携帯をサイレントにしていたのだが、着信が入っている。
ローズだ。さっきから女の子が、続々と店に入っているのに
彼女の姿だけがない。おかしいなぁ……そう思っていた矢先だった。
とりあえずかけ直してみる。そうしたら、ローズが出た。
「迎えに来て」と言われ、車をホイルスピンさせ彼女のもとへと
オレは向かう。
友達と話し込んでしまい、遅刻したらしい。迎えに来る車の便もない。
で、オレを呼んだのだ。
通りに出ていたローズをひっさらい、オレの車は元の店へと
駆けてゆく。できる限り、優しく走らせたつもりだが、エンジンは
『暴力的な唸り声』をあげ、加速もジリジリ比例してゆく。
店には往復20分で着いた。まぁ、上出来だろう。間に合わないと
言うほどの遅刻でもない。ローズを先に店に入れ、オレは
ギリギリの時間で、店に入った。
ポケットの中には、いつもカラオケでしか歌わない
『徳永英明』のベストと、彼女の失くした指輪の代わりにと思って
買ったシンプルなシルバーのリングがあった。
サイズは23号、確かこの間の会話で間違いはなかったハズだ。
自信を持ってオレは23号の指輪をレジに持って行き、レジのおねーさんに
やや、不審そうな顔をされてしまったが、結果を後で知ることになる。
この指輪、心なしか「デカイ」のだ。女性の皆様ならお気づきだと思うが。
オレの人差し指でもやっとハマるくらいだ。しかし、ローズは
オレよりも頭一つは体が大きい。……大丈夫だよなぁ。
ローズがオレの隣に座った。今日はカラオケも・飲み物の
御代わりもいらない。じっとして『休んでて』オレはローズに言った。
頷くローズに、クリスマスのプレゼントを渡す。
胸元から、CDアルバムを出し、びっくりしているローズに手渡す。
そして……メインの指輪だ。
彼女の左手の薬指に「仮」のリングをはめようとする。
「スポッ!」オレもローズも唖然としている。何でだ……。
「私、指輪は19号よ。」ローズが追い打ちをかけるように言う。
やってしまったぁぁぁぁ・・・・・・。
カゼひいて遠慮してるのと、サプライズさせたかったのが
『超裏目』に出てしまった。
ローズはおかしそうに笑っている。
そして、指輪を箱に戻すと、「プレゼント♡」と言ってオレに
手渡してくれた。
今日は、カラオケもやんなかったし…お茶のお代わりもしなかった。
ローズを少しだけ、休ませてやることができたと思う。
指輪のほうは、レシートを無くしてしまったが、一か八か
『19号』に換えてもらえるか、交渉してみるつもりだ。
はぁ…参った・参った。