ハセガワ(モデモ)製の箱根登山鉄道2000形
登場から2004~2005年ごろまでの大型スカート、3連時代がプロト。
デビュー時塗装は第2編成(S2)、RhB塗装は第3編成(S3)。
箱根登山鉄道では初の冷房車です。
第2編成。廃車寸前に吊り掛けからカルダンに変更された111、112の機器を流用して登場。当初は2連でしたが後に3連化された姿が模型化されてます。
この編成は3編成ある2000形の中では一番遅くまでHiSE塗装で活躍していました。
第3編成。姉妹提携のスイス、レーティッシュ鉄道の標準カラーに合わせた塗装に変更された姿。色々あって第3編成以外は2連になりましたが、この編成のみ3連を維持しています(理由は後述。)また、大型スカートも3編成の中では最も遅く、2005年ごろまで残置されていました。箱根登山鉄道は急カーブに備えて線路に水を撒くための水タンクを備えているのですが、これがスカートがあると保守面などで面倒だったのでしょう。
車体長は15mと短いながら、1両1両にパンタ、SIV、CP、制御装置が搭載され、急勾配でも問題なく停車できるよう、電気ブレーキ、空気ブレーキ、手動ブレーキにレール圧着ブレーキと、4種のブレーキを備えています。これだけ重装備だと床下も詰め詰めで、主抵抗器は屋根上に追いやられています。そのため従来車では冷房を搭載できずにいましたが、2000形では車内の一部区画にインバータ式床置き冷房装置を設置し冷房化が図られました。また補助電源には今までよりも大容量の45kVAのDC-DCコンバータを採用。こんなに短い車体なのに、急勾配、急カーブを克服するためにいろいろな装備が備わっている、正に山を登るために設計された電車だというのが箱根登山鉄道の車の最大の魅力だと思います。
ところで2000形において初採用となった冷房ですが、やはり特殊な車両設計が支障となり依然として従来車には普及せず。2004年からは1000形ベルニナ号にも冷房改造がなされることになりましたが、ベルニナ号のSIVは7kVAととても冷房を動かせるほどの容量はなかったために、大容量の電源装置付きの2000形の中間車を分捕り、そこから電源を得ることで冷房化されました。代わりに2000形の第1編成と第2編成は登場時の2連に戻されてしまい、また車内もクロスシートからロングシートへ変更。モハ1と違い増結相手がいなく、長らく2連単独で運用されていましたが、2014年に3000形アレグラ号が新製されると増結して3連で運転されるようになりました。
主が生まれた時はすでに1000形が3連化されており、塗装はレーティッシュ塗装が標準塗装のごとく普及していましたが、現在は第1編成が登場時のHiSE塗装、第2編成がアレグラ号に合わせた配色の塗装、第3編成はレーティッシュ鉄道の看板列車である氷河急行に合わせた塗装で活躍中。レーティッシュ塗装として残るのは1000形第2編成のみになりました。
1000形の3連はこんな感じ
この塗装で3連になったことはありませんが、まぁ雰囲気だけでも