幹「枯れ木に花をさかせやしょうっ!」

裕司「どうしました、急に??」

幹「枯れてしまった木に、なにか実をつけたいっ!」

裕司「なんでまた?」

幹「じいちゃんが庭に木を植えたんだけど、枯れてしまって!」

裕司「ほう」

幹「しかも、それが何の木だったか思い出せないっていう!」

裕司「それはそれは(苦笑)」

幹「でも、じいちゃん『せっかく植えたのに』って落ち込んでるし、何かわかんないケド、もう、何か実でも花でもつけてあげたいっていう気分なんだよっっ!」

裕司「なるほど、その枯れた木にね」

幹「そうっ!」

裕司「おいじちゃん孝行ですねえ~^^」

幹「何かいいアイデアないかっ?!」

裕司「そうですねえ・・・。おじいさんは何が好きなんですか?」

幹「えっ」

裕司「おじいさんにまつわる物が良いかと思って。突飛な物よりは」

幹「な~るっ!」

裕司「何かありませんか?」

幹「うーん・・・っ、好きっていうか、店で毎日せんべい焼いてるっっ!」

裕司「あ、おばあさんと二人でお店をやってるんでしたね」

幹「そうっ!だから、せんべいにしよっか!!?」

裕司「えっ」

幹「木にせんべいをくくり付けて、『じいちゃん、実がなったよー!!』っつって」

裕司「不自然でしょうッ?!!」

幹「そお??」

裕司「せんべいが木になること自体、おかしい!!」

幹「そうかなー?」

裕司「そうッ!!」

幹「旨そうだと思うけど」

裕司「味ではなく、リアリティの問題ッ!!」

幹「そう?」

裕司「どう考えても、『そうじゃ、ワシの植えたのはコレじゃった!!』っておじいさんがノッてくれるとは思えませんしッ!!」

幹「そうかなあ~」

裕司「もっと他にないんですかッ?!」

幹「うーん・・・」

裕司「おじいさんの好きなものとか!」

幹「うーん」

裕司「あるでしょう、1つくらい!!」

「ばあちゃん!!」 

裕司「あん?!!!」

幹「じいちゃんは、ばあちゃんのコト、なんだかんだ言って愛してるから――」

裕司「植えられるかッ!!!」 

幹「・・・ダメ?」

裕司「おばあさんの、許可が、まずおりないッ!!!」

幹「大丈夫っ!なんだかんだ言って、ばあちゃんもじいちゃんのコト愛してっから――」

裕司「黙れ小僧ッ!!!」 

幹「(笑)」

裕司「常識で考えろよ、もっとッ!!! 木になっててもおかしくないもので、他にないのかッ?!!」

幹「うーん・・・」

裕司「りんごとか、みかんとかッ」

幹「うーん・・・」

裕司「思い出せよ、おじいさんの好きなものをッ!!」

「焼き肉っっ!!!」 

裕司「黙れ小僧ッッ!!!」 

幹「(笑)」

裕司「焼肉なんか木になってたら、おじいさんパニクるだろッ?!!」

幹「・・・そうかなあ~」

裕司「大体どうすんだ、肉はッ?!!その場で焼いて木にくくりつけるのかッ?!焼いてる時点で怪しまれるだろッ?!!」

幹「こっそり焼いてから持って行けばいいっ」

裕司「冷めてもいいのかッ?!」

幹「いいんだ、気持ちはホットだから」

裕司「うまく言ったつもりかッ?!!」

幹「旨い肉にしよう、国産の黒毛和牛に!」

裕司「木にくくりつけるだけなのに?!!」

幹「いいじゃんっ!タレもちゃんとつけようぜっ!!」

裕司「焼肉のタレかッ?!!」

幹「そうっ!じいちゃんの好きな甘口がベストッ!!」

裕司「食わせる気、マンマンか?!!」

幹「入れ歯はずれるまで食わせるぜっっ!!」

裕司「冷めた肉なのに?!!」

幹「気持ちは冷めてないからっっ!!!」

裕司「食えねえだろ、そんな肉ッ!!?」

幹「食ってくれるよ、じいちゃんならっ!!!」

裕司「なぜそう言い切れるッ?!!」

幹「じいちゃんは、孫の気持ちをムダにする人じゃないからっ!!!」

裕司「?!!」

幹「どんなにムチャでも食ってくれるよっ!たとえ黒毛和牛とみせかけた輸入肉でもっっ!!」

裕司「偽装はやめてやれよーーッッ」

幹「(笑!)。元気でるよ~!」

裕司「黙れ小僧ッッ!!!」

幹「(笑!)」