久しぶりのブログアップです。言いたい放題書きたいので、ネタがありすぎて迷ってたのですが、恋愛小説(風)は反響が良いようなので、少し皆さんのご期待に応えて、ドキドキワクワクの時間を共有できたらと思います。

 

また、読者登録ありがとうございました!引き続き、頑張って、執筆していきたいと思います。コメントもドシドシ御寄せください。

それでは、本日の記事です。

※登場人物は、架空の人物のフィクションです。

 

「キムタク、ヨット部の女の子二人組がいるから一緒に飲もうぜ!」

半分酔っ払った部活の同期の池田は、何やらニヤニヤしながら、かわいい女の子達をつかまえたらしく、僕のところに酔ってきた。

 

今、僕達は大学の体育会の新1年生の懇親会の立食パーティー会場にいた。

六大学のW大やK大のように、あらゆるスポーツ界でプロやオリンピック選手を輩出する名門大学と違い、私がいた中堅校の体育会はかわいいもので、大学から初心者でもOKみたいな部活もあり、中には高校で国体出場やその種目では名の通った強豪校出身の選手もいないわけではないが、総じて穏やか体育会だった。そんなほのぼのした体育会の1年生を集めて、体育会全体で盛り上げようと、上部組織の体連(体育連合会)主催で、このような行事が組まれていたのであった。

 

私の名前は木村拓也。文字はあのキムタクとは一字違い、プロ野球選手のキムタクと同姓同名。小学校のころから、いわゆる短縮形のあだなで「キムタク」「タクヤ」「タクちゃん」と呼ばれることが多かったものである。

その名残りというよりも、世間でSMAPが流行り始めたため、私の部活でのあだ名は既にキムタクになっていた。

 

さて、友人の池田は、簡単に言えば、ナンパしてきたわけだが、とりあえずみんなで乾杯して、お互いの情報交換をはじめた。

ヨット部のマネージャーの女の子二人は、都内の有名私立女子高出身で中学校からのお友達だったとそうで、どうりで仲が良いわけだ。

 

一人は鈴木かおりさん、もう一人は中野みわさん。この二人の絶妙なコンビ感は、僕と池田も部内では相当いいコンビだと先輩に揶揄されたものだが、それ以上の年季が入っている、仲良しさんだった。

 

僕は池田が連れてきたこの二人組を見た瞬間に、

 

「池田よ、Good Job!!! 」

 

と叫ばずにはいられなかった。

 

そもそも、大学の入学式と言えば、受験勉強からの開放感、高校時代の制服、校則からの開放感、当時はまだ規制が緩くて、大人遊びとして飲酒や喫煙、そして私のような男子校出身者には、大学こそ女性との出会いと恋愛の場。

 

普通なら、そんなバラ色の大学生活を夢見ながら、桜並木の下で綺麗なお姉さんや垢ぬけたお兄さんたちのサークル勧誘の波にもみくちゃにされながら、「これが大学生活だ!」との洗礼を受けつつ、入学式会場に向かい、ドキドキワクワクするのが普通だろう。

 

そんな希望は当時の僕にはなかった。。。

 

そう、予備校時代に片思いをしていた水口さんにはフラれてからまだ2週間しかたっておらず、もう、理想の女性とは出会いないだろうなあという絶望感に支配されながら、大学の正門をくぐったことだけを覚えている。

 
大学の正門をくぐる際、入り口付近にはテニスサークルのお揃いのスタジャンを来た華やかなおねーさん達がひしめいていた。男子校の空手部出身の僕にしてみると、女性がいること自体が緊張感Max、加えて綺麗にお化粧したお姉さまがたはもう半端なくお洒落で美しい。
当時流行りの女子高生ルーズソックスなどガキくさくて、
 
「ぜったいに女子大生の方がいい!」
 
なんて、アホなことを考えながら、それこそ、大学を謳歌するべく、テニスサークルにでも入りたいと思ったくらいだ。
 
ただ、心の底はまだまだどんより。水口さん以上の女性がいなければ、、、、なんて思いと、一方で
 
「華やかなお姉さんとお話しできれば何かが変わるかも!」
 
なんて期待感をもって、誰か声をかけてくれないか、恐る恐る正門をくぐった記憶がある。
 
ところが、全身から殺気が漲っているのだろうか、心無しかお姉さんたちから避けられている気がした。。。。自分的には結構、明るい色のスーツで、武道=男みたいな古い昭和の価値観を捨てたつもりで入学式に臨んだはずが、子供のころから身に着けた雰囲気はそう簡単に拭い去ることはできず、やはり類は友を呼んでくるようだった。
 
「君、いい目つきしているね。その目は応援団にふさわしい。少し話を聞いてくれないか?」
 
最初に声をかけられたのが、あろうことか長ランを着た応援団の方だった(汗)
 
「すみません。私は入学式に出席しないといけないので、ここ失礼させて下さい」
「ますます、気に入った!最近の若い奴らは、敬語の使い方も知らない奴が多い。そこにくると、君は素晴らしい!何か運動やっていたのか?」
「はい、空手を小学校のころから高校までやってました。」
「そうか、だから君は俺と同じ匂いがするんだな。空手部と応援団は一心同体。君なら幹部になれる。ぜひ応援団に入ってくれ!」
「あの、、、、入学式があるので、ここで失礼致します。。。。。」
 
大学の正門から、ずっと歩き続けて、体育館前まで10分近く付きまとわれた。空手をやっているなんて言わなければいいのに、つい正直者と、少しは空手をやっていた自負心から、つい本当のことを言ってしまったのだが、なんとか応援団のお誘いを丁重に断るのが精いっぱい。
 
華やかさにかけ、男らしい人に付きまとわれた失恋中の入学式、それが僕の大学生活の第一歩だった。
 
「木村君と池田君は何部なの?」
「俺たちは空手部、俺は小学校以来だから、少し忘れているんだけど、こいつキムタクって言うんだけど、こいつはずっと続けているから、結構うまいんだぜ」
 
おべんちゃらを言っては盛り上げてくれる池田氏。まあそれでも失恋中で、かつまだ共学の華やかな雰囲気慣れない僕にしてみると、都立高校出身の池田は、女性にも慣れていてペラペラと女性との間を取り持ってくれるのは非常に心強い味方であった。
 

このヨット部コンビ。鈴木さん底抜けに明るい。お酒のせいもあるだろうが、良くしゃべり、よく笑う。

でも、僕はもう一人の中野さんが気になっていた。

 
中野さんは小柄で、そうだなあ身長150cmくらいかな?ちょうど水口さんと同じくらいの背丈だった。僕はどうやら小柄な人が好きなようだ。
抱きしめて守っていたくなる感じが好きなんだろう。そして、小柄ながらも目がぱっちり大きく、そして透き通るような色白な肌もまた気持ちを駆り立てられた。そして何より笑顔が素敵だ!
 
(気になる)
 
その時は、ほとんど池田と鈴木さんが話を盛り上げたので、僕と中野さんは愛想笑いや、適当につっこみ、ボケ担当で終わった。
ただ、その時僕は、大学入学してからもよどんでいた心の霧が、急速に晴れていき、いつしか中野さんのことが気になるようになっていた。
 
当時は、まだ携帯だのスマホだの普及する前の時代。連絡を取る手段は、自宅の電話番号を聞くかポケベルの番号を聞く時代。
気になっていたなら、連絡先を聞けばよかったのに、学内にいれば、どこかで会う可能性があるという希望的観測もあり、その日の飲み会は、お決まりの
 
「また、今度飲みに行こう!」
 
と言う程度で会は散会した。
 
しかし、思えば、彼女たちは男子も沢山在籍するヨット部のマネージャー。僕達はとっても男らしい空手部。
 
こういう懇親会すら出会いの場の一つと考えた時、自分の部活でも気になる子がいれば、部内でまとまって酒を酌み交わす気もするが、わざわざ僕達のところに来てくれたというのは、彼女たちはとりあえず部活内では、恋愛対象の人たちはいない?(って入学三か月もすれば、とりあえずのファーストコンタクトはあってよさそうなもんだろう。。。)と考えてしまい、これは少しチャンスあるのかなと思った次第だった。
 
僕の大学生活は、曇りのち晴れの天気予報で幕開けとなった。