裕司「幹」

幹「ん?」

裕司「お前・・・昨夜、すごかったぞ」

幹「なにが??」

裕司「・・・寝相。あれは酷い」

幹「一人っ子だからさあ」

裕司「関係ないッ」

幹「自由奔放なんだよ~」

裕司「奔放すぎるだろ!あんなに大の字になってベッドから何度も落ちそうになって!」

幹「もっとカッコよく言ってよ・・・」

裕司「ん?」

幹「オレにも、イメージってもんがあんだからさ。もっとこう・・・『クールだったぜ』とか言ってよ」

裕司「クールだと?!」

幹「うん、羨ましがってよ!『お前の寝相、ハンパないな・・・どうやったら、そんなにカッコよく眠れるんだ・・・?!』って!」

裕司「(笑)」

幹「『横顔だってギリシャの彫刻のようだったぜ・・・!』って言って!」

裕司「(笑)。悪い、嘘はつきたくない」

幹「(笑)。そんなコト言わないで、オレの寝相はカッコイイって言ってよ!」

裕司「カッコよくはなかったぞ!」

幹「だったら、カッコよくするからさあ!」

裕司「なんだ、カッコイイ寝相って!どんなんだ?」

幹「例えば・・・正座して片方のヒザを立てて・・・忍者が命令を待ってるみたいな格好で寝るから・・・!」

裕司「そんな寝方しないだろッ!」

幹「あと、憂いを含んだ表情とかするから!」

裕司「(笑)。寝ながら、そんな顔しないだろッ!」

幹「ついでにカッコイイ寝言も言うからっ!」

裕司「カッコイイ寝言だと?!」

幹「『はい!お任せください、お殿サマっっ!』って!」

裕司「ええ?!」

幹「『必ずやあの者を仕留めてみせます・・・!!』って!!」

裕司「暗殺稼業か?!!」 

幹「うん。ヒザを立てて言うよ・・・!」

裕司「寝てるんだよな?!!」 

幹「うん(笑)」

裕司「忍者でも、もっと寛(くつろ)ぐだろ?!」

幹「(笑!) じゃあ寝転んだままで、こう言うよ」

裕司「なんて?」

幹「『おお・・・愛しのアフロディーテ・・・!』って」

裕司「誰だ?!!」 

幹「女神の名前☆神話っぽくてカッコイイでしょ!!」

裕司「そ、それを寝たまま言うのか?!」

幹「うん。低い声でね・・・!」

裕司「声の調節まで?!!」

幹「女の子うっとりだよ」

裕司「寝てるんだよな?!!」 

幹「(笑)。うん。しかも洋風の寝言」

裕司「和風、洋風って・・・定食か!」

幹「(笑)。バランスいいでしょ」

裕司「魚も食えよ!」

幹「(笑)。野菜もとりま~す」

裕司「(苦笑)。おとなしく寝てろ・・・マグロのように」

幹「刺身定食だね」

裕司「(苦笑)。とにかく、じっとしてバランスをとれ。ベッドから落ちるから」

幹「なに言ってんの?むしろ落とさないとっ!!」

裕司「ど、どうして?!」

幹「オレたちは漫才師!落ち(オチ)をつけてナンボでしょっ!!落として落としてっ!!」

裕司「・・・確かにな。落とされたら、それはそれでオイシイもんな」

幹「うんっっ!『落ちちゃったよ~』ってネタに出来るっ!」

裕司「それも一理ある・・・だがな、気をつけないとマズイぞ」

幹「ん?なんで?」

裕司「漫才も人間も・・・・」

幹「?」

裕司「・・・・落とし方によっちゃあ、大怪我するからな・・・!!」

幹「(笑!)」

裕司「あまり無茶な寝方はするな」

幹「わかりました~!(笑)」