『フィリピーナに、先コー惚れて…文句ある?』(字余り)
ローズマリーとは、出逢ってはや半年になる。
忘れもしない、あの晩のことは。
深夜3時をまわった頃だった。オレは届いた雑誌の仕分けに追われていた。
不意に自動ドアが開き、若い女性が3人入って来た。オレは手を休めることなく「いらっしゃいませ。」とそのまま挨拶した。
しかし、思いもよらぬ言葉が返ってきた。
『イラッシャイマシタ♪』「!」
オレは思わず、声の主をまじまじと見た。
気高い微笑みが…素敵だ。
日本人…ではない。(フィリピーナか?)
オレの関心は、すっかり彼女に向いてしまっていた。それほど彼女は美しかったのだ。もし関心がないような男なら……『刑務所』にでも、ぶち込まれてしまえ!と半ば本気で思う。
昔、マリンというフィリピーナに、ちょっとだけ縁があり…タガログ語は、挨拶くらいはできないことはない。彼女に声をかけたオレは試しに『マガンダン・ガビ』と言ってみた。
今度は、彼女が目を真ん丸にする番だった。
「ナンデシッテルノ?」「友達がいたからさ」そしてオレは、彼女が『ローズ』という名前で、隣町の大きなパブで働いてると知ったのだった。
関心は好奇心に変わり…それが求める愛、
つまり『片想い』に変わるのに時間はかからなかった。
コンビニの給料などたかが知れている。
でも、そのうち5000円は一時間の飲み代とローズマリーとの逢瀬になった。
『好きだ』『愛してる』は、いくつ並べたか忘れてしまった。
おそらく、これからもそうだろう。『千の言葉』が、彼女に伝われば今はうれしい。
彼女に、いつも傍に居てほしい。「願い」と言ったら聞こえはいいが、ローズにしてみたら、オレの『ワガママ』でしかない。
心が壊れそうだ…淋しくて……。
打ち勝つ力がどれだけ欲しいことだろう…。
あと一週間……忘れるくらい働いてみよう。
ローズに笑顔で迎えてもらえるように…。