仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブルfeat.スカルMOVIE大戦CORE(2)
俺は、俺の罪を数えたぜ
もう戻れない者同士の、戦いが始まる。風車が姿を遮るたびに生身と変身体が切り替わる描写が巧み。
スカルの特殊能力は胸の肋骨モールドから髑髏状のエネルギー体を生み出すこと。マキシマムスロットを使ったマキシマムドライブは、その髑髏を蹴り出してぶつけるというものだった。
メモリブレイクはしたものの、スカルのプロトタイプたる所以か、マツは安らかに永眠してしまった……
むしろ、マツがメモリに呑まれ過ぎて本当に怪物から戻れなくなっていたのかもしれない。
そして、ロストドライバーとシュラウド精錬メモリを使ったとはいえ、壮吉も人間を捨てることでしか戦うことが出来なかった。
そんな悲しい戦いの記憶を目の当たりにした亜樹子が目覚めた場所は、まさにスカルVSスパイダーの決戦地。
プテラヤミーがかざしたメモリーメモリにその記憶が吸収されて……?
・仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望
今回の時系列
結論から言えば、TV本編に入れる余地は多分ありません。
・オーズが使えるメダルはタカ一枚と、ガタキリバ・ラトラーター・サゴーゾ各一組。ラストカットのメダル情報を信用するなら、メズールの水棲メダルも一揃い入手している様子。
ただしパンフに載っていたメダルブッカー(仮)を見るに、水棲メダルはまだ持っていないとも見られるので判断が難しいところ。
・グリード勢が全員「上半身か下半身のどちらかが不完全」という、第一話での復活状態で四人とも一ヶ所でのんびりしている。
第15話の経緯からこの状態に持っていくのはいくらなんでも無理じゃなかろうか……
・ノブナガの成りあがり速度
井上俊樹脚本ならではジェットコースター展開とも言えますが、30分の尺でゼロから成りあがっていく青年の姿を描写する都合で、劇中での時間経過を厳密に考えたら一週間やそこらで収まるとも思えないわけで。
この辺りを考えると、劇場版オーズはTVシリーズとは独立したパラレルワールドのお話と考えるのが良さそうですね。
AtoZでWのサポートをしたオーズはTVシリーズ時間軸ではまだ誕生していないわけだし。
……っていうかそもそもW最終回で消滅したフィリップが戻ってくるまでに1年が経過しているんだから、この話も2011年12月のお話ということに。オーズ終わってるよ!
とりあえず「TV本編のオーズ」と「劇場版(風都時空)のオーズ」は分けて考えていくと今度は面白い発見もあったり。
火野映司
ノブナガに「無欲でつまらない男」とか言われるに至る映司ですけど、本編ではそんなに無欲ってわけではなく、カンドロイドやライドベンダーなんかには興味を示してたりするんですよね。執着心と向上心は薄そうだけど。
そんな映司が今回はバイトをしているというのが一つのポイント。
ブラジルに行ったっきり戻らない知世子さんの旅費を稼ぐため、と後でその理由が描かれているわけですが、そのお金を知り合いのホームレスに配っちゃうのはどうなんだ(笑)
でもこの人脈のおかげで宴会も開けたりしているんで、持たないがゆえのフットワークの軽さも強調されている感じですね。あれで人徳はあるらしい。
アルバイトも運送・清掃・新聞配達とやっぱり軽快。井上先生の描くアルバイトと言ったら建築現場と相場が決まっていたんですけど、そっちが出なかったのが意外と言えば意外(笑)
そしてアンクが自分のコアメダルを探して東奔西走別行動中のため、映司単独で変身出来るようになっています。
オーズマークのファイルを開くとコアメダルとセルメダルが収められたケースが出てくるという、新装備メダルブッカー(仮)まで持っててちょっと吹く。
このおかげで、本編では常にアンクから「コアメダルいくですー!(違)」というやり取りを挟まないと出来なかったメダルチェンジを容易に行え、バトルの流れを途切れさせずにスムーズな切り替えが可能になっています。
アンクの存在感とのトレードオフではあるものの、オーズ本編のメダルチェンジに見られるもたつきが無くなったのは結構美味しいところ。
同時に15話でもメダル争奪戦で形態が切り替わっているので、もしかすると本編フィードバックがあるかも(どうにも腕アンクは脚本の都合かコアメダルをぽろっぽろ落とし過ぎるし)。
AtoZでアンクなしにメダルチェンジしていたのも、このブッカー(仮)があったからかな。
このブッカー(仮)、先述のとおりパンフレットにも載ってるんですが、3×4×見開き2ページで24枚、8コンボまで作れるようになっています。
片方のページはセルメダル3枚しか入ってないですが。
あとメダルを取り出しやすいように指を引っ掛ける隙間とかあって、よく出来てます。そのうち商品化しそうですね。
ノブナガ
歴史上もっとも強欲な人物として鴻上会長が目を付けた男、織田信長。そのミイラを元に、鴻上生体研究所がセルメダルを注ぎ込んで作り上げたホムンクルス。
鎧武者怪人の戦闘態を持ち、本能的に自分を殺した一族への復讐を企てる一方で、普段の彼は記憶喪失の青年。映司に遭って彼に世話されつつ図書館にこもって現代の知識を身につけ、イノセントな青年から野心家へと成長を遂げ、何気に鴻上コーポレーションも乗っ取ろうとしていたというのが凄い。下手したら一番鴻上サイドを脅かしていたかもしれない(笑)
このあくなき欲望こそが人間の生きるモチベーション、と体現する生き方が、特に何も欲しがらずふらふらしているようにも見える映司との対照形になってますね。
復讐の時は断片的な知識から最初は豊臣・徳川の子孫を殺していたわけですが、やがて明智光秀に行き着いて……
ちなみに彼がのっとってノブナガコーポレーションにしてしまったコンピュータ会社フューチャーソフトの幹部を演じているのは小川輝晃氏。ニンジャレッドで黒騎士ヒュウガで、ゴセイジャーにもゲスト出演してます。道理で見覚えあるわけだ。
明智よしの
今回のゲストキャラのもう一人。踊りに誇りを持っているのはいいけど、だとしたらそのオーディション会場にいるのは場違いなんじゃなかろうか(笑)
まあそれはともかく、明智光秀の末裔なわけです。そしてノブナガ≒織田信長はそこに美しく舞う女の幻を見る。
――そう、濃姫です。劇中では明言してませんでしたけど、明智家の末裔ってことは光秀とイトコ説のある濃姫(実は光秀の前半生は不明な部分が多く確定ではないんですが)の面影も宿しているということ。
倒すべき仇であり、手に入れるべき美しい物であり。
……ノブナガが皆の前で変身してしまうシーンまでには、もうちょい何か描写があったのを尺の都合でカットされてしまったのかも知れない。
濃姫のことも説明は入れてほしかったとは思いますが、まあ最近の歴史ブームを考えれば通じるところでしょう。日本史苦手な壱伏にだってわかったんだし(笑)
プテラヤミー(雌)
今回はっきりとは登場しませんでしたが、新たなグリード・ギルとそのヤミー作りの一端が垣間見えます。ギルの名前の由来は、盗むって意味の「ギる」でしょうね。
そのうち「パクル」とか出てくるかも知れない。
ヤミーの作り方は、「欲望の対象となった“物体”にセルメダルを投入」というもの。今回は、脚を怪我してもなお「踊りたい」と願ったよしののトゥシューズからプテラヤミーが誕生したという形。
強力なヤミーを生み出すことでウヴァたちも「ギルの仕業か」と悟っています。本編にはいつごろ出るかな……まさか劇場版限定グリードとかいって、今度の夏の映画までお預けじゃなかろうな(笑)
プテラヤミーを生み出したという意味ではMOVIE大戦の黒幕と言うべきギル。もしかしたら、プテラ雄もメモリーメモリにセルメダルを投入して作ったのかも?
今回の変身!
緊迫した場面での「タ・ト・バ!タトバ!タットッバッ♪」がすっげぇ邪魔(笑)
メダルチェンジのスムーズさは解決できても、こっちはもう慣れるしかないか。
鎧武者怪人との初戦ではタトバで苦戦してタカゴリバにチェンジ。サゴーゾに比べると「腕だけごつくなった!」というシルエットなので、パワフルさが強調されてます。
ノブナガ戦ではタカトラーター。しかしこちらのスピードは鎧怪人に見切られることに。
そこにプテラヤミーが乱入してガタキリバにシフト。しかし、空を飛ぶプテラヤミーに対してとる方法が多段重ね肩車ってどういうことだ(笑)
サゴーゾコンボの重力操作はどこ行った! ってまあ、そっちは〆の戦いで大活躍するんですが。
決意
自我を取り戻したノブナガは、自分にとって美しいと定めた物を守ろうとする。それは、自分が襲い傷つけてしまったよしのの足を治すこと。体がセルメダルで出来ているので、ノブナガそのものが一つのエネルギー源とも言えます。
そもそもセルメダル1枚で白ヤミーが出来るしライドベンダーは動くしカンドロイドも複数稼働させられるんだから、どんなエネルギーかはともかく結構な量のエネルギーは含有しているわけで。
しかし、そこに現れた真木が人工コアメダルをノブナガに埋め込み、鎧武者怪人完全体にしてしまうのだった……
結局のところ鴻上サイドの思惑というのは、人工コアメダルの拠り代であるセルメダルホムンクルスを作る、という物だったのか。
そのホムンクルスが暴走せず、怪人としてもバースとしても安定して動けるようであれば、本編で言うところの「メダルを全て集める器」として選ばれたのかも知れない。
バース
話は前後しますが、社長就任して鴻上会長とオークション勝負をしたノブナガに対して、鴻上会長がプレゼントしたものが、バースドライバー。本編に先駆けての変身です。
プテラヤミー(雄)との戦いに投入され、「天下を取るためには民の支持も必要」と事前にマスコミ呼んだり、車に足を挟まれた女性を助けたりして……なんかこの映画、足挟まれる描写が多いな(笑)
クレーンアームを使ったり、セルメダル装填ギミックを見せたり。でも真価を見せるのはMOVIE大戦パートに登場した後藤バースですね。
後藤くんよりも先にバースになったというわけじゃなくて、実は二号機か何かだったんじゃなかろうか。
鎧怪人完全体VSオーズ
元々が死者であるノブナガの魂を救うため。アンクに背中を押される形で、オーズはサゴーゾコンボに。
ゴリラアームが異様に鎧怪人に対して相性がいいというか何と言うか。踊るよしののイメージをバックに繰り広げられる悲しい戦いは、ドレイクVSウカワームを思い出す演出でしたね。
しかしまあなんというか……サゴーゾインパクトの「ホールド・引きずり・粉砕」という極悪っぷりが何となく残虐コンボに見えなくもない。タトバキック使おうよ!
空は、青い
欲が無くても生きていける。欲というか自分で勝手に決めた「自分らしさ」に振り回されないのが映司の生き方。
欲の必要性を否定はしないけど、ちょっと視点を変えれば難しいことではない。自分が変われば世界が変わる、というのは平成ライダーでちょくちょく出てくるテーマのような気がする。
本当のノブナガは、ただ美しいものを見つめていたかっただけなのかも知れない……
踊るよしのの幻影を前にノブナガが最期を迎えるシーンは、理屈とか飛び越えて美しかったと思う。
そして
何でか三枚の人工(?)コアメダルが風都へ飛び去り、MOVIE大戦へ! →3ページ目へ