本棚をゴソゴソやっていたら、司法書士受験生だった頃の「痕跡」があれこれ出てきました。学習内容などを記録したノート、合格した年の受験票などなど・・・・「死んでしまってもいいぐらいの覚悟で勉強してたなあ」といろいろな感情が蘇ってきました。
知識はすでに、受験期直前の「合格レベル」には遠く及ばない有り様と成り果てているので、内容面のことは書けませんが、1つエピソードを。
わたしが司法書士試験に合格したのは平成29年です。受験生は分かっていると思いますが、この試験を難しくしているのは、問題の処理量に比べて、試験時間が少ないということです。近年は特に、昭和や平成ひとケタ代の頃の問題と違い、択一でも、1肢1肢の文字量が比べものにならないくらい多い。バカ正直に全部を検討していたら、あっけなく時間切れになってしまう。ほんの些細な焦り、ミス、想定外の出来事で、心が折れてしまいそうになる、そんな試験です。
わたしは、おそらく合格する3年くらい前からいわゆる「合格レベル」にあったと思います。だから、択一での知識面・書式問題を解く能力などは3年ほど同じくらいだったと思います。不合格だった2年は非常に悔しい思いをし、絶望感も味わいました。
合格した年に意識していたのは、試験当日のメンタルの鍛錬です。受験生であれば自分のメンタルのクセは分かっていると思います。おそらく、多くの受験生が試験当日の問題と向きあっている時間に「今年はもう無理そうだから、来年に向けてまた頑張ろうか」という悪魔の囁きのような誘惑に負けてしまうことがあると思います。問題を解いていて手応えがない、予想外に難しく感じる、緊張して何が何だか分からない精神状態になる、等々、些細なきっかけで試験途中に諦めてしまう方、いると思います。わたしも経験あります。
ただです。ただ。こういうのは、合格者でも感じているということは分かっていただきたいです。わたしもそうでしたし、合格して同期の司法書士仲間に話を聞いても、たいていそうです。勉強を重ねれば、そういう事態に陥ることなく、無双の状態で、楽々と試験をクリアできるとお考えであれば、それは間違いなく「幻想」です。どんなに準備しても、想定外のことが起こるし、想定外のミスはするし、読み間違いなんてのもよくやります。
わたしの合格した年のエピソード。午前はがっちり勝負して、もちろん高得点を狙う。午後は択一60~70分で解いて、残りを不登法記述・商業記述にあてる。不登法は1時間近くかけてもいいから、表面・裏面もしっかり解く。商業は表面だけはしっかり得点して、裏面は残り時間を見て処理する。書式足切りだけは回避する。これが模試などの時から心がけていた、わたしの戦略でした。これでイケると踏んでいました。
ところが、午後の不登法記述を解いた際の感想は。「おそらく枠はこれでいいだろうけど・・・いつもみたいに確信がもてない・・・論点的には難しくない気がするけど、もしかしたら読み違えか勘違いかしていて・・・・・埋めるにはほとんど埋めたけど・・・・・・ヘタしたら枠ずれやらかして、ほとんど点が入らないかもしれない・・・・やばい!あと40分しかない」。
ただ、わたし、合格した年は「絶対に最後の最後まで諦めない」というのは決めていたので、残り40分時点で、「不登法はこのザマだから、商業を満点狙う!」と方針を変更しました。こんなこと模試でもやったことありません。でも、不登法がもし0点近い点数だった場合、そうでもしないと基準点をクリアできないと感じたからです。たしか、15分くらいで事例を読み取とり、問題用紙に簡単なメモやマーキングをしながら、下書き無しで解答を書き上げた記憶があります。表も裏もびっしり埋めました。
結果、商業が32点/35点中と高得点。不登法も枠ずれもなく普通に点数入ってて、たしかトータルで50~53点(/70
点中)だった記憶があります。不登法が枠ずれしてない割に、思いの外点数が低くて、妙な違和感を持ったことを覚えています。
択一も普通に出来て、無事合格。長い長い受験生時代がやっと終焉しました。
こういうことができたのは、年明けから直前期まで、ずっと試験本番の精神状態を想定して、自分なりに鍛えていたからだと考えています。鍛えると言っても、朝、勉強をはじめる前に、受験本番で効きそうな「言葉」を読んでいただけですが(笑)。自信はご自身の勉強量が担保してくれると思います。(ろくに勉強もしていない方は、恐怖と不安と絶望のまま試験日をお迎えください。)
受験直前に模試なんか受けると、各受験機関の講師の方々の応援メッセージなんかよく掲載されていますよね。あれを、紙に書いて、毎日読んでいました。時には自分なりにアレンジして。そうすると、自然と「覚悟」みたいものが湧いてきます。まだ5月なので、間に合うかもしれません。本棚をゴソゴソやっていたら、当時の「応援メッセージ」が出てきたので、載せておきます。司法書士受験生の方、良かったらどうぞ。受験機関の講師の方で、「それ、俺の言葉だ!勝手に使うな!」と憤慨された方がいたら、「そんなケチな了見のやつは受験機関の講師なんかやめてしまえ!」と言ってやりたいので、ご予約のうえ当事務所までお越しくださいませ。
・過信、慢心を捨て、一点集中。
・あきらめるわけにはいかない なげだすわけにはいかない にげだすわけにはいかない 合格への執念。
・自信をもって、確信をもって解答。強い気持ちで自分を信じる、自分の判断を信じる。
・今日までたどり着いた自分を信じてください。
・ポリシーを決めておけ!
・失敗しても、できる人は落ちない。
・目の前の一問に集中しろ。
・転んでもただじゃ起きない、その日その日が勉強だ!
・猛烈な勉強が不安を払拭してくれる。
・迷いを捨てて 自分にできることを完全消化する!
・最後の戦いだ!やってやろうぜ!!
・合格への執念。
・最後の一秒まで絶対にあきらめない。
※紙に書き写して、本番まで毎日読み込むことをおすすめします。試験当日、心が折れそうなときに、この中の言葉が支えてくれることと思います。頑張れ!司法書士試験受験生(^^)/