鷺沢萌のエッセイ集「町へ出よ、キスをしよう」の中で…
ウナギで涙、というタイトルのエッセイがある。
サギサワさんは、いつもノート(名前はいんちき帳)を持ち歩いており、作品のネタづくりに使っているのだが…その中で、書いた本人が『?』と思ったのが『ウナギで涙』の一語だった。
この話しのオチは…サギサワさんが、『ウナギで涙』の答えを探し求めて、いろんな人に、さんざん聞いて回るのであるが…久しぶりに会った友人が、開口一番に…
「おい!ウナギの話しは勘弁してくれよ」と友人に言われる、笑い話だ。
オレは…さっき、バロンをトイレに出したのだが、家の中から久しぶりに外に出たのがうれしいのか、どんどん向こうの方へ行く。
呼べば、必ず戻ってくるイヌなので…いなくなる心配はしていない。
案の定、気が済んでバロンは戻ってきた。後ろからクルマの音がするが、「後へ」と言ってあるので、オレからは離れない。クルマがオレの少し先で停まった。「魚の行商人」である。
さっそくバロンが走っていき、魚屋の兄ちゃんにベタベタと甘える。遊んでもらっているのを見ると…何か買わないかんよなぁ…と、いう気になった。
……しかあし……。
明太子・たらこ・筋子を味見してから、明太子を買おうとしたら、『箱入り』のヤツを出して「\5000」ね~♪と明るく、兄ちゃんがのたまう。(高ぇ!)
………しまった。でも、今さら引けない…。
泣く泣く「\5000」を支払い、『箱入り明太子』を受け取ると…兄ちゃんがサービスでイカの塩辛をくれて、そこでサヨナラした。
バロンの散歩で、「\5000」も使ってしまった……。
まさしく『明太子で涙』である…くそっ!
