鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクションNo.16を入手しました。テーマは国鉄の客車1950-60となっていて正に我が家の模型にドンピシャなテーマです。そして注目すべきは付録。お値段1,500円と割と普通の値段をしてますが、客車配置表がついてくるのです!しかもS39年4月現在ということでS38年改正頃の多いうちの車には適当です。また先日再版となりましたアルモデル(キングスホビー)さんの「往年の客車列車編成表」も購入いたしましたので、これとサイトは消えてしまったけど裏技?でなんとか閲覧できる「主要客車列車編成表」を合わせて、手持ちの旧客編成を再検証してみようと思います。「検証」といっても今の編成に間違いがないかを確認するだけです。

 

今回は我が家では最古参編成となる東京ー鹿児島間、鹿児島本線経由の急行「霧島」。東海道本線、山陽本線、鹿児島本線という大幹線をほぼ全て走破する現在では考えられない列車です。東海道区間は昼行、山陽区間は夜行、九州島内では再び昼行列車となり、所要時間は驚異の26時間35分。尤も当時は同区間(厳密には西鹿児島行)を日豊本線経由で走る「高千穂」が29時間25分と更に長い運行時間となっていました…。その「高千穂」も似たような車で構成されているので、組み換えでどちらも組めるよう、2列車とも検証していきます。

 

先ずは霧島から。アルモデルの編成表には近い時代の記載がありませんので、「主要客車列車編成表」から引用します。

 

号車 型式 備考 区間 所属
マニ    東京ー鹿児島  鹿荷1
1 オハネ17   東京ー博多 東シナ
2 ナハネ11   東京ー博多 東シナ
3 ナハネ11   東京ー鹿児島 鹿カコ
4 ナロ10 東京ー鹿児島 鹿カコ
5 ナロ10   東京ー鹿児島 鹿カコ
6 オシ17   東京ー鹿児島 鹿カコ
7 ナハ   東京ー鹿児島 鹿カコ
8 ナハ   東京ー鹿児島 鹿カコ
9 ナハ   東京ー鹿児島 鹿カコ
10 ナハ   東京ー鹿児島 鹿カコ
11 ナハフ   東京ー鹿児島 鹿カコ
12 オハ   東京ー熊本 熊クマ
13 オハ   東京ー熊本 熊クマ
14 スハフ   東京ー熊本 熊クマ

 

前年の改正よりマロネ29がオハネ17に置き換えられた姿です。全体的に軽量客車の割合が高く、KATOの「かもめ」後期セットから組むのに最適と以前本ブログでも書いたかと思います。

 

では1形式ずつ検証していきましょう。

 

マニは鹿カコの車です。当時(S39.4.1 以下同様)配置の車は以下の通り。

 

マニ60…60114 115 130 173 515 524 626~629 680~682

マニ72…729~13

 

東京口にマニ72が這入ってくるのを想像すると非常に面白そうですが、ここは無難にマニ60にすべきでしょうか。オハニ61改造グループということで妻面窓の有無がありますので確認です。

 

114…あり

115…なし

130…なし

173…なし

515…あり

524…なし

626…なし

627…なし

628…あり

629…あり

680…なし

681…あり

682…あり

 

雑誌の表を脳死で照らし合わせながら打ち込んだので、間違ってる可能性もありますが参考程度にご覧いただければ幸いです。種車のオハニ61の車号が205以下なら窓なし、以降は窓ありです。KATOの単品製品は妻面窓ありで2653番が印刷されています。オハニ時代は439番ですからこれで正解です。一方TOMIXのマニ60は妻面窓なしの仕様です。あまりTOMIXの客車は買わない質なのですが、マニ60は間違って買った車が1両だけいます() 多分KATOでは妻面窓なしの車は出ていないと思います(何かのセットにしれっと含まれていたらゴメンナサイ)のでTOMIX製品で差別化することもできそうです。鹿児島の車は割合半々程度ですのでどちらを使っても問題はなさそうですね。

 

ということでマニ60はKATOのオハニ61改造車にしましょう。

 

 

KATO「音戸」セットよりマニ60 85です。オハニ61改造車がプロトタイプで、先述の単品製品の表記違いです。なお我が家の方針として、製品に表記類が印刷されている場合はそのまま使うことにしています。

 

 

こちらはTOMIXのマニ60。保護棒に緑の印刷が入ります。

 

 

妻面を見比べるとご覧のように両社でプロトタイプが異なっています。並べてみるとぶどう色の解釈もかなり違いますね。

 

お次。オハネ17とナハネ11ですがこちらは選びようがないのでスルーです。マイクロエースの旧い製品を他の編成と共通で使うしかありません。入手の難しい車ですので仕様がないですね。オハネ17はKATOの「音戸」増結を探すのが手っ取り早いですが、中々出物がありません。ナハネ11については現在色々画策していることがありますので、いずれ記事にできればと思っております。

 

東シナのオハネ17は総勢80輌と流石に書くのは怠すぎるのでナハネ11とナロ10のみ掲載。

 

東シナ

ナハネ11…1118 25~30

 

鹿カコ

ナハネ11…111~3 20 39~44 66

ナロ10 …102~10 15~27

 

 

ナロ10はKATOの「かもめ」後期を使うとして、オシ17はどうでしょうか。

当時の鹿児島車は以下の通り。

 

オシ17…171~4 14

 

一時期は青大将色が入ったこともある「霧島」ですが、この当時も同じ車が残っていたようですね。KATOのオシ17は3形態在り、青大将「つばめ」(除く初期製品)「はと」「かもめ」後期に含まれる調理室窓無し、喫煙室非常扉有りの1~4、「かもめ」中期の調理室窓有り、喫煙室非常扉有りの5~10、曰く付き単品製品(今度の再生産で漸く変わるそうですネ)の調理室窓有り、喫煙室非常扉消滅の11以降に分かれます。「かもめ」後期は5番のはずですが、1~4の仕様で製品化されてしまったようです。しかし今回の「霧島」の場合、先述のように元青大将色の1~4がぶどう色に塗られて運用されていますので、このエラー車がそのまま使えてしまいます。願ったり叶ったり…なのかな?

 

 

ということで食堂車は従来通り「かもめ」後期編成の5番を使用します。

 

ナハ10 …103~9 25~41 54~60 90

ナハ11 …1134 93~97

ナハフ10…1037~40

ナハフ11…118~10 17 20

 

鹿児島持ちの二等車はご覧の通り。製品通りナハ11、ナハフ11で何ら問題はなさそうです。最後に熊本回転の3両。

 

オハ36 …3620 29 31 34 35

オハ46 …46679~682

スハフ42…42177 179~181

 

この他オハ35が多数とオハ60が2両いますが、24時間越えの急行ですからオハ35は兎も角オハ60なんて入れたくはないですよね…。スハフは数が少ないですから、若しかしたらスハフ32が入ることもあったかもしれません。

 

現状ではオハ47を入れていますが当時の配置はないようなので代替が必要です。オハ36はスハ42を軽量化した車ですので、オハ35の戦後型から造ろうとすると妻面の改造という厄介な作業が必須。一方オハ46はスハ43からの編入車ですのでこちらはすぐにでも用意が出来そうです。いずれオハ36に置き換えられたらいいのですが…

 

「霧島」の検証終了です。改訂ポイントは200番代を使っていたマニと熊本回転車のオハくらいでしょうか。

 

 

 

続いて「高千穂」にまいりましょう。「霧島」編成と共通で使うつもりですが、果たして。

 

号車 型式 備考 区間 所属
マニ    東京ー西鹿児島 東荷1
1 ナロ10 東京ー西鹿児島 鹿カコ
2 ナロ10   東京ー西鹿児島 鹿カコ
3 マロネ29   東京ー大分 分オイ
4 ナハネ11   東京ー大分 分オイ
5 オシ17   東京ー大分 東シナ
6 ナハネ11   東京ー西鹿児島 鹿カコ
7 ナハ   東京ー西鹿児島 鹿カコ
8 ナハ   東京ー西鹿児島 鹿カコ
9 ナハ   東京ー西鹿児島 鹿カコ
10 ナハフ   東京ー西鹿児島 鹿カコ
11 ナハ   東京ー宮崎 東シナ
12 ナハフ   東京ー宮崎 東シナ
13 スハフ   東京ー大分 東シナ
14 スハフ   東京ー門司 門モシ

 

途中門司、大分、宮崎と3回に分けて編成を切り離す手間のかかる列車です。一見謎に見える緩急車が連続した編成にもちゃんと意味があるのですね。鹿児島持ちの1、2、6~10号車は「霧島」でも使用していますから割愛します。マニは東京の車(品川?)ということですが、マニ31(32かも)が最後尾の「高千穂」の記録写真がありましたので、MODEMOのマニ31(丸屋根)を入れたいと思います。アルモデルの編成表(S36.5 以下同様)では張り上げ屋根のマニ32の記録もあります。品川の車は数が数なので省略。

 

 

KATO他の製品と比べると驚くほどに薄いぶどう色、、かつてMODEMOが旧ナカセイのキットを組み立て済みとして販売していました。画像の車は荷物車、郵便車を1セットにまとめたNS109内のマニ31です。やたらとカプラが分離する点と分解が大変面倒くさいという欠点はあるものの、貴重な車種も多数製品化されていて今なお価値のある製品群です。

 

重厚な三軸台車が魅力のマロネ29は大分持ち。

 

マロネ29…29101 110~112

 

アルモデルのキット組みを使用しますが、塗装が厚塗り気味なので一度塗装を落として再塗装を検討中です。金属キットは中々のお値段になってしまうので無駄にはしたくありませんからね。

 

二等車のうち、鹿児島持ちでない11~14号車を確認。当時品川にはナハ10が4輌、ナハ11が24輌となっています。ナハフ11も8輌配置。この他に同じナハ車としてナハ20が居ますが、固定編成の20系群なので先の2形式が充当されていたとみて間違いありません。参考までにナハ10、ナハフ10の車号は以下の通りです。

 

ナハ10 …1010 42 902 903

ナハフ10…1033~35

 

試作車の900番代が2輌。編成に組み込めたらいいアクセントになりそうですね~!我が家にはアシェットをN化したと思われるぶどう色1号時代のナハ10が2両在籍しておりますが、妻面がリブ有りなので試作車の量産車登場前という仕様ではないかと思います。車高が高いのが玉に瑕ですが、銀色の折戸が編成の中でも目立ってくれるので気に入っている車です。現状はS31年10月改正設定時の「あさかぜ」に組み込んで運用しています。また、KATOも「きそ」セットに於いてナハ10 2901を製品化しています。妻面のリブとTR50X台車が再現されています。実車がS38年時点で折戸だったのかは判りません。

 

 

ナハ10に製造数では劣るものの、模型ではナハ10より一般的な感があるナハ11です。単品は青15号しかありませんが、「かもめ」後期、中期セットにはぶどう色2号のナハ11が含まれています。

旧客のそれとは少し違うぶどう色が使われているのか、アルミサッシにマッチする明るいぶどう色の美しい仕上がりが魅力です。

 

スハフはスハフ34が3輌、スハフ42が48輌、スハフ43は7輌の配置が有ります。しかしアルモデルの編成表を見るとなぜかここにナハフ11が入っています。S36年時点でも此処はスハフのはずですが、機関車次位にマロネ39の増結が在るので編成全体の重量を調整したのでしょうか。まぁおそらく通常入るのはスハフ42なのでしょうけど、一応スハフ34とスハフ43の車号を以下に記載しておきます。

 

スハフ34…342 21 22

スハフ43…4318~24

 

門司のスハフは次の通りです。

 

スハフ32…32342

スハフ42…42146 148 183 203 204 210 211 215 216 218

 

 

 

こちらもKATOのスハフ42で十分でしょう。ちなみに下りは門司止まりですが上りは飯塚発でした。甲府モデルさんの後部標識を貼り付けています。

 

 

あらためて「高千穂」です。ナハネ11のうち1輌は「瀬戸」からお借りしてきました。

 

これにて「高千穂」も検証終了です。荷物車をマニ31に変更程度で、変更点はほぼありませんが、それ以前に使用車両を仕上げなければなりませんね。

 

参考資料

・鉄道ピクトリアル アーカイブスセレクション 16

・[改訂版]往年の客車列車編成表

・主要客車列車編成表

・RM Re-Liblary 5

・鉄道ピクトリアル 国鉄形車両の記録 スハ43系客車

・メディアパルムック 東海道本線の1950~70年代