにー」
言い訳して、ソファにうずくまって泣く…
ゲームオーバー。
ボクはうっかり読み落としてしまうことがある、と
気づけてよかったじゃないか!
なにより、母は時間ギリギリまで、
答えを出そうとえんぴつを走らせて闘ったことがすごいと思うよ。
でも、今回、私としても考えさせられるものがありました。
つい良問が多いからと、
解いていて得意げだからと、
わんこそばのように、
どんどん問題をこなすばかりの勉強をし続けていなかった!?
砂漠で見つけた貴重なオアシスの水、
せっせと汲むも、
そのバケツの底に穴が空いていたら!?
どんなに水を入れてもムダ。
まず取り掛かるべきなのは、バケツの補修です。
立ち止まろう!
これまで問題を進めていく息子の姿を、
見守るばかりでしたが、
いったん、ここで大きくメスを入れることにします。


