オレはコンビニで半年働いたが、オレなりに一生懸命やった。
時にはサボったこともあったが…後になるとそれは心苦しい。
そして、自分がサービス業に携わっていたからこそ
ソイツをのさばらしておく気にはなれなかった。だから、ヤツから食い扶持を
奪ってやったのだ。いわゆる『社会的抹殺』だ。
話は5月にさかのぼる。
オレはYahooオークションで出品したラジコンを『着払い』で発送したくて
近所のファミリーマートへと出かけた。
大きな箱に重たい機械。不安定な自転車でやっとのことで
店へと運んだ。そして、店員に「着払いの伝票をくれる?」と言った。
ところが、その店員は無愛想に「アレ!」「アレって言ってる!」と
ファミポートの端末を、手を払うように指さす。その態度に
オレの脳ミソの神経と血管が、同時に切れた。
『おい』と、ソイツを呼ぶ。そして『何だその態度は』と怒りをこめて言った。
(仮に自分が店員だったら、客が何を要求しているのかを冷静に聞き
サービスが取り扱っていないモノであるなら「申し訳ありません」と
アイサツ程度のお詫びを入れるトコロだろう)
するとそのガキは、「何だとは何だテメエ、コラァ!」ときた。
ここまで言い返すヤツはそうはいない。ギネス級のバカだ。しかし
こちらも、そのギネスバカに噛み付いてしまったわけだ。
数太刀(いくたち)かは浴びせてやらねば気が済まない。
『客にロクに説明もできないで、よく店員が勤まるなー!
接客業を何だと思ってんだ、恥ずかしくねぇのか』
「うるせー!お前こそチャックが開いとるわー!みっともねぇ!」
朝、2時間も早く目が覚めて、コンビニまでふらりと出てきたのだ。
ジーパンの「ジッパー」など、たいした問題ではない。
『バカかてめぇは!「風通し」よくしとるんじゃ!』…もう腹は決まった。
覚えとけ…。そう吐き捨てるとオレは店を出た。
そして、9時になるのを待ち続け「ファミリーマート本部」に、すべて
事情をぶちまけたのだ。真剣に怒っているのに、ジーパンのことで
挑発までして、あの店は品物以外に「ケンカも売ってんのか?!」と
そして、本部からの手厳しい指導の後だったのだろう。
『店のオーナー』から、平謝りの電話がかかってきた。
この人が悪いわけではないのだが…監督不行き届きだろう。
『…申し訳ありませんが、お宅とは縁を切らせていただきます』そう言って
電話を切らせていただいた。
ところが、そこのファミリーマートは一番マンションに近いのだ。
楽天で頼んだ本も、取り扱っている。……まぁ、昼間なら
赦してもいいかなぁと思った。また、いい歳のオジサンの店員とも
話す機会があり、オレが本部にぶちまけた騒動を
全て知っており…他の客にも苦情が出ていることを知った。
さて、ある晩…ウーロン茶が飲みたくなり、例のファミリーマートへ
自転車を走らせた。俺の前に女性の客が入り、「ピンポーン!」と
客の来たことを告げる音がする。しかし、いらっしゃいませの一言もない。
レジには、大人の流儀で叩きのめしたバカガキがいる。
店に入って5秒…オレを睨み付けている。
懲りてはいなかったようだな……バカめ。…店に入って10秒
そのままUターンして、店を出た。あんな悪い空気をいつまでも
吸っていられるか…。そして決心した。『約束どおり…斬る!』
またもオレは、フェミリーマートの本部に電話をかけ、
『アイサツもない挙句、睨み付けられた。オーナーさんには
次、問題を起こしたらクビを斬ってもらうと約束している。果たしていただきたい
約束を。』と静かに怒りをこめて言った。
そして二日が経った。
繁華街に向かう最中の電車の中で、オーナーさんから電話があり
あのバカガキがファミリーマートを追い出されたことを知った。
「これからもよろしくお願いします」そう言われたオレは、
街で有名な菓子を買うと、店へ届けた。
苦労は『報われるべき』だからだと、オレは思っているからだ。
非礼は断じて赦さん。『オレのポリシーだ。』