独裁者ヒトラーはなぜ民主主義国家で誕生したのか? | きままなひととき

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第二次大戦でドイツの独裁者とユダヤ人の虐殺で有名なヒトラー、なぜ民主主義なのに独裁者が出来上がったのか、正直、不思議だった。
でも、ある本を読んで、そうやって独裁者が出来上がったのだとわかった。詳しく書くと、その本くらい書かないといけないので、かいつまんで書く。
まず、ドイツは第一次世界大戦で敗戦国となった。国民は自信を失い、敗戦国ゆえの賠償金も課せられて、国民は疲弊していた。ドイツは自由と民主主義国家として再出発した。でも国民には仕事=雇用がなく、飢えていた。やがてヒトラー率いるナチス党が、雇用を作るといって、国民が生活向上できるように、いろんな施策を行い、国民の収入を上げた。当然、選挙で国民から支持を受けた。やがてナチス党が選挙に圧勝し、ヒトラーが政権の座についた。富国強兵策と国内景気を上昇させ、国民から増々支持を得た。ドイツ国民に自信を持たせた彼は英雄となり、選挙にも勝って国会で圧倒的多数を得た。そして、ヒトラーに全権を委任する法律も圧倒的な与党のために、その法案が通った。ここでヒトラーは、事実上の独裁者となったのだ。そして、ドイツは優れた民族であり偉大だとヒトラーは国民に連呼し、一層国民が自信を持った。そして、人種差別も平気なヒトラー、やがてユダヤ人を露骨に差別するようになる。そして、国土を広げる戦争に走った。ポーランドへの侵攻である。それを阻止しようと、英国とフランスがドイツに宣戦布告したヒトラーは応戦し、優れた武器と鍛錬した兵士により英仏共に劣勢となった。
・・・、と、この辺まででわかると思うが、自由と民主主義だから独裁者は生まれないのではなく、ヒトラーは国民に自信とプライドを持たせただけでなく、経済的にも復興を急ピッチで実現させて、国民を飢えから救うなど、国民に喜ばれて支持させる政治も行っていたのだ。だから圧倒的な国民の支持を得て、全権委任まで勝ち取り、独裁者となり、ファシズムとなったのだ。

 

民主主義だから、主権在民だから、自由だから、といって独裁者が生まれないのではないのだ。今の米国がこれにかなり近い。ただ、国民のトランプ支持が40%と低いので独裁者にはまだなれないが、トランプが雇用対策をして、米国を好景気にして国民の収入が飛躍的にアップしたら、低い支持ではなく、支持率は右上がりに上昇するだろう。そうなったとき、議会でトランプが所属する共和党が圧倒的な多数を勝ち取ったら、トランプの事実上の独裁が可能となるのだ。
ちなみに、ロシアは既にそうなりつつある。プーチンへの国民の支持率は90%に近いという。米国がそうならないという絶対的な保証はどこにもないのである。
なお、安倍首相が日本政府がトランプ大統領との会談を急いでいるのも、トランプ氏が選挙期間中に、
「日本は米軍に守られている以上、負担金をもっと払わせないといけない。」
といった日米安保条約の根幹を揺るがす考え方をしており、実際に米軍に戦後70年余り守られてきた日本としては、急ぎトランプ大統領の確約を取り付けないといけないからであるし、TPPや自由貿易も米国にもメリットがある事を言わないと、国防、経済の面で日本が重大な危機に直面するからである。なにせ、保護主義で日本から米国への輸出品に35%もの関税をかけられたら、日本からの輸出は激減し、日本経済が最悪の事態になってしまうからである。

 

米国に独裁者が出現したら、世界はヘタをすると、混乱、動乱が発生してしまうだろうから、それを食い止めるべく、安倍首相は焦っているのだろう。
トランプ大統領は、かつての独裁者ヒトラーが歩んだ方向にかなり近い方向に向かおうとしている。非常に危険。それゆえ、米英仏だけでなく、多くの国で反トランプのデモが起きているのだ。
アメリカは非常に危険な人物を選挙で選んでしまったのだ。民主主義で一番避けないといけないのは、ポピュリズムである。つまり大衆迎合政治である。近視眼的な大衆受けする政策ではいけないのだ。国をどの方向に持ってゆくかという長期ビジョンが絶対に必要なのだ。
アメリカは、トランプ氏を選んだことで、危険な方向に動き始めている。日本は、日米同盟も当然必須であろうが、トランプ政治で信頼できなくなるアメリカとどう対峙するか、国防も自国で100%できるように舵を切るとか、丁度衆参議員で与党が2/3確保しているのも、まさに天の時だと考えて自主憲法を制定し、米軍に頼らなくてもよい自立した国家日本を作ると腹をくくることも場合によっては必要となるだろう。
今後のトランプ政治をよく注視し、日本が誤った方向に引きずられないようにしないといけないのである。


ではでは。