ダイハツでの不正、日野自動車での不正、豊田自動織機での不正、販売店での相次ぐ車検の不正、デンソーの燃料ポンプのリコール続発、と、トヨタ関係の大企業が次々と不正発覚して大問題化しています。
なぜこんなことになっているのか、を私なりに思案し、原因ではないかと思う事があります。
それは、
トヨタは「自分が出来る事は周囲も出来る」と思い込んでいるのではないか、
という事です。その事を色濃く表す社内用語が「横展」「水平展開」「標準化」です。
1つでも成功事例が出ると、それと「同じやり方」を社内全体で展開することを意味します。
つまり、例えば、超短納期で車が開発できたら、それが新しい「基準化」します。これを社内用語で「標準化」と言い、「標準化」は職場では「合言葉」にもなっています。でも、周囲には、とても「きつい基準」になることも多いです。
例えれば、1人が短距離走100m9秒台(=オリンピック金メダル水準)を出せたら、全員に「9秒出せ」と強要するようなものです。出せなければ「努力不足」「未達」として最低の査定をつける、「ダメ社員」「ダメ関係会社」のレッテルを貼るようなものです。
トヨタの基準を周囲に実質「強要」していた事で、周囲の関係会社はついてゆけず、要求が出来なくて不正に走ってしまった。それをずっと隠蔽し続けてきた。不正は必ず発覚する、の鉄則すら考えに至らなかった。
と。つまりは、
テストで100点取り続ける兄が、弟も努力すれば出来ると、100点を強要したが、弟はそこまでできなくて、出来の良い兄から怒られるのが恐くてカンニングをしていたが、ついにばれてしまった。
みたいな例えになるでしょうか。
関係会社では、
「仕事だからやれ」
「上(トヨタ)が言うから仕方がない。やるしかない。」
「残業制限守れ。」
「納期期限厳守。」
「コストは減らせ。だから実験は1回で成功させよ。」
・・・・、
などと上司が言い、追い詰められた担当者たちは、そう無理難題を指示してきた目先の上司に認められればよい、とだけしか見えなくなり、本来なら100項目の試験が必要なところを、10項目しかやらずに、時間もないし疲れ切っているからと、残り90項目は、
「やったこと」
にしてしまって、結果として、期限に間に合わせた、という事ではないかと。
さらに、30年近い間に、そうした担当者がやがて上司になり、課長、部長に昇進しても、部下がテストをごまかしていることを、自分もしてきたために、とがめられなかった。
もしくは、30年近くばれなかったし、トヨタからも客からもクレームきてないから、
「いいや、そもそも10項目だけのテストでよかったのに、100項目も無理なんだよ、無茶だし、元々過剰要求だった、我々がしたのが正解だったのだ。」
と正当化し、部下に話していたのではないか、と推察します。なので、長年の不正が慢性化し、そもそもとがめる判断すら失われていた、と。
つまり、
一部の優秀な人だけが出来る事、出来たことを、他の多くの一般の人にも「強要」していたがために、できない大多数の人を不正に走らせる素因となった、それをトヨタが気づけなかった、
ともいえるのではないでしょうか。
多くの人を「袋小路」に追い詰めてしまっていたのではないでしょうか。
「窮鼠猫を噛む」
と言うとおり、追い込み過ぎては絶対にいけません。その追い込まれたとの認識は人によりそれぞれ違います。それを、一律に強要すれば、不平不満も溜まります。
今後、再発防止には、トヨタ本体が、そのことに気付けないと、同様の事は繰り返されると思います。
これらの要因に対して、どうすればできるようになるのか、の対策を考えるのが重要です。
例えば、要求基準の緩和です。つまり、
・短納期化要求を緩和する。
・コスト削減を緩和する。
・テスト項目すべてを満たすまで再テストしてもよいとする。
・人事評価基準を変える。
・適正品質化する。
など、いくらでも解決のヒントはあると思います。
大事なことは、グループ企業の相次ぐ不正に対してトヨタがどのように関係会社の立場や目線に立って、問題を共有し心を割って本音で話し合えるか、関係会社に寄り添えるか、が決め手になると思います。本音を語ってもらい、互いに納得する解決案を是非立ててほしいと思います。
無理難題を課して車づくりをつらい苦しい仕事、にするのではなく、車づくりは楽しい仕事、とみんなで共有できるようにするのが頂点に立つトヨタの度量器量だと思います。
ではでは。
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