幹「映画、見に行きたいなあ~」

裕司「行きましょう!」

幹「はやっ!」

裕司「どんなのがいいですか?!」

幹「なに張り切ってんのっ?!」

裕司「エスコートしますよッ」

幹「なにをヤケクソになってんの?w」

裕司「デートする相手がいないですからね!どこへでも行きますよッ」

幹「ヒマなんだ!」

裕司「ああ!」

幹「言い切った!w」

裕司「どうせなら、映画のような一日にしましょうか!」

幹「えっ」

裕司「映画館へは車で!カーアクションをかましましょう!!」

幹「怖いよ!」

裕司「大丈夫!僕はゴールド免許ですから!!」

幹「ホント?!」

裕司「ええ!免許をとってから1度しか運転していませんからッ!」

幹「なんだとぅ?!!」

裕司「その1度だって、100メートル走っただけです!」

幹「何の用で運転したんだと聞きたいっ!!」

裕司「だから、俺は、間違いなく、ゴールド免許だ!!」

幹「不安だよ!!そんなヤツがカーアクションかますなんてっ!!」

裕司「だったら、お前が運転すればいい!!」

幹「オレは免許もってないもんっ!!」

裕司「だったら、とりにいけ!!」

幹「オマエが運転の練習をしろよっ!その方がはやいよ!!」

裕司「それは、やめた方がいい!!」
幹「なんで?!」

裕司「アクセルとブレーキが壊れているんだ!」

幹「お前の車、どーなってんだよっ!!?大事な部分だろっ?!!」

裕司「走ることはギリギリできるが、止まることが全く出来ない!!」

幹「ただの粗大ゴミ!!」

裕司「個性的だろ・・・?」

幹「世界一の役立たずだよ!!修理に出せよ、一刻も早くっ!!」

裕司「出しても無駄なんだ!」

幹「なんでっ?!」

裕司「俺が免許の更新をしていないからな・・・!!」

幹「何やってんの?!!なんでしてないの?!役立たず2号っっ!!」

裕司「・・・役立たずじゃないぞ、俺は頑張ったんだ・・・」

幹「ホントかよ?!」

裕司「ああ・・・。更新の手続きに行った時、そこの係りの人がすッごく綺麗だったんで連絡先を聞いたんだ、勇気を振り絞って・・・!」

幹「何やってんの?」

裕司「だが、『個人情報はお教えできません』とアッサリ断られて・・・・そういう時代だしな」

幹「時代、関係ない。石器時代でも戦国時代でも、結果、変わんないよ~?」

裕司「で、何だかいたたまれなくなって・・・・」

幹「そうだろね」

裕司「・・・で、そのまま・・・手続きをする前に帰って来てしまったんだ・・・」

幹「・・・・・・・へ?」

裕司「・・・それ以来、気まずくて、手続きに行けてない・・・!!」

「オマエ・・・・・超ド級のアホだろっ!!?手続きしろよ!!なにナンパだけ頑張ってんだよっっ?!!」

裕司「スマン。そんなわけだから、お前が免許をとってくれ・・・!!」

幹「そんな尻拭いヤだよ!!なんでオレがその分しわ寄せくらうのっ?!!冗談じゃないよっっ!!」

裕司「お前の運転する車で、アクションかまして、世間の度肝を抜いてやろうぜ・・・!」

幹「なにカッコよく言ってんだよっ?!!初心者マークで、そんなムチャしたくないよっ!!」

裕司「大丈夫・・・俺の車を貸してやるから・・・!」

「いらねえよっっ!!!」 

裕司「しっかり練習しろ!初心者マークを卒業するまで待っててやるから!」

幹「したくねえよっ!!!つか、気ィ長ぇーーー!!!」

裕司「日本中を回って、運転の練習をするといい!心配するな、俺の車を貸してやるからッ!!」

幹「だから、いらねえのっ!!どこをどう考えて、心配がいらないと判断?!!」

裕司「遠慮するな、幹!」

幹「ヤだよ!壊れてるんだろ?!!車とオマエが!!」

裕司「違う!ブレーキとアクセルがだ!!」

幹「なんで平気な顔で言うのっ?!それだけでも重大な欠陥だよ?!!」

裕司「心配するな、俺も一緒に乗ってやるからッ!!」

幹「乗ることで何が変わるの?!!」

裕司「ずっとそばにいてやるからッッ!!」

幹「さっさと直してよ!!その性格と、ブレーキとアクセルの3トップを!!!」

裕司「その前に、車を改造しないとな!!」

「改造だと?!!」 

裕司「ああ!映画のように格好よくしよう!!」

幹「その前に直すべきトコロを!!」

裕司「個性も大事だろ!!」

幹「必要ないよ、今、そんな気遣いっ!!!」

裕司「空を飛べるようにしたり、未来や過去へタイムスリップできるようにしよう!!」

幹「よけいな機能だし、ムリーーー!!!」

裕司「金は俺が出すから!!」

幹「出したってムリなんだけど!!つか、ケチのクセに、なんでこんな時ばっかり?!!」

裕司「キャンピングカーのように台所をつけよう!!自炊できるように!!」

「映画を見に行くんだよね?!!」

裕司「そうだ!後部座席に、ウォーターベッドを設置しよう!!」

幹「ダレが寝るの?!!」

裕司「俺が!!」

幹「寝るコトで何が変わるの?!!ブレーキがきくようになるの?!!」

裕司「・・・べつに?」

幹「世界一、無駄なプランっっ!!オマエ、張り切ってるケド超~役立たずっ!!!」

裕司「楽しくなるぞ!映画のようにドラマチックになるぞ!!」

幹「オレは今、すっごくイライラしてる!!マフィア映画のボスみたいにイライラしてるっ!!」

裕司「あ、そうだ!!」

幹「なに?!」

裕司「綺麗な人がいる映画館は、やめておこうなッ!!」

幹「な、なんで?!」

裕司「連絡先きいて断られたら、気まずいから!!」

幹「まだナンパする気?!!」

裕司「恋愛映画のようにはいかないんだよな!どうしてだろうな!!」

幹「映画じゃないからだよっ!!オマエの心のブレーキもぶっ壊れてんのかっ!!!」

裕司「映画のような一日にしたいんだが!」

幹「その前に3トップの修理と免許の更新をっ!!」

裕司「素敵な演出をしたいんだが!!」

幹「もう~~っ!!だったら、監督とスタッフでも呼んで来いよっ!!」

裕司「その手があったか!!」

幹「うっせえよっっ!!!」

裕司「ハリウッドの映画会社に連絡をとろう!!」

幹「マジになるなっ!!」

裕司「だから・・・あと、3ヶ月ほど待ってくれ、幹!!」

幹「なんで3ヶ月?!」

裕司「ハリウッドと交渉するために・・・英語を勉強するッッ」

幹「今から?!」

裕司「頑張るからッ!!」

幹「オマエの頑張りは、見ての通り、トンチンカンなんだよっ!!!」

裕司「きっとマスターしてみせるからッ!!」

幹「待てるかーーーーっっ!!!!!」

裕司「さっそく英会話教室に行ってくる!!」

幹「どうやって?!」

裕司「もちろん車で!」

幹「やめやがれぇええええーーーーーーーーーーーっっっ!!!」