いつもありがとうございます!ついに人気記事ランキングにランクインしました。一重に皆様のおかげです。ブログタイトルとかけ離れて、完全に短編小説になりつつありますが、引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。※登場人物や場面設定はフィクションです。
「今日は午前中で終わり!午後は彼氏とデート」
「この間の合コン最悪。なんかさあ、お店選びが庄屋とかでありえなーい。もっと雰囲気いいとこ選んでほしいよね」
午前中の講義が終わったら、さっさと遊びに行く人、午後の講義に向けて学食やカフェテリアに向かう学生など様々。こんなシーンはどこの大学でも同じことだろう。
大学1年生の授業は一般教養、いわゆる「パンキョー」や、語学を中心とした「必修」が多く、たいていは午前中に集中している。一方で、こんな恋愛話や合コン話で盛り上がれるのは大学1年生というのもまたありがち、3年生以上は就職活動で忙しかったり、カップルでも長年連れ添った夫婦のごとく、既に新鮮さも薄れて、妙な収まりを見せるのもまた大学生の一面だった。
「ねえねえ、その後、木村君とどうなったの?」
仲良し組の鈴木さんとナカミ―は今日も一緒に学食でランチ。鈴木さんは最近、部活の男子に好きな子ができて、どうやってアプローチしようかお悩み相談中。本当は自分の話を聞いて欲しいけど、まずは話の切り出しは、
「どうもこうも、まだ何もないよ。かおりんこそどうなの?」
「私さ、この間のヨットの大会で、彼のお弁当だけ特別なおかず入れておいたんだけど、気づいてくれたかな?ほかの人にもお弁当は渡しつつ、彼の分ももちろん手渡ししたんだけどね。」
「えー、どーかなー。彼が他の人達と比べて、あれ?俺だけ違うみたいに気が付いてくれたらいいんだけど」
「だよねー。 はあーどうしよう。なんか思い切って、今度の大会後の納会で思い切って告白しようかな?」
「そうだよ!気持ち伝えなきゃ!」
「そういう、ノンはどうなのよ、木村君のこと」
「中野みわ」がなまって、ナカノン、略してノン。二人の間ではノンとかおりんだった。
「ノンのために、夏休み前にせっかく飲み会を私と池田君でセッティングして、わざわざ写真まで取って、手帳にまで入れて持ち歩いているのに、結局、夏休みは会えなかったんだし、早く次の行動に移さないとダメじゃん! 空手部は女子がほとんどいないから、部活では大丈夫だと思うけど、最近バイト始めたらしいから、バイト先で彼女つくっちゃうかもしれないよ。ていうか、写真にチューしている場合じゃないよ!」
「きゃーやめて!それはここだけの話にして!誰にも言わないで。それより本当にバイトはじめたの?やばいかも、何のバイトしているんだろ?」
「渋谷のお洒落なレストランみたいだよ。かわいい子が集まるってうちの学校では有名な〇〇ってお店、あそこほんと可愛い子多いしやばいって。」
「えー、どうしよう!でも、なんで木村君そんなところで、バイトしているんだろう?そんな風にみえないけど、ショック!」
「部活のチャラい先輩の紹介みたいよ。ほら木村君、上下関係はきっちりするから、その辺は義理堅く、先輩の顔を立てているみたい」
「でも、なんで、カオリンがそこまで知っているの?」
「私の情報網はすごいのよ!」
「あー、わかった、池田君に彼のこと含めて相談しているんでしょ」
鈴木さんのお目当てのヨット部の彼は、たまたま池田と同じ経済学部で、鈴木さんもまた、本命攻略のため、池田と同じく周辺情報をしっかり収集していたのであった。
「だったらさ、ノンもポケベルでも持ったらどう?体育会名簿を見れば自宅の電話はわかるけど、かける勇気ないでしょ?それなら、ポケベル買ったんだよとか言って、木村君もポケベル持ってよ!と軽くお願いしたらどう?」
このころ、ちょうどポケベルが流行り始め、まだ番号しか通知されない時代ではあったが、一部のかしこい学生は、番号を50音に治してメッセージ(というルール)にするのが当代の流行りで、学内に設置してある公衆電話ボックスには、授業の合間に少しづつ行列ができることになっていた。
「そっか、お金かかりそうだけど、もしも付き合うことになったら、いつでもメッセージしたいしね。おはよう!とか」
「そうそう、恋愛も投資が必要よ。だから私は、ほら!買っちゃった!」
「あー、なによー、もうしっかり買っているんじゃん!」
「でもさー、同じ部内なんだから、顔はいつでも見られるから、投資する必要はないかもしれないんだけどね」
「会えるんだからいいじゃん。私なんか、全然会えなくて、写真見ているだけだよ!」
「だよねー。なかなかお互いうまくいかないよね」
お昼時の女子学生の会話は、お互いの近況報告やら、お悩み相談の毎日であった。
