今日は、M.Nさんが、
こどもさんを連れて来てくれた。
大きな目がかわいい、Hくん！
２年ぶりにM.Nさんとはお会いしたのだけど、
治療中のことを振り返りながら、
改めてホント、大変だったよねって、
話になった。
もともと、
子宮内膜症がひどくて、
卵巣のう腫の手術をしたほうがいいのか、どうか。
という相談がきっかけで
平成２２年に、
ぼくのところに来られたんだけど・・・
赤ちゃんをさずかるまで８年もの間、
いろんなトラブルがあった。
ぼくのところに来られてからも３年だけでも、
卵巣のう腫の手術があり、
体調を整えてタイミングとかで挑戦したら
結果がでなかったから、
その後、体外受精にのぞまれて、
採卵もできて受精できたんだけど、
全部育たない。
なんでだ？
って話になって検査をしたら、
橋本病が判明。
ホルモンが安定するまで、
また１年近く時間がかかって
ようやく治療ができて、
妊娠できたと思ったら、
流産・・・
本当に、
どうして、こんなに・・・
と思うほど、
次々とトラブルが起こった。
でもね、
すごく印象に残ってるのは、
彼女、
いつも明るい。
悲しい時は、悲しい顔はされるんだけど、
基本、前向きに、
自然体でポジティブだったんだよね。
そして、
いろんなトラブルを乗り越えて、
やっと授かったのがHくんだった。
今日は、いろんな話を聞かせてもらったから、
また体験談としてまとめてご紹介しようと思うんだけど、
ひとつだけ。
M.Nさんは、
間で休んだ時期があったとはいえ、
８年近く治療をされて、
やっとの思いで授かられたんだけど、
どうしてそれができたのか、
すごく気になったんだよね。
それで聞いたら
ご主人の支えだって言われた。
流産された時、
それをすごく感じたんだって。
「やっと授かったのに、
流産がわかった時、
すごいショックでした。
この世の終わりだと思ったくらい・・・
いろんなことを思いました。
すごく自分も責めたし、
なんでだろうっていろんなことを考えて・・・
ダンナもつらいと思ったから、
泣いたらいけないと思って、
なるべく泣かないように、
泣かないようにしてたら
『無理せんでいいよ』
って。
わたしが泣かないようにがんばってたのに、
気づいて、そう優しく声をかけてくれたんです。
それで、
泣きたいときは、
泣いていいのかな。
できることからしていったら、
また授かれるかな。
そんなふうに思うようになりました。
ダンナは、
励ましもしないし、
責めもしない。
元気になるのを待っててくれる感じだったんです。
もともと、
がんばるのが好きだったのもあるけど、
本当にがんばってよかった。
あきらめなくてよかった。
あきらめなかったら、
いいことあるって思います。
でも、
生理痛がひどかったころは、
体調も悪くて、
いろんなことが信じれなくて、
無理してがんばってた気もするんです。
自然にがんばれるまでは、
無理をしてがんばらなくていいと思います。
私は、無理をしてた時は、
５年間、ずっとうまくいかなかったから」
がんばること。
と、
無理をしてがんばること。
やっぱり違うんだなって思う。
無理してがんばってた時と、
自然にがんばれるようになった時。
なにが違ったのか聞いたらね。
「心の底で、妊娠できることを信じてたことかな」
って言われた。
ぼくね、
これ、
なんかすごくわかる。
いままでたくさんの人をみてて、
その言葉で、
目に浮かぶ人たちがいる。
本当に、
いろんなトラブルが襲ってきて、
すごく大変な状況になる人がいる
なんで、こんなに・・・
って思うくらい。
それでも諦めずに、
一歩一歩すすんで行って、
そして
妊娠される人って、
みんな、こころの底で
一番深いところで
自分が妊娠できることを信じてる
それって、
わかる。
心の底から、
自分が妊娠できる。
そう、信じていること。
そんなふうに思えるのって、
確かに難しいと思う。
だって、
不妊治療って、
期待して、
裏切られて、
先が見えない。
それを繰り返しちゃうから。
妊娠するかしないかには、
◯か✕かの結果しか出ないから。
それでも、
自分が妊娠できることを信じれる気持ち。
揺れるときもあるだろうし、
そんなふうに思えないような時があっても、
心の奥底で、
自分のことを信じる力。
M.Nさんだって、
最初からそう思えたわけじゃない。
でも、
そう思えるようになれた。
いろいろな道があるし、
これが絶対だとは言わないけど、
自分のことを信じる力。
それは誰でも、きっと、
たどり着くことができる気持ちのひとつだと
ぼくは、思うんだよね。