みんないろんな悩みがあるじゃない？
悩みを解決しようとする時は、原因を探っていく。
ちょっとね、考えを広げてみてほしいんだけど。
そもそも悩みを感じる心っていつからあるのかなぁ。
心がいつできたのか、答えは誰も知らない。
でも、命の流れから少し考えてみよう。
心ができていく過程を知ると、悩みの根っこが見えやすくなってくるから。
すると、悩みってもっとシンプルに見えてくる。
でも、大きな説がふたつあって。
ひとつは、
脳ができた時に、心ができるというもの。（創発説）
もうひとつは、
脳や神経細胞があるから心ができるのではなくて、もっと根本的なレベルですでになんらかの形で存在しているというもの。（汎心論）
どっちが正しいかはわかんないけど、ぼくはどちらかといえば後者だと思ってる。
生物が一番最初に生まれたのは、４０億年前の海の中。
そのころはひとつの細胞で生きてた。
そして、海から生きるのに必要なものを取り込んでた。
誕生した頃からずっと生物には本能がある。
一番根っこになってるのが、
生きることと子孫を残すこと。
すべての生物が、自分自身が生きることと子孫を残すことを目的にして生きてきた。
すごいよね。
本能にしたがって４０億年間続いてきた命のつながりがあってはじめて、いまのぼくらが存在しているんだから。
人間にとっても本能の影響ってすごい。
自分が生きることができないって言われたら、どう思うだろう。
こどもができない時、どう思うだろう。
心にすごく大きな影響を与えるよね。
本能って心の原型ともいえる。
生きるために、子孫をのこすために。
だんだんと体が進化してきたように、心も進化してきたんだろう。
もちろん、４０億年前のたったひとつの細胞に、ぼくら人間と同じような心があるわけではないだろう。
もしかすると本能だけかもしれないけど、きっと心の原型がそこにはある。
そして、
「いま」へと続いて来たんだもの。
人間は妊娠すると、お母さんのおなかの中で進化の歴史をたどる。
たったひとつの受精卵が細胞分裂して増えていって、子宮に着床して、妊娠する。
そして、胎児になり、生まれ、いまのぼくらになる。
１個の細胞だったものが、６０兆個の細胞からなる人間になる。
こころはいつからあるんだろう。
生まれた瞬間？
そんなことはないよね。
だって、おなかの赤ちゃんはお母さんの声や、まわりの明るさに反応する。
じゃあ、脳ができたとき？
どうだろう？
心臓が動いた時？
本当のことは、わかなんない。
でもねー。
もしかすると、一番最初のひとつの受精卵だった頃には、心の原型があるのかもしれないね。
だって、たった１個の細胞にも本能はそなわっていて、どんどんと細胞が増えて人間の形を形作っていくのだもの。
ぼくらの心はいつ、どこで生まれたかは誰も知らない。
ただ、たったひとつの単細胞生物からはじまって、４０億年という長い時間続いてきた生命が本能をもっていたことを思うと。
ぼくら人間も、たったひとつの細胞である受精卵からはじまって、そのひとつの細胞にもすでに本能が備わっていた。
だとすると、心の原型ってそのころにはすでにあるって思える。
なんかすごいよね。
ぼくらの心も、ずーっと４０億年も続いてきた命の流れがあってはじめてあるんだもの。
つづく
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