実業高校にて、勤務をしていた時のおはなし
勉強嫌いが勢揃いしてて、そんな中で
次の古典なにをやるかという話になった。
教科書を見ると徒然草が、何話か出ているが
その中でも面白いのがひとつあった。
タイトルは
『筑紫に、なにがしの押領使など』である。
筑紫とは九州・押領使とは今で言う
「ミリタリーポリス」といったところか。要するに
悪党を取り締まる執行官だと思えばいい。
この押領使がいつも、習慣にしていたことは
大根を毎日二つずつ焼いて食べることだった。
押領使は「大根は万病に効く薬」だと
信じて食べていたのである。
ただ、大根二本はあまりにも多すぎるから
「ふた切れ」か、京野菜の小さなカブなどを
大根と呼んでいたかもしれない。
そして月日は流れる。
悪人に恨みを買うような職業だったから
あるとき、悪党どもが大挙して押しかけた。
屋敷には押領使一人しかいない。
このままではどうなる?…「殺される!」
いい喰いつきだ。その時だ。
屋敷の奥から、鎧武者が二人突然現れて
命を惜しむそぶりも見せず勇猛果敢に
悪党どもと戦って、すべて追い払ってしまった。
戦いが終わり、二人の鎧武者に
押領使がたずねるのだ、「あなたがたは
何者ですか?私のために戦って
命を助けて下さって……。と
鎧武者たちはこう答えるのだ。
「私たちはあなたが毎日信心して食べてくださっていた
『大根の精』でございます」と言うと煙のごとく
消えてしまった。
信じる者は救われる…そんな感じの話だ。
教科書の挿絵にも、大根葉のかぶとを付けた
鎧武者が描かれており生徒には大ウケする
ありがたい作品だった。
さて、定期テスト。オレは話の内容は
大根の恩返しだけど、出典は『徒然草』だからな!
そう何度も言ってテストになった。
クラスで一番、やかましかったツグミ…
「出典・大根の兵」
よくしゃべりお化粧パタパタする、みぃちゃん…
「出典・大根の恩返し」
おまえらねぇ…珍しく授業聞いてたと
思ったらコレだからなぁ……。
大笑いしたよ。あの頃はまだ…
ガムシャラだったからなぁ……♪
