GEE-Q・EIJI的黒電影熱病思考方 -7ページ目

GEE-Q・EIJI的黒電影熱病思考方

毎日が何でもあり!40代“永遠のB-BOY”GEE-Q EIJIのHIPHOP LIFE!
メジャーからアングラまで、独断と偏見で“黒文化的電影=ブラックムービー=黒人映画”を斬り捲くる!
まさに“なんでもあり”のバーリトゥード・レビューなのだ~!!

スポーツを題材にした映画って多いですよね。ココでも前に言った事があるんだけど、特にブラックムービーに関しては『バスケットボール』関係の作品が多かったり。それと同じくらい頻繁にテーマとなるスポーツがもう一つ…そう!『ボクシング』でしょ。スポーツの中でも特にハードでストイックな部分が要求される過酷な競技である上に、貧困層やアウトローが這い上がるチャンスとして選択される事も多い…実際にアフロアメリカン系の世界チャンプは、その殆どがそういった境遇からのスタートだった事も頷けます。

今夜紹介する作品HELL'S KITCHEN(邦題 ザ・ゴング チャンピオンへの道)』も邦題通り主人公の1人がボクサーなんだけど、よくあるハードなトレーニング風景を盛り込んだり、ラストは大きな試合で最高の見せ場を!的な“お約束ボクシング映画”とは全く違う内容なんですよ。だから個人的には原題であるHELL'S KITCHENの方が内容的にずっとシックリくるし、何故この映画で“ボクシング”を中心とした解釈で邦題を付けられたのか不思議になるくらいだったのが見た直後の感想でした。ま、それも“商業的”にしょうがないのかなと(笑)

それにこの映画に出演している“ある女優”を見て、「うわ~この女優、艶っぽい唇だな~」などと当時イヤらしい感想を抱いたボキ(笑)、何年か後にその女優さんが“トレジャーハンター”としてスクリーンを躍動的に、そして魅力的に動き回り、世界中の人気者になるなんて思っても見ませんでした…そう、若かりし日のAngelina Jolieが出演してるんですよね~。しかもかなりの“体当たり演技”を見せてくれています。

ゲットーで強盗を働いた際に、誤って仲間であるヘイデンを射殺してしまったロウ(Johnny Whitworth)。彼は、自分の彼女であるグロリア(Angelina Jolie)の母親であるクラブ歌手リズ(Rosanna Arquett)ともドラッグを通じて関係を持っていた。愛する彼と母親がドラッグや酒にドップリ漬かっていく状況を目の当たりにする最悪の環境の中で、グロリアは日々悩み苦しんでいた。ロウと共に強盗を働き、出所後ボクサーとして努力していたジョニーWilliam Forsythe)は、着々と勝利を重ねていたが、ある試合でトレーナーがプロモーターに“八百長”を命じられる。又、グロリアは、ロウにある重大な隠し事があった事を告白される…。

マイナーな映画ながら出演者全てが迫真の演技を見せる中、特にRosanna Arquetteはジャンキーの母親役を鬼気迫る“キレっぷり”で見事に演じきってたのが印象的だった。個性的というかかなり際立った役が多い彼女、改めて“ヨゴレ役がこれほどハマる女優は他にいない”と感心しましたよホントに。

冒頭でも述べた様に、この映画を「スポーツ映画」もしくは「ボクシング映画」とカテゴライズするのはどうかなと思います。主になるのはゲットーでの厳しい現実であり、悲しすぎる人生であり…そこでどう生きていく事で見えてくる光明の様なものを、出演者全員の演技や、派手さは無いが巧妙なストーリー展開で妙にズシンとしたものを感る事が出来る“ヒューマンドラマ”だとボキは解釈してます。

以前ココで紹介した『ジャングルフィーバーで描かれた“異人種間での恋愛”は、様々な偏見やトラブルが当事者を苦しめ、結局は実る事がなかった悲しい結末でしたが、この作品でもそういった異人種間での恋愛模様が描かれています。ただし、ジャングルフィーバーの様な“問題”は存在せず、それこそ本当に自分を大切にしてくれる人は?自分を愛してくれる人は?といった答えが、2人をそうさせたのだという内容になってると思うんですね。『ジャングルフィーバー』の様に『プロセスがあっての“結末”』というよりは、『なるべくしてなった“結果”』の様なラストには、それまで重々しかったハードなゲットーの現状を目の当たりにする事で束縛されていた感情から、少し解放されたような気分になりましたね。

レンタルビデオ店に行っても“アンジェリーナジョリー”のコーナーには恐らく置いてないと思いますが…(笑)