Jeff Beck (part 5) - There And Back | 今夜はきまぐれ~Mustangのひとりごと~

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”WIRED" から4年…

 

there and back

THERE AND BACK (1980)

 

…ライヴ作 "JEFF BECK with JAN HAMMER GROUP LIVE" からでも3年を経て発表された "THERE AND BACK"。

 

引き続き全曲インストゥルメンタルのアルバム。

"WIRED" との違いは…と考えると、よりタイトでハードなサウンドになったというのが僕の印象。

 

演奏メンバーが、大雑把にはキーボードが Jan Hammer か Tony Hymas かに二分されている。そしてドラムは大半を Simon Phillips が叩いている。

 

頭から3曲が Jan Hammer の演奏で、1曲目 "STAR CYCLE" は 前作の収録曲 "BLUE WIND" と同じく Jeff 以外の全パートを Jan が演奏。あと2曲は ドラムを Simon が叩き、ベースは Jan のシンセ・ベースになっている。

 

 

ただ、"BLUE WIND" のようなソロ・バトルよりは、ユニゾンやハモリでメロディを弾くという感じが多い。そして シンセによるシーケンス・フレーズが耳に残る。

 

 

一方、残る5曲の Tony Hymas との演奏はベースに Mo Foster が参加。

こちらも Jeff が延々と弾きまくるという感じは少なく、アルバム全体としてもきっちりとまとめた印象。

 

 

とはいえ、弾けた楽曲もある。"SPACE BOOGIE" がそれ。

特に Simon Phillips のプレイは叩きまくり感満載。

 

 

そんな Simon のドラムがアルバムに統一感をもたらしていると思う。

 

 

 

 

僕が Simon Phillips の名前に注目するようになったのは、"THERE AND BACK" だけでなく、JUDAS PRIEST の "SIN AFTER SIN" と THE MICHAEL SCHENKER GROUP の !st だった。

 

 

sin after sin

SIN AFTER SIN/JUDAS PRIEST (1977)

 

 

michael schenker group

THE MICHAEL SCHENKER GROUP (1980)

 

ま、JUDAS も MSG もピンチ・ヒッター的に参加したものだが、僕はてっきり彼をハード・ロック系のドラマーだと思っていた。もちろん、後にもっとレンジの広いプレイヤーだと知ることになるし、Jeff Porcaro の後任として TOTO に加入した際は妙に納得した記憶がある。

 

 

僕は "THERE AND BACK" をまずは輸入盤CDで入手し、後に2004年リマスター版で日本盤に買い替えたのだが、そこでライナーを読んで初めて Jeff と Stanley Clarke の関係を知った。

 

Stanley Clarke と言えば、Chick Corea のバンド RETURN TO FOREVER に在籍していた超絶ベーシスト。ソロ・アルバムは数多く、George Duke との THE Crake/Duke PROJECT などもある。

 

Stanley のアルバム "JOURNEY TO LOVE" に Jeff は参加している。

 

 

journey to love

JOURNEY TO LOVE/Stanley Clarke (1975)

 

1975年といえば、Jeff が "BLOW BY BLOW" を発表した年。

 

さらに ”MODERN MAN" にも Jeff は参加している。

 

(ドラムは Carmine Appice)

 

modrn man

MODERN MAN/Stanley Clarke (1978)

 

1978年といえば、Jeff が日本公演を行っているが、その際のメンバーは…

 

Jeff Beck (g)

Tony Hymas (kb)

Stanley Clarke (b)

Simon Phillips (ds)

 

…となっている。

つまり、"THERE AND BACK" のレコーディングとベーシストが違うだけの編成だ。しかも、 "STAR CYCLE" が演奏されていたとか。

 

”THERE AND BACK" の日本盤ライナー(MHCP-591/執筆:細川真平)でも触れているが、何故 Stanley が "THERE AND BACK" に参加していないのか…結局わからないらしい。

 

 ただ、Stanley が参加していたら…どうあれ、もっと派手というか華やかなサウンドになったであろうと想像できる。

それを聴いてみたかったと思うが、あえてそうしなかったのが Jeff の狙いだったのかな…とも思えたりもする。

 

なにより、この後も Jeff と Stanley はライヴで共演はあったので縁が途切れたわけではないようだし。

 

(North Sea Jazz Festival 2006)

 

 

Jeff のインスト路線は次のアルバムで一旦途切れることになるが…

 

part 6 に続く。

 

 

 

230205 Jeff Beck (part 1)

230212 Jeff Beck (part 2)