日本チームの「なぜ」 | 石川謙太郎 ブログ

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I'm a challenger. Prologue to the dream.

皆さんおはようございます。

最近のリレハンメルは暖かく、雨の降った後に冷えて道のすべてが氷のリンクになっています。

スキーに乗るところまで400mほど急な登り下りを行き帰りと歩かなくてはいけないのですが、何回転んだことやら...

コースもカッチカチの日もあればザクザクで埋まるような雪だったり。

練習するにはなかなか悪いコンディションです...

そんな中今日は週末のスプリントスケーティングのレースに向けてインターバル。


なかなか体の調子はいいと思います。

明日からは今週末の大会会場であるMeråkerで合宿です。



さて今日のブログの題名は日本チームの「なぜ」

ちょうど明日開催のワールドカップのスプリントレースに日本代表の宮沢大志選手(JR東日本)が出場できないかもしれないということでふと思ったことがありました。

ノルウェーのチームに所属し、ノルウェーでトレーニングをしてからもう半年が過ぎました。

その中で当然ノルウェーの考え方や技術、トレーニングなど様々なことを聞いたり教わりました。

「スキーにおいてのノルウェーと日本の違い」をノルウェー人と話すときに必ず言われる言葉があります。

「Why??」

そして僕は必ずこう言います。

「Nobody knows.」


当然様々な事情があるので僕が勝手に何かを言えるわけではないからということもあるのですが、

①ワールドカップに枠があるのに出場しない

②個人で権利を持っている人間がいてもワールドカップには出れない場合がほとんど

③スプリント日本代表チームがない

④スプリントが世界大会の選考レースや基準に入ることがほとんどない


まだありますがいつも僕が日本はこうだよと言って「なぜ?」と聞かれることです。


ノルウェーでも経験値については重要と言われています。
だからこそワールドカップにはフルの枠で選手が出場し、上位の順位を取ることで国の枠を増やし、下の人間が出場、経験値を積むことでまた新たに強い選手が生まれてくる。
日本で1位の人間がワールドカップやオリンピックに出てこない場合があることについてもなぜと聞かれますが分からないので答えることが出来ません。


ノルウェーでも当然ワールドカップに個人の権利で出場している人はいます。
皆自腹ですべてを払い出場していきますが、日本ではその個人の権利が有効になるケースはほとんどありません。
今回のワールドカップ遠征には個人の権利を有する選手が出場できるそうですが、今までに何人の選手がその権利が無駄になったかわは分かりません。
自腹でもワールドカップに出場できない理由についてなぜと聞かれますが当然答えることが出来ません。

③・④
これはノルウェーに限ったことではないですが、スキー強豪国のほとんどには「オールラウンドチーム」と「スプリントチーム」が存在します。
僕はスプリントが得意なな選手と周りの人は知っているので、スプリントの日本代表チームにいるのか?とよく聞かれます。
僕は今それほどの力がないのでスプリントチームに所属しているかしていないかは別として、そもそもスプリントチームが存在しないことになぜ?と聞かれます。
僕のチームメイトで今シーズンワールドカップで初めて3位の表彰台に乗ったアンドリューがいますが、彼はスプリンターで、スプリント競技に特化した練習を重ねてきました。
スプリントで活躍するためにトレーニングを重ねることは不可能なのか??とよく聞かれます。

海外では何か一つ自分の得意なものをどんどん伸ばしていくという考え方からそうなっているのかもしれません。

ですが、苦手なものをなくしてなんでも全て強くなる(成績を出す)。

という日本の考え方が通用するほど甘い世界ではないと感じます。

「そんなことしていたらお前はそのまま引退してしまうぞ。」
そんな風にノルウェー人からは言われます。
どうするべきか、全ては自分次第ですね。



とても長くなってしまいました。

ですが、上に述べてきたことがノルウェー人から見た日本チームの「なぜ?」です。
全て書くと大変な量になってしまうので一部ですが...

現状、日本にいる以上は誰もが認める実力と成績を出していくことが世界大会へ出場することの絶対条件になります。

僕は今全くそんな力はないので、誰もが認める実力と成績を出していくためにこれからもノルウェーという地で挑戦し続けます。

今回周りのノルウェー人から前回のDrammenのワールドカップに引き続き今回のStockholmのワールドカップに日本人が出場しないことを聞かれ、今まで言われてきたことをまた思い出したので書きました。

賛成も反対の意見もあると思いますが、1人ひとり考え方は違います。

考え方が違うからこそ、その人に魅力を感じたり批判が生まれると思います。

僕は個性を大事にしていきたいと考えているので、上に述べたことはあくまでも僕の感じたことです。


皆さんはどう感じますでしょうか??


それではみなさん

Ha det bra!!