「天空のお花畑」…
…そう言ったのは俳優、火野正平さん。
NHK-BSPの番組、「にっぽん縦断こころ旅」は俳優、火野正平さんが視聴者の「こころの風景」を相棒の自転車チャリオ君と共に訪ねるという番組。
今年6月8日放送で「1000日目」を新潟県上越市で迎えた。
これまでにも何度か「こころの風景」の場所を記事にしているが、僕は衛星放送を受信していないので本放送を観ることはない。
しかし、新潟でのロケ日程が決まるとNHK総合のローカル枠「金曜夜きらっと新潟」で前回の旅(おおよそ1~2年前)から抜粋で放送されることが多い。
しかし、つい先日…10月1日の「きらっと新潟」でBSPの6月10日分「1002日目、新潟県長岡市」が放送された。
目的地は長岡市の悠久山球場、出発地は小千谷市の金倉山林道の最高標高地点…てっぺんの駐車場だった。
僕は金倉山の位置を知らなかったので、すぐに調べてみた。
なにより「天空のお花畑」以後の風景のほとんどに見覚えがあった。
だから正平さんがチャリオ君と走ったルートはすぐに特定できた。
そして、そのルートへ実際に行ってみようと出かけたのは10月11日。
但し、ちょっと寄り道をしてから。
まず、訪れたのは魚沼市(旧堀之内町)の月岡公園。
この一面のユリが有名で、僕は昨年6月末に一度訪れている。
今回は秋のユリがほぼ満開のタイミング。
ここも「天空のお花畑」と言っていいかも。
月岡公園を後にして、県道23号から国道291号に入り旧山古志村(現長岡市)の竹沢に出る。
そこから小千谷市街に向かって国道291号を下り、県道591号に入って小栗山(小千谷市)に向かった。
小栗山には「小千谷闘牛場」がある。
小千谷と山古志の共通点…それは闘牛(牛の角突き)と錦鯉。
小千谷市でも信濃川右岸の山間地、山古志と接する地域は当然地形がよく似ているので、文化的にも似ているのかも知れない。
そして小栗山の集落のはずれが金倉山林道(林道金倉線)の起点。
林道は全線舗装されていたけれど、なかなかハードな登り坂だった。
駐車場に着くと天候がいまひとつ、繁ったススキのせいで眺望もいまひとつ。
山頂に出ても展望台が利用できないことはわかっていたし、平日で人気もなかった上に「熊出没注意」の看板…山頂に行くのはやめておいた。(;^_^A
金倉山の山頂は小千谷と山古志の境界線上にある。
だから、正平さんとチャリオ君が坂を下りながら見たのは山古志の風景だ。
そして、正平さんが「天空のお花畑」と称した場所は、Googleマップでは「薬師の陵」と表示されていて、金倉山林道が県道551号に接続する位置。
僕は山古志に何度も訪れているが、ここに来たことはなかった。
でも、なぜか見覚えがあるような気がしていたのだが…それは自宅に帰ってからビデオレコーダーをチェックして判った。
NHK総合の番組「小さな旅」…2014年6月22日放送「大地は傷ついても~新潟県長岡市山古志~」の中で「薬師の陵」で花の手入れをする父娘のシーンがあった。
中越地震の発生が2004年10月23日だから、ほぼ10年後の山古志を取材した番組ということになる。(現在、NHKアーカイヴスで有料視聴が可能)
この番組の中では、「薬師の陵」…山の稜線にある道路脇とその周囲の休耕田をお花畑に変えた家族のエピソードが語られている。
旧山古志村は隣の集落に行くには山を越え谷を跨ぎ…という平坦な土地がない地形なのだが、「天空のお花畑 = 薬師の陵」は、かつての山古志村役場(現長岡市役所山古志支所)がある竹沢地区を含む朝日川の谷筋を一望できる場所…それは旧山古志村の中心部を一望できる場所とも言える。
震災直後の山古志は「人に例えれば、皮がちぎれ肉が飛んで(山の)骨が出ているような惨状」、そして「これは山古志も終わりかなと思った」…と、親父さんは語っていた。
「小さな旅」も「にっぽん縦断こころ旅」も、撮影時の季節は春。
僕が訪れたのは初秋。
目に入るのはコスモス、そしてススキ。
季節によって植え替えをしているようだ。
ならば、また違う季節に訪れてみよう。
たとえ山古志の人々の思いを共有することが難しくても、同じ空の下で生きているのだから。
まもなく中越地震から17年…か。
"LET'S TOUCH THE SKY" by FOURPLAY
from album "LET'S TOUCH THE SKY"(2010)
written by Bob James