「……ない。」
ジャパンネットの口座に、預金しておいたはずの¥3000がない。
『ちーん』と頭の中で鐘が鳴り、お地蔵さまのごとくATMの前でオレは完全に
固まってしまった。
もういいや、やってらんねぇそう思い、コンビニから出ようとしたときに
ふと思い立ったのだ。少しでも現金はないか、他の銀行の口座に僅かながらも
現金は入っているかもしれないと……。
オレの財布には、2枚の信用金庫のキャッシュカードが入っている。
試しに、メインのカードをATMに飲み込ませ、残高を確認する。
やはり結果は同じだ。¥1000にも満たない現金が画面に示されている。
残るは、もう一枚のクレジットカードだ。オレはここの信金で、かなり不快な
思いをしたため、自分よりはるか年上であろう職員をアタマっから怒鳴りつけ
詫びを入れさせたことがある。だから、このカードははなっから
現金が入っている…いや残っているとは思えない。半ばあきらめてATMに
赤いカードを飲ませた。
『チーン!』………なんじゃこれはー!
オレはまたATMの前で地蔵と化していた……。
画面に表示された数字を、冷静になって読む。
『1・10・100・1000・10000・100000!』はぃーい!
冷静になれなーぃ!とりあえず引き落とせKick☆である。
10万の現金を引っつかみ、オレはヴォルヴィックの1Lと、『うる星やつら』の
一枚¥500のくじを4枚買ってスクラッチした。
(この時点でオレが「セブンイレブン」にいたということが判れば…その読みに感服だ)
さらにうれしいことに、4枚のくじは当たった物もばらばらで
一番ほしかった「ラムのハーフケット」もあったし、ミニテーブルまで当たった。
その後はカネを使いに使いまくった。とは言っても、支払うべき金である。
電力会社には2か月分、水道料金3期分、破産の費用と法律屋との打ち合わせで
万州を払いまくった。
晩飯は贔屓にしている隣町のラーメン屋で限定のラーメンを喰い、
デートに誘ったアメリカ娘には、つれないメッセージをもらったので…花束と
かぜ薬を持って、ローズに逢いに行き、ローズが来る前にヘルプに来てくれた
『ジェニファー』にまで花を一輪と、電話番号を渡した。
ローズは咳をしてちょっとつらそうだったので、オレはカラオケを
ひたすらリクエストしまくり、ローズに聞いてもらった。
おかげで、店を出るころにはすっかりノドがつぶれてしまった。
うん、バカだ……。
そして今、コーキと夜食のラーメン喰いに行くため、久しぶりに
ネットカフェにいる。
もちろん仕事もやった。テストの一部『作り直し』だ。
日曜には出勤しなくてはならないが、これだけ有意義な休みだったのだ。
『出てやってもいい』ぐらいのいい気分である。
テストが終わったら、ローズとのデートもできそうだ。
今の気分は、『生きててよかった♪』だね。