司法書士の仕事は「平和産業」などと言われることがある。司法書士試験受験生だった頃、時々耳にした。弁護士さんと比較した時の表現で使われていた気がする。
しかし。これはウソである。わたしの事務所の仕事は「平和」なものなどあまりない。たいてい複雑な人間感情が絡んでいる。相続にしても、離婚絡みにしても、不法行為関連訴訟にしても。
これは、わたしの名刺の裏である。ちょっと読んでみてほしい。我々司法書士のルーツは明治初期まで遡る。当時は登記業務など司法書士の仕事としては想定などされていなかったであろう。

社会で目立つようなデカイ事務所は、不動産業者相手の不動産決済業務、ネット銀行の住宅ローンの抵当権設定しますよ型、遺産を承継するサポートを謳いまくる遺産相続特化型、借金をなんとかしますよ型。こんぐらいであろう。
なんタイプかの定型化された仕事しかやろうとはしない。しかも、カネになるやつだけ。法律家を名乗りながら、なんとも情けない在り方となっていると感じる。
わたしなど、そんな綺麗な書類のやり取りだけで終わる仕事などほとんどない。相手は、生身の人間である。一から話を聴き、必要な対応・手続きを考えて、相談者・依頼者と二人三脚で事にあたる。
自分と「同業」だと思う司法書士は、わたしが「親分」と慕っている大先輩ぐらいである。一体、なぜこんな風になってしまったのか。困るのは国民である。わたしは時々、本音で語りあえる司法書士仲間がほしいと思うが、法律も語れない、登記業務の話題ぐらいしか話せないのが多くて困り果てている。
