スハネ30の改造種車が底をつきそうだったS36年、まだまだ足りない新二等寝台需要に応えるべく、廃車の近い客車の台枠を流用し、車体を新規で製作したオハネ17形が登場しました。我が家で主軸としているS38年の東海道本線にも欠かせない車であり、模型はマイクロエースとKATOから製品化されています。

 

旧マイクロエース時代のオハネ17

 

 
一番古い製品ながら、比較的単品での入手がし易く、今なお重宝している製品です。車体色はなぜかぶどう色1号並みに暗めの色となっている点が気になりますが、非冷房の屋根は当然製作されており、雰囲気は十分愉しめます。

 

「彗星」セットのオハネ17

 

 
"EF58-26 茶色・マロネ40・10系客車 急行「彗星」セット"内に4両含まれます。車体色がぶどう色2号になっているほかは、号車サボが印刷済になっている程度で、旧製品と窓割り等は全く同じです。なぜか台車の設計が変更されており、KATOカプラに交換しても連結間隔が間延びします。うちでは片方に車間短縮ナックルカプラを装備することで対応していますが、その分連結が少々面倒です…

 

KATO「音戸」セットに含まれるオハネ17(製品は青15号)

 

 
呉線蒸気の発売に関連して、マロネ41が入った「音戸」がKATOより製品化されました。その中に4両含まれます。

 

マイクロエースの九州観光号(オハネ17-600)

 

 
600番代に区分される観光団体向けのオハネ17。かの有名な灰色C59のセットです。

 

 

 

各車を並べてみてみます。上からKATO、マイクロエース(旧)、マイクロエース(新)、マイクロエース(観光団体)です。こちら(1-3位)側から見る分には、目立つ相違点は床下と便所側窓ガラス表現くらいで、あまり両社に違いはないように見受けられます。

 

 
反対(2-4位)側も見てみましょう。デッキ横の窓の有無があります。一番上、KATOの形態が正です。オハネ17は後年冷房化改造を受けてスハネ16となりますが、その際に冷房用配電盤を給仕室廊下の隅に設置しました。その際当該窓が埋められています。マイクロエース各車は屋根以外はスハネ16と同一なので、ここの作り分けはスルーされているということですね。床下もぎゅうぎゅう詰めで、オハネ17らしさが半減しています…GMキットのスハネ16をオハネ17として組む際は配電盤部分に窓を開けるとよりリアルに仕上がります。

 

 

屋根はマイクロエースは10系らしくギンギラ銀、KATOは落ち着いたグレーで塗装されています。ここは好みが分かれるところですね。旧マイクロエースのオハネ17やナハネ11はジャンクで買うことが多いですが、屋根の塗装剥がれが散見されます。両社とも屋根上パーツは一体成型です。

 

さて、ここでちょっとめんどくさい話をします。オハネ17では改造初年度のS36年改造車と以降の車で微妙な形態差があります。それは急行サボの位置で、初年度改造車のうち多度津、幡生改造車を除いて号車サボと縦方向に同一線上のところにあります。これが翌年度改造車より多度津、幡生仕様が全国に広がり急行サボは号車サボより一歩内側に来る格好になりました。KATOの「音戸」に含まれるオハネ17は初年度改造車がプロトタイプとなっているようで、これは製品の車番も1、2、4、6と初期の車が選定されていることからも明白です。

 

 

大変見づらい写真で恐縮ですが、上下のサボ位置が縦一直線に並んでいるのがわかるでしょうか。

 

 

こちらはマイクロエースの製品で、サボ位置は後期タイプです。

 

 

なおKATOの車でも2-4位デッキ側のサボは後期のタイプとなっています。実車の写真を見る限りだとここのサボも他同様号車サボとy座標が揃っているのでエラーの可能性があります。まぁこんなところ気にしなければいいだけですが…かくいう私もKATOの車にお構いなく後期の車番を割り当てています。我が家の車はぶどう色2号に塗り替えていますので、主のスプレー技術のなさにも助けられてサボのモールドも分かりにくくなっていますが、製品ではサボが印刷されていますから、余計に目立ってしまいます。まぁこんなところ気にしなければいいだけですが…(2回目)ちなみにGMのスハネ16もサボ位置は初期タイプです。こちらに関してはサボ位置は正規です。

 

 

↑製品ではこのようにサボ内に印刷が入ります。

 

オハネ17に改造の際、種車の旧い台車を使わず、スハ43が履いていたTR47と交換が実施されました。これによってスハ43の一部はTR23に履き替えてオハ47となるわけです。

ただし翌年度からは寒冷地の電化区間にも進出するにあたり、電気暖房装置が必要になりました。この際に発生する自重増を相殺するため、電暖装備車については種車の台車を流用する形で改造が行われています。2405はTR34、その他の2000番代についてはTR23となりました。

 

 

ということで試しにオハネ17にオハ35 一般形から拝借したTR23(平軸受け)を履かせてみました。床下なので模型なら大して変わらないかも、とも思ったのですが結構印象が変わりますね。軽量構造を採用した新しい車体に釣り合わない旧い台車とのアンバランス感がたまりません。

 

 

 

TR34も履かせてみました。こちらはオハフ33 戦後形からの拝借。

 

 
こちらはコロ軸受けです。模型として両型式を区別する際は、軸受けの上のところが欠けているかどうかを見るのが分かり易いかと思います。

 

オハネ17は「音戸」の増結を買うのが一番効率が良いのですが、今のところ1セットにしか入手できておらず、編成の大半がオハネ17で占めている「銀河」などでは旧マイクロエース製品との混用が続いています。二等寝台がオールKATOになるのはいつになることやら…

いずれ正式に電暖装備車も増備したいですね。