とおいとおい 桃の里
夢のなかの 桃花のお姫様
夢のなかの 桃花のお姫様
ふかいふかい もりのなか
ひとりぼっちの こぎっねが
ぼんやり ゆめをみています
いつか昔の
春の霞の ふかい日に
ひょろりと まよい
ぽかりとあいた
桃の里
みわたすかぎり 桃の木々
天までとどく 段飾り
おすまし顔に ぎょうぎよく
我れ先きそい あでやかに
おつきの楽師の 調べにのせて
舞い散る花々は
お姫様に かしづいて
ふわり ひらりと 舞い散らふ
桃の宴は おわることのないような
天上界の みなさまも ほほあからめて
ひざうちならす
おもわず こぎっね ちょとはねる
春の霞の そのなかに
いつしか そっとつつまれる
ひとときの
うつつのことか まぼろしか
夢見心地のこぎっねの お顔に
ひとひら 桃の花