4本目のシードルと、20年ぶりの『再会』 | 元教師・ayanamigagaの航海日誌ヽ(`Д´)ノ

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学校批判・文科省批判・その他徒然に。

その晩は、カレーを作っていたのだが、ルーの素が足りず…買い出しに行かなければならぬハメになったのだ。

マンションを出ると、帰宅した下の階のご夫妻とかち合った。

今晩は、と挨拶すると向こうからも挨拶が返ってきた。ところが、旦那さんは階段を上がって行くのに、奥さんのほうは、何かもどかしそうな感じで口を開いた。

「ばたら君…だよね…?」
『それを知っているキミは誰だ?』
「ワタシの実家、薬屋だけど…」
『!!!さっちゃんか!?』

さっちゃんは、小学校では席が隣り同士で、真面目な優しい女の子だった。

おバカなオレは、彼女にしょっちゅうイタズラをして、半泣きにさせていた。やせてはいるが…面影は残っている。

中学生になってから、彼女はオリジナルのマンガに熱中し出す。あの頃は自己顕示欲のカタマリだったと恥じらう彼女だが、顕示して何が悪い。進研ゼミをイラストで飾ったり、また、20年前は貴重だった漫画の道具『スクリーントーン』を探して、東奔西走したマンガが、中2のときの進研ゼミに一本載ったくらいの情熱家だった。

ふとしたことで、彼女の創作活動を知り、声をかけたが『無視』(今までのツケだ)されてしまい…中学を出たきり、行方知れずとなったのだ。

その彼女が、縁があって…こうやって再び出会っている。

さっちゃんいわく、「声をかけなかったら、一生後悔するかもしれない…。」と思ったそうだ。

ならば、そのささやかな勇気に、オレは報いなければらない。

『酒は飲める?』と尋ねたら、好きらしい。二人で祝杯はあげられないが、今日という素晴らしい日に乾杯したい。


ちょっと待ってて!と、さっちゃんを待たせると、オレは部屋に戻り、冷蔵庫から一本のシードルを取り出して、さっちゃんに手渡した。


さっちゃんは、とても喜んでくれたが、それは、オレも同じことだ。


20年ぶりの再会に
『乾杯』