Happenings Ten Years Time Ago...
マリと子犬の物語 (2007)
「中越地震」から3年後に製作された劇映画。
全村避難で誰もいなくなった長岡市山古志地区(当時は山古志村)で生き延びた犬の親子の実話を基に作られた絵本を原作にした作品。
このDVD、実は今年になって大林宣彦監督の "この空の花 -長岡花火物語-"(2011) がDVD商品化された際に、「これも見ておかねばなるまい」と思って製作から7年も経って初見となった。
宇津井健の出演作ということも動機のひとつだったりするが…
(;^_^A
世の中に起きるいろんなことはたった2種類しかないそうです。
ひとつは「どうにもならないこと」
もうひとつは「どうにかなること」
前回の記事に掲載したこの文は、映画の原作である「山古志村のマリと三匹の子犬」の序文から抜粋し、DVDのブックレット(2枚組Special Editionの「フォト・ダイアリー」)に掲載されていたもの。映画の中でも台詞に組み込まれている。
…そして、もう2行続きがある。
マリはそのふたつについて
わたしたちに教えてくれました。
さらに、このブックレットには原作者のひとり、大野一興のメッセージが掲載されている。
知りたいか、知りたくないかに関わらず、
毎日たくさんの情報がニュースとして飛び込んできます。
地震など、災害や大事故の時に必要なのは、
安全や安心のために役立つ「情報」です。
しかし、時が過ぎれば「情報」は意味を失い、
私たちは自分に身近なことと遠くのことを分け、
どんなに大変なことでも、いつしか忘れてしまいます。
中越地震のなかで、友人が体験した奇跡とマリの姿を絵本にしたのは、
「情報」を「生命の物語」として、いつまでも残したかったからです。
新潟では震災発生から10年目の節目としてテレビ、新聞で連日特集が組まれている。昨日はNHKの全国放送「クローズアップ現代」でも取り上げられていた。
インフラの復旧は完了したが、山古志地区の住民は震災前の約半分になっているそうだ。それは過疎化、高齢化を震災が加速させたとも言えるらしい。
村を離れたのは若手だけでなく、戻りたくても山村の生活に耐える自信のない高齢者…
そういえば映画の中でマリを飼うことになる石川家の優一(船越英一郎)は父・優造(宇津井健)や子供達のために内緒で長岡に引っ越す計画を立てている…という設定になっている。
何が「どうにもならないこと」で、何が「どうにかなること」なのか。
本当の「復興」は、これからの10年なのかもしれない。
そのためにも「情報」の存在を思い出すための「鍵」としての価値が「物語としての記憶」にはある気がする…
それにしても高嶋ブラザース、共に長岡、山古志に関わる作品に出演とは、これも何かの縁か?…
(^▽^;)