今日寝てたら間違い電話がかかってきた。
俺は寝ぼけたまま電話を取った。
「はいー。」
「もしもし。ユウタかい?」
どうも声はおばあさんっぽい声。
俺はユウタじゃないし。完璧に間違い電話。
「違いますよー。ユウタじゃないです。」
眠かったのもあり、ぶっきらぼうに俺はそう
答えた。
「あんたの幼馴染みのケンちゃんに番号聞
いてかけてみたんよ。」
おいおい。ばあさん聞いてるのか?俺はユウ
タじゃないで。
「いや、だからユウタじゃないですよ。番号合っ
てますか?」
「話したくないのはわかるけど、ユウタでしょ?」
うーん。困った。信じてくれない。
「いや、ホンマにちゃいますよー。ユウタじゃない
ですよ。」
「私たちがお前にしたこと、まだ根にもってるん
やね。無理もないさね。」
どこからかけてるのかわからんが、少しナマリ
もあった。
「いや、だからユウタじゃないって。」
俺はベッドからソファに移動して、タバコ吸いな
がらそう言うんだけど、まったく信じてもらえん。
「もう、あれから6年経ったんよ。そろそろ許して
もらえんかね。」
俺は無言でタバコ吸ってた。
多分何を言っても信じてもらえん気がした。
「一回帰ってこんね?ゆっくり話ししようよ。」
一体ユウタは何をされたんやろ。俺はそれが気
になりだした。
「今、どこにおるとね?」
このおばさん、ユウタのオカンなのか?おばあ
ちゃんなのか?
「今、神戸。」
俺は何故かそう答えた。ユウタが何をされたか
聞きたくなった。
「神戸!そんなところに!」
そのおばさんは驚いていた。
「ちゃんと飯は食べとる?」
「あー。食っとる。」
「体は?」
「大丈夫。」
そんな話をした。ぜんぜんしらんおばさんと。
新手の詐欺か?(笑
そんな風にも思った。
でもそのおばさんは電話越しに泣き出した。
詐欺じゃなさそうだ。
「ごめんね。ユウタ。悪気はなかったんよ。
とうちゃんの作った借金のせいで、あれしか
方法がなかったんよ。」
おいおい。おばさん。ユウタに何やってん?(笑
「でも、もうちゃんと籍も抜いて、あんたの戸籍も
キレイにしたから。」
ん?何を言ってるんや?
「フェイさんも中国に帰ったし。」
フェイさん?中国?何?
「ホントに偽装結婚なんていかんよね。」
おいおい、このおばはんユウタを偽装結婚させ
たんか?(笑
「あのさー。」
「なんね?」
「何回もゆーてるけど。」
「なに?」
「俺はユウタじゃないよ。俺の名前は○○○○
。」
今度はそのおばはんが無言。
「聞いてる?俺は○○○○。神戸の生まれ。
育ちも神戸。」
「ホントね?」
「うん。電話番号間違ってるやろ?もしくはケン
ちゃんが間違って教えたかやわ。」
そう言うと電話はいきなり切られた。
なんやねん。ばばあ。
俺はちょっとムカついて、携帯たたんで、ソファ
に放り投げた。
冷蔵庫からスポーツドリンク出して、TVつけて
ソファにもっかい座る。するとまた電話。
「もしもし。」
「ユウタね?」
同じおばはんからやった。
「あのねー。さっきの○○やけど。それケンちゃ
んが間違ってるわー。もっかいケンちゃんに番
号聞いた方がえーで。」
「すんません。」
そのおばはんは今度は謝ってきよった。
「別にえーけど。」
おばはんは何度も何度も謝ってくる。
「けどな、勝手に息子を金のために偽装結婚さ
せたりしたらそりゃ、息子も家飛び出すわー。
無茶したらアカンでー。」
俺は何故かこれだけ言わんといかん気がして。
そのおばはんはそれでも何度も何度も俺に謝る。
「俺じゃなくて、ユウタに謝り。そんなことされたら
ユウタじゃなくても怒るわ。」
「ホントにごめんなさい。」
おばはんはもうそれしか言わん。
「わかったから。その番号のメモ破って捨てて。
こっちも着信の番号消しとくから。二度とかけた
らアカンでー。」
俺はそう言うと電話を切った。
って言うか、怖ぇぇぇぇー。親が借金の返済の為
に自分の子どもの戸籍売るなんて。
ありえん(笑
朝から(もう昼だったかも。)怖い話やったわ。
みんなも気ぃつけよー(笑