3連休とはいえ、仕事を自宅に持ち帰ってしまった。
しかし、目を通せたのはひとクラス分だけだ。ぜんぜん仕事は
はかどらなかった。いやその気が起きないと言ったほうが
正しいかもしれない。
今日も、起きる気になれず、布団の中でもそもそしていたら…
たちまち半日が過ぎてしまった。
明日はしっかと仕事になっている。……うーっ、かなわん。
プラモデルをいじってみたり、読み尽くしたマンガを読んでみたり
ある意味贅沢なのかもしれないけれど…なんか、ね。
そして休日の日が沈むと、サザエさん症候群で言われるように
『気分も沈む』というわけだ。そうなると、抗うつ剤を飲み5分数える。
とりあえずそうしないことには、脳みそが漬け物石のごとき
『頭重感』に悩まされつづけて…割れそうになるのだ、アタマが。
ようやく気分を落ち着かせたオレのところに電話がかかってきた。
「愛を語るよりくちづけを交わそう」……ローズだ。
『どうした、ローズ?』「何してた?今日は暇ね。お客さん来ないもの」
『そりゃあ、そうだよなぁ…フィリピンじゃ雪なんて見ないでしょう。』
「降ったの、今日。知らなかった。」雪は、午前中まではかすかに
残っていたが、ローズやオレが動き出す頃にはもう無くなっていた。
「寒いからカゼひかないでね」と言うローズの言葉にオレは
商売っ気のない、純粋な温もりを感じたのだ。
もう、この言葉はオレとローズの間ではほぼ『当り前のあいさつ』と
なってしまっている。
『愛してるよ』…電話の向こうのローズの顔を思い浮かべて言う。
「ありがとう」…うれしそうに、元気な声でローズが返事をする。
彼女は仕事に戻った。オレも10時には寝ようと思う。7:10の列車が
職場への最終列車なのだ。
寝る前に電話するね。そう言って電話を切った。……不思議だ。
ローズと言葉を交わすと、生きる気力がわいてくる。
携帯のアラームも、ローズの着信音にした。
愛を語るより、くちづけを交わそう…これを聞きながら
列車に乗り込むのだ。明日からは。