名探偵コナン劇場版「天空の難破船(ロストシップ)」 | といず・くろすおーばー!

名探偵コナン劇場版「天空の難破船(ロストシップ)」

 見てきたので、ネタバレありのレビューです。

 バレを見ても構わない!という人は以下反転で!



今回の事件

 大がかりな事件の割に隠されていた真相が地味、というのはありますね。陽動にしてもリスクが大きすぎる……

 飛行船バイオテロに見せかけて騒動を起こし、人々を避難させてもぬけの殻になった寺から国宝級の仏像を盗み出す、というのが犯人たちの目的だったわけですが(犯人サイドも全員、自分たちの持ってる殺人バクテリアがブラフだと知っていた)、そのためにバイオハザードの起こる危険性のある施設に押し入って強奪・爆破行為に及ぶって辺りがやり過ぎ感漂ってます。

 実際に盗み出した病原菌を秘匿、なんてことになっていたらさらにややこしいことになっているかも。


今回の本題

 事件解決に向けての、(肉体的には)小学一年生なコナンがまたもやダイ・ハード的な立ち回りを演じ、テログループも大人気なくコナン目掛けて小銃を連射したりするわけですが……

 むしろ今回の主眼というか一番目を引くのは、怪盗キッドの大活躍。

 何というか、全編通して美味しすぎます怪盗キッド

 キッドとコナンが本格的に手を組む、という構図こそが最大の見せ場と言っても過言ではないです。二人並んで悪だくみしてる絵は色々とワクワクさせられますね。


キッド無双(違)

 園子が目印をつけちゃった絆創膏に気付かなかったせいで蘭に変装を見抜かれる、という普段らしからぬポカを発端として、自分が素で工藤新一に似ていることを利用した嘘八百! 

「実は俺が怪盗キッドだったんだよ!」ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー

 行方をくらましていた期間は怪盗キッドとして仕方なく活動するためだった、と無理矢理辻褄を合わせて、かつ立ち聞きしていたコナン(=新一)の思い出話を絡めて「新一しか知らないことを知っている=本物」と蘭に印象付ける強かさ。

 そう言えばこの人、いつの間にか江戸川コナン=工藤新一ってことに気付いてて、コナンもそれを前提に動いてるんだよなぁ。

 コナン出演当初は謎めいたキザなライバルとして出てきたキッドですが、最近だとコミカルな独白も増えて来て「まじっく快斗」にどんどん近付いてる感があります。


 でもまあ、何より劇場で吹き出しかけたのが「佐久島でヤギと戯れる怪盗キッド(もちろんあの定番スタイルで)」なんですが。

 今回は「コナンとキッドの共闘」を見せる方針なので、キッドがキッドの姿のままだったりコミカルな振る舞いを見せたりが多いです。

 しかしこいつ、チートだよなぁ……


 最終的には新一よりもスケベ(というか新一よりもカッコつけきれないというか紳士ぶれないというか)なおかげで、キッド≠新一、とバレるわけですが。

 エンディング前の引き、という意味ではシリーズ最強でしたね。


「キッド=新一?」と揺れる蘭のリアクションをみてニヤニヤするのも楽しみ方の一つ。しかし、キッドと蘭の間に何があったのかをコナンは知らされないという辺りはラブコメ作品としてはちょっとかゆい所に手が届かなかったかもしれない。

 まあ、ラストシーンの画の綺麗さを思えば妥当なトレードオフでしょうか。



その他の人々

 別働隊的に活躍する平次・和葉と、それに同行する川口聡少年。川口聡を演じたのは今回の芸能人ゲストの一人、大橋のぞみ氏。

 本職の声優ではないため多少棒というかぎこちなさはあったが、小学館アフレコ体験者に比べると十二分に自然。場馴れを感じさせてくれました。

 もう一人の芸能人ゲスト、優木まおみ氏は飛行船ウェイトレス役。なかなか悪くないキャラデザだけど、こっちもまあ……予備知識がなくても「ああ、ゲストか」と分かる感じでした。


 今回、警察の見せ場は(多分今回初登場?奈良県警・鹿角警部を除き)そんなになく、大阪の服部本部長・遠山刑事部長コンビに至っては府警本部で話し合うシーンが二度出てきただけで事件にほぼ絡むことがなかったわけですが、まあこれも「警察では手出しできないロケーション」という状況を考えれば妥当なところでしょう。

 まあ、飛行船を追跡しているのが佐藤・高木コンビ、って言うのは他に人いないのか!と思ってしまうところですが(笑)

 目暮警部か白鳥さんがいてもよかったように思えなくはないですが。工藤新一についてある程度知りつつ、親しさは中くらいで一瞬で見抜いたりしない、というバランスを考えればこんなものかも。


 灰原も微笑ましい感じです。蘭関係でコナンが不安になったり焦ったりすると得意げな顔に、蘭との思い出を語るコナンにはあきれ顔になって乙女チックなフレーズを(冗談として)言ってみるなど、明確に新一への好意を向けてますなぁ。

 その分、今回はハード&シニカル路線は鳴りを潜めてますね。

 博士やおっちゃんは、まあ普段通りというか。おっちゃんの一本背負いは何だかんだで頼りになります。

 でもって、博士自身は特に何もしていないんですが、ボール射出ベルトが凄い。

 あのボール、かなり膨らんだ状態でも飛行船の進行を妨害出来る強度があるという……!



大雑把な総論

 推理はどっちかと言うと味付けで、基本はラブコメ&アクション路線なコナン映画ですが、特に今回は偽新一(キッド)・蘭・真新一(コナン)の三角関係(灰原を入れると四角)と、テログループ相手の立ち回りを楽しむ方向に分かりやすく特化しているため、近年で一番面白かった、という印象です。

 あと毎年のことですが、終わった後で「第15弾制作決定!」の告知が早々に出てくるお約束は、劇場が微妙な笑いに包まれて妙な一体感を覚えますね(笑)