若い男二人。電話で話をしている。

「なあなあ」
「ん?」
「週末ヒマだからさー、お前んちに泊まりに行ってもいい?」
「ダメ」
「なんで?」
「彼女が来るんだよ」
「いいじゃん。邪魔しないからさー」
「お前が来る時点で邪魔なんだよ!」
「いいじゃん、勝負パンツ履くからさあ」
「お前が!?」
「できるだけ派手なのを履くようにするから!」
「いらねぇよ、そんな心構え!!」
「見せてやるからっ!」
「サービスのつもりかッ!?」
「見たいだろ?」
「見たいワケねぇだろッとにかく来んな!」
「なぜそう邪険にする?」
「よくきけ、週末は彼女を親に紹介するんだよ!わかるだろ、この意味が!」
「じゃあオレも紹介してくれ」
「わかってねぇ!!」
「親御さんも喜ぶだろ」
「なんで二人いっぺんに紹介しなきゃいけねぇんだよ!ややこしいだろッ!?」
「オレ、綺麗だからな…!」
「性別はカンペキに分かるよ!!そういう意味でのややこしいじゃねぇよッ」
「じゃあオレだけを紹介すればいい」
「優先順位おかしいだろ!?」
「長年の親友だぞ」
「去年知り合ったばかりだろ!!」
「オレは長年のつもりだ」
「彼女とは、もっと長いんだよッ!」
「それなのにオレとの方が息ピッタリ」
「ピッタリじゃねぇだろ!会話ズレまくってるじゃんよ!!」
「彼女とはどうせ別れるんだから…」
「別れるどころか結婚するんだよ!」
「うそ!?」
「『うそ!?』じゃねぇよ!さっき言っただろ!?そういう表現をしたハズだッ!」
「じゃあオレの勝負パンツはどうなんの!?」
「いらねぇんだよハナから!!」
「見たくない?」
「見たくない!!」
「だったらオレ…!」
「んっ?」
「派手なパンツ履くの、やめるわ…!!」
「来るのをやめろーッ!!!」