クチコミネタ:動物愛護
「医は仁術」・・・この言葉の通り、医者は心豊かで「優しく」あってもらいたい。
ましてや、口のきけない動物を相手にするならば尚更である。
動物愛護に記事を書いたきっかけ、それは・・・悲しい目に遭って、天に帰ったある野生動物について
忘れられない『怒り』と『想い』とがあるからだ。
腐れ村の中学に半年ほど勤めていたときのことだ。その頃、村から50キロほど離れた
親元からオレは通っていたのだが、夜、カーブの続く山道を4WDで走り家路を急いでいた。
腐れ村を過ぎると、地酒しか売り物の無い町がある。そいつを越えたらまた山道だ。
山肌に沿ったカーブを右に曲がり、愛車が前方を明るく照らす。「!」
路上に大きなフェレットのような生き物がうずくまって、血だまりができている。
ハザードを点灯させ、1tの4WDから降りると、オレはそいつに走り寄った。
「・・・・・・ハクビシン。」顔の真ん中の白い線ですぐにわかった。苦しそうに喘いでいる。
迷うことなど何一つなかった。オレはこの命を助けるために全力を尽くすのだ、と。
昔、小学生の頃だった・・・交通事故で、大腿骨が2本とも折れたタヌキを通行人が見つけ、
無償で医者がタヌキを手術し、そして・・・無事、自然に帰したことを本で読んだ。
だから、動物のお医者さんは、『心優しく、尊敬されるべき』存在なのだと・・・。
直接触れないように(ダニや病原菌はさすがにまずいと思った、家には犬たちがいたからだ。)
4WDのタイヤケースを外して中に入れ、山道を20キロオーバーで走る。
実家を過ぎてもふもとには、何も無い。・・・街に出るしか手はなかった。そして動物病院を必死に探した。
「夜間診療・・・・・・ここしかない、行こう。」期待にこたえてくれるとオレは信じたのだ。
某自動車メーカーの街にある、Y動物病院・・・そこに夜間診療の電話をかけた。
そして、動物が「野生動物であり、できるなら自然に帰せるように・・・」そう言って、
ハクビシンをかつぎ込んだのだ。
医者は、顔は笑っていても目は笑っていない・・・『青ひょうたん』『世間知らずのボン』のようだった。
(大丈夫だろうか)・・・とは言っても無理を言っているのはこっちだ。礼を失することのないよう、
自分が教員であり、命を助けることが大切だと思ってここに来た。よろしくお願いします。そう言ったのだ。
しかし、耳に残ってるのはその、ボンクラ獣医の「・・・むずかしいですねぇ」の連発だった。
これで、なんとかなる。という安堵の気持ちと、やる気あるのかよ・・・コイツ?という不信感が
心に湧き上がった。
不安は見事に的中する。ハクビシンの容態はどんどん悪くなっていったのだ。
「・・・どうしましょうか?」(つまり、投薬・手術などを言っているのだろう)いらだったオレは言った。
「金は出さないなんて言わないが、いずれは自然に帰すのに・・・できることには限度がある!」
すると、獣医は
「最初からむずかしいって言ったでしょうが!あんな『虫の息』の動物を連れてきて・・・・・・」
「『虫の息』だと・・・!」 これが、医師の・獣医のつかうべき言葉か?
完全にオレは激怒し、両親も弟も続いた。馴染みの獣医のところに連れて行こう。
ヤツの手元に1秒たりとも、あのかわいそうなハクビシンを置いておきたくはない。
親父のワゴンを走らせ、Y動物病院に弟と飛び込む。「手前は!」と吼える、
ボンクラ獣医も「あんたはチンピラか、教師のくせにー」とわめく。かすかに冷静だったのは弟だった。
「・・・別の病院に行く、早く連れて来い!!」
代金は1万8千・・とある、弟はレジに2万を叩きつけ「釣りは要らん!早くしろ・・・!」と吼えた。
小さなダンボールの中で、命の灯が消えかかっている。
親父の車で、オレ達一家は、なじみのトヤマ先生のところに押しかけた。先生は、
だいぶひどいけど、オシッコ(生理現象がなされている)もでているから・・・今夜が峠だよ、何かあったら
連絡するからね。そういってダンボールの、ハクビシンを引き受けてくれた。
オレたちは、何度も頭を下げ・・・礼を言った。
翌日の朝、ハクビシンは小さな『天使』となって空に帰っていった。トヤマ先生は火葬の手続きまで
行ってくださり、俺は、香典代わりに数千円を包み、お金はいらないと、遠慮される先生の手に握ってもらった。
そして、もし・・・同じ想いで野生動物を『Y動物病院』に連れて行くひとがいたら・・・・・・オレは『鬼神』となった。
事実をすべて、「県の獣医師会」にメールでぶち上げたのだ。
幼い頃読んだ、本のこと。獣医とは心優しく、口の利けない動物の命を大切にすると
想っていたのに、大きく裏切られたこと。「タダ」で診療しろとは言わない・・・しかし、元気になれば
野性に返す生き物に、出せる金は限られる。
(ごていねいに、Y動物病院では初診料・夜間割増も加算していた)
これでいいのかと会長宛に問いかけたのだ。
二週間後、電話が母親のもとにあり、「昔は、こんな風ではなかったのに・・・残念なことです」と県の
獣医師会の重役からあり、オレには「野生動物は、貴重な宝であるので、守るよう全医師に通達する」
といった手紙が、県獣医師会会長の名前で届いた。
言い分は通ったが、オレはこんなことを望んではいなかった。
あの、ハクビシンが元気になってくれることだけだったが・・・かなわぬことだった。だから
同じように、野生動物が『事故』に遭わないように・・・そして、
獣医とは、どうあるべきかを獣医師会に考えさせることが、あの幼いハクビシンの命への
「せめてもの餞(はなむけ)」であると、オレは信じている。
早く、生まれ変わって、しあわせになってくれよ・・・。
チビさんへ
やっと、メッセージができました。(苦笑)自分も、12年間連れ添った柴犬を24歳のときに亡くし
50日、犬のいない日々が続きました・・・。(まさに灯が消えたような寂しさでした)
ところが、ある日父親が職業柄・・・50キロ近いゴールデンレトリバーを
自宅で預かることになり、飼い主は翌日に見つかったものの・・・「もう一度犬を!」という思いで
黒いラブラドールの子犬が、家族となりました。・・・しかしこの犬、筋金入りの『あほ犬』で
弟のレアモノのGショックを食いちぎり、4万のブーツを噛みました。
出て行ったら、近所の人に逮捕され、お詫びの品物を渡す。
小学生の女の子に飛びつき、つかまってHGのマネをする・・・
(9歳になった今も変わりません)
悲しんでる「ヒマ」なんてなかったですよ。(苦笑)
だから、もう一度、家族を招いては
いかがでしょう。きっと、天国で暮らし始めた、チビさんの弟(妹)も、あなたの幸せを
望んでいるはずですから・・・。
