ボーナスチャンス。 | 堀江昭佳オフィシャルブログ「『こころ』と『からだ』の悩みを解決する しあわせ女子のための処方箋」Powered by Ameba

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婦人科漢方専門・子宝のスペシャリスト 堀江昭佳が、西洋医学、漢方、心理学の3つの視点から、こころとからだの悩みを解決する方法をつづります。
「からだを整えるとこころが整い、結果的に夢が叶う」
そんな考え方を大切にしています。


Fさんが来られた。
45歳で、最後と思った治療を終えて、相談に来られた。


「終わりました。



でも、感謝、感謝です。

今回、ダメだったら終わりと決めていました。

最後にクリニックの先生や、看護師さん、培養士さんに、ありがとうございました。って、お礼を言いに行きました。
わたしのわがままに、たくさんつきあってもらって、本当にありがたくて。

その時、培養士さんに、

『ご主人は、家内が今回が最後の治療だと思ってるから、もうちょっと育てて様子を見てもらえないかって言われたんですよ。
もう、受精卵の成長が止まっていたから、これ以上は、申し訳ありませんってお断りしたんですが、やさしいご主人ですね』

って言われて。
主人が、電話でそんなことを言ってたなんて知らなかったから、びっくりして。


あのひと、わたしにわからないように気を使ってくれてたんだなぁって、なんだかとてもうれしかったです。



はじめから子どものことは、あきらめてました。
43歳でご縁があって結婚することになった時に、

『私は、こども抱かせてあげることはできないけど、いい?』

って聞いてから結婚しました。

最初から、あきらめてたけど、堀江さんのところに相談に来た時に、

『ほしいと思う気持ちがあるなら、チャレンジしてみたら?』

って言われて、こどもを持つことに挑戦していいんだと思って、病院へ行き始めました。



思ってもみなかったことだったから、治療を始める時から、ボーナスチャンスの期間だと思ったんです。
1年間がんばってみて、授からなかったことは、残念だけど、お金では買えない、貴重な体験をさせてもらえた。そんなふうに思います。


治療して、よかった。
精一杯、自分のできることに挑戦してみてよかった。



治療を終わりにすることを決めた時に、

『1年、ようがんばってくれたな。ありがとう』

って言って、主人がポンっと肩を叩いた時に、涙が出ました。
胸がすーっとして、治療をしてよかったと思いました。
これで、後悔ないなって思ったんです。

『これから二人で仲良くやっていこうな』

そう言ってくれた主人と一緒に、二人仲良くやっていこうと思います。






Fさんとは、長い付き合いで、結婚される前から漢方相談に来られてたから、もう5年近いお付き合いになる。

とても楽しい方で、今回のお話を聞かせてもらった時も、悲壮感とかは全然なくて、表情がすごくすっきりされてた。


43歳で結婚された後、こどもは、最初から、あきらめてるから。と言われるのを聞きながら、ほしい気持ちがあるのなら、治療をしてみたら?とお話した。

何度か体外受精にチャレンジされて、卵は取れるし、受精はするけど、胚盤胞に進まなかった。
そして、最後と決めた治療に臨まれて、結果的には移植ができなかった。


でも、



でも。



Fさんの言葉を聞いてると、挑戦されて、よかったなって思う。
ほしい気持ちに蓋をしたままにしなくて、よかったなって思う。


赤ちゃんを授かろうとすることは、いつまでもできることじゃない。
もしも、ほしい気持ちがあるのなら、チャレンジをしたほうがいい。
だって挑戦しなかったら、授かるものも、授からないのだから。



したことの後悔は、日に日に小さくすることができる。
していないことの後悔は、日に日に大きくなる。

(作家/林真理子)

ぼくは、ホントそう思う。





帰り際、最後に笑いながら言われた。

これからは、更年期対策で来るけど、いいよね?



もちろん、どうぞ。