やまと高原の旧都祁村(つげむら)にある
伊川健一さんの茶畑に
ご縁があって行ってきました。
都祁村というのは古墳時代のころに
大きな集落があった地域で、
時代とともに中心が、
橿原、飛鳥、奈良と
移っていったそうです。
なんとなく出雲とも
古代文化でつながりがあったんでは
ないかと思うような歴史ある土地です。
実際に訪れてみると、
昔から豊かな地域だったんでしょう。
梅雨前の若々しい緑の広がる山々や
畑に囲まれて
立派な日本家屋があちこちに点在していて
日本の原風景のような場所でした。
信仰されている禁足の山は原生林
伊川健一さんのところでは、
お茶作りが中心なのですが、
実際にお茶畑に案内されて
話をきいてみてびっくり。
農薬はもちろんのこと、
有機肥料なども一切使わないんだそう。
「触ってみてください。」
と言われてお茶の木の下の土に
触ってみてまたびっくり!
指がずぶずぶとささります。
ふっかふかなんですね。
耕したりは一切しなくても、
土壌の本来持っている自然の力で、
やわらかい土になっていくんだとか。
お茶の木も本来はとても生命力が強くて、
農薬は全く必要ない。
ただ、日本のお茶畑の多くは、
収穫量を増やすために、
たくさんの肥料を与えるから
軟弱になって、
そのせいで病気が発生しやすくなるので、
農薬を大量に使う必要が
出てくるそうです。
有機肥料がいいかというと
そういうわけでもなく
牛の糞などをこやしとして使うわけですが、
牛自体が食べているものが
人工飼料だったり、
抗生物質やホルモン剤などを
大量に与えられているので、
それが全部排泄物として
肥料中に出てくるそうなんですね。
なので、
安全を求めて有機肥料を使っているのに、
肥料自体が汚染されてしまっている。
それが現実なんだとか。
「有機栽培」と聞くと
なんだかそれだけで
体に良さそうなイメージですが、
決してそんなことはないんだなぁと、
実際の現場に行って見ないと
やっぱり真実は見えてこないんだなぁと、
改めて感じました。
だからやっぱり、
ぼくは漢方でも、お茶でも、サプリでも。
自分が扱うものは、
製品や人の話だけではなくて、
実際の現場に行って、自分の目で見て、
作っている人の話を聞きたいんですよね。
そうじゃないと、
見えてこないもの、
わからないものが
たくさんある。
やまと高原というのは、
かつてお茶の産地として栄えていたのが、
衰退し、あちこちに放棄された茶畑が
たくさんあるそうです。
それを借りて健一自然農園さんで
お茶をつくっているそうですが、
放棄されて何年も
肥料も農薬も使っていないから、
結果的に自然農法の茶樹が
利用できるそうで、
地域再生にも大きな力になっています。
肥料や農薬を大量に使っている時は、
茶樹は、あまり花が咲かないそうなんですね。
それが、肥料とかをやらなくなって
厳しく育てるようになると
花をどんどん咲かせるようになる。
栄養が過剰になって、
農薬で守られて、
茶樹が甘やかされ過保護になってしまうと
不妊のような状態になるんだとか。
ああ、植物も人間も
一緒なんだなぁと思いました。
原始的な、
本来のあり方に近づけば近づくほど、
生命は、生まれ持った力を発揮する。
そんなように感じます。
奥が茶畑のオーナー伊川健一さん
麦わら帽子の女性は、
同行した管理栄養士 ながいかよさん
自然農法で育てたお茶や作物、ハーブは
やっぱりものすごい力があって、
ひとの心や体を活性化してくれます。
伊川さんは、
思いがあふれるすてきな方で、
全然話が尽きなくて、
ものすごーく楽しくて、
有意義な時間になりました。
きらきらしてる人ってすてきです。
自然農法のお茶やハーブを使って、
女性のための薬膳茶が
パワーアップできる予感がいっぱいで、
これからが、
とてもとても楽しみです。
帰り道、
三年間切らずにあるお茶の新芽を摘みました。
少し置いておくと
葉っぱ中の酵素の力で
自ら発酵してくるそうです。
これを萎凋(いちょう)といって、
よい茶葉でないとよい香りがしないとか。
いま手元には
1日たってしおれた茶葉があるのだけど、
華やかな花のような香りがします。
不思議な、不思議な自然の力です。